フランス人女性はなぜ「おばさん」になっても恋愛できるの?
<結婚適齢期>という概念が存在しないフランスでは、日本のように「もう××歳になるのに結婚できない」などと悩むことはまずありえません。
現代の未婚で悩む女性の多くは、相対的な価値観である<結婚適齢期>と自身との現状とを比較して悩んでいるだけで、もしも<結婚適齢期>という概念そのものがこの世から消滅すれば、多くの女性が救われるはず、というお話を前回させていただきました。
なぜ日本では結婚適齢期という概念が生まれてしまうのでしょうか。たくさんの理由がありますが、そのうちのひとつとして<日本では年齢を重ねるほどに恋愛がしづらくなっていく>という状況があります。
しかしアムールの国・フランスでは、いくつになろうとも恋をし続けることができます。
それはいったいなぜか。単にお国柄の違いと片を付けてしまうのはもったいないとは思いませんか?
そこでフランスで20年以上暮らしてきた岩本麻奈さんによる著書『フランス女性に学ぶ 結婚という呪いから逃げられる生き方』の中から、フランス人女性がなぜ「おばさん」になっても、それどころか「おばあさん」になっても恋愛することができるのかを紐解いていきたいと思います。
第2回目<フランス女性がおばさんになっても恋をする理由>
■フランス女性が恋する理由1
そもそもが「おばさん」という概念がない
2012年、フランスでは通称<マドモアゼル禁止令>が発表されて以来、女性の婚姻区分を示す単語が公式に消滅しました。日本でははっきりとした言い回しはないものの、ある程度の年齢を重ねた女性に対し、「おばさん」と暗にマイナスの響きを秘めた言葉で呼ぶことが多いように思います。
また女性自身も、「私っておばさんだから」と自ら揶揄し、女である土俵から降りる宣言をすることでラクになろうとしがちです。
が、ここはぐっとこらえるべき。
フランス女性のように「おばさん」という概念を振り払うことで、恋愛における年齢の縛りから解放されるきっかけになるのです。
■フランス女性が恋する理由2
若い女性と張り合っていない
日本では<美魔女>という存在がもてはやされたり、また「若い」というほめ言葉が何よりも価値のあることだと称える傾向にあります。
それゆえ、アラサー、アラフォーになっても、まるで20代の女性のようなファッションをしたり、また中身までもが幼い女性が目立つようになってきました。
しかし若い女性と張り合ったところで、本物の若さにかなうはずもありません。フランス女性のように若さに執着するのはやめ、<老いたこその魅力>を追求していくのが賢い女性のあるべき姿なのです。
■フランス女性が恋する理由3
恋愛は男女対等であると思っている
男性に体目当てでやり逃げされ、「あいつに遊ばれた!」などと憤慨した経験はありませんか? 日本ではこのような話はよく聞くことがありますよね。
しかしフランスではこのような会話はまったくないのだとか。それは恋愛はどのような結末になろうが、自身で選んだ結果であり、遊ばれるもなにも、どちらかがどちらかに責任をとる、という発想すらありません。
たとえ自分は真剣に恋をしていて、相手が遊び感覚で逃げていった一夜があったとしても、あくまでもそれは自身の選んだ結果であり、その一夜が楽しいものであれば後悔することはないのだそうです。
だから<ダメンズ>との恋愛だって憶することはありません! 本能のまま男性を選び取るのがフランス女性の流儀ですから、理性に縛られず、自由な発想でいくつになっても恋愛を楽しむことができるんです。
日本人女性、フランス人女性のどちらがいい、悪いの問題ではありません。しかし現在、結婚しないことで悩んでいる女性がいたとしたら、フランス人女性のたくましい生き方を知ることで、悩みが吹っ飛ぶこともあるかもしれませんよ。
初出:しごとなでしこ
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『フランス女性に学ぶ 結婚という呪いから逃げられる生き方』
(岩本麻奈/ワニブックス/1200円+税)
吉田奈美 writer
女性誌を中心に、タレントインタビュー、恋愛企画、読み物企画、旅企画、料理企画などを担当。著書に『恋愛saiban傍聴記』(主婦の友社)も話題に。