「ねぇねぇ。去年、中途で入ってきたナカノさんって、姑息な手段で成績あげてるらしいよ」
「えーっ。そうなの!? もっとちゃんとすればいいのにねー」
こんな会話は、社内のヒソヒソ話でよくあるパターン。
では、この会話で使われていた「姑息」ということば、あなたはどんな意味で使っていますか?
日本語の「いま」を見つめる国語辞典『大辞泉』が発信しているクイズで、ことばセンス&知識に関して自己点検してみましょう。「間違いやすい表現」をマスターして言葉・表現に自信をもてるビジネスウーマンに♪
【問題】
「姑息(こそく)な手段をとる」あなたは、どちらの意味で使いますか?
1.まにあわせ
2.ひきょう
正解は?
1.まにあわせ
「姑息」は、「姑」がしばらく、「息」が休むの意で、本来は『一時の間に合わせ』という意味になります。
しかし、文化庁の平成22年度「国語に関する世論調査」では、「姑息な手段」を「一時しのぎ」の意味で使う人が15.0%、「ひきょうな」の意味で使う人が70.9%という結果も。
冒頭の会話で出てきたナカノさんは、その場しのぎの仕事ばかりしているということに!?
【ことばの総泉挙/デジタル大辞泉】では55%の人が正解していますが、44%つまり半数近い人が、本来の意味とは異なる意味で認識してしまっています(2017年11月7日現在)。
こ‐そく【姑息】
《「姑」はしばらく、「息」は休むの意から》一時の間に合わせにすること。また、そのさま。一時のがれ。その場しのぎ。
[補説]近年、「その場だけの間に合わせ」であることから、「ひきょうなさま、正々堂々と取り組まないさま」の意で用いられることがある。
(ことばの総泉挙/デジタル大辞泉より)
【もっとことばの達人になりたいときは!】
▶︎ことばの総泉挙/デジタル大辞泉
初出:しごとなでしこ