慢性的に繰り返す肌の赤みやブツブツ…。現代女性は、そんな肌荒れやニキビに日々悩まされています。女性の医学を専門とするクリニックグループ「医療法人オーク会」の田口早桐先生によると「女性が肌荒れやニキビを引き起こしやすい原因として3つのものが考えられます」とのこと。早速、その3つについて教えていただきました。
【目次】
・肌荒れやニキビ。根本原因は「乾燥」か「炎症」
・女性特有の肌荒れには「ホルモン」が関係している
・肌荒れの原因には食べ物も関係している
肌荒れやニキビ。根本原因は「乾燥」か「炎症」
ひと言で肌荒れといっても、その状態はさまざまです。とはいえ、病理学的に言うとその根本的な原因は「乾燥」か「炎症」のいずれかによって起こっているといえます。
肌が乾燥すると肌状態を正常に保っているバリア機能がうまく働かず、赤みやブツブツ、湿疹などの肌荒れを起こすのです。一方で、肌が熱をもってヒリヒリする状態やニキビなどは「炎症」が原因であることが多いと言えます。
女性特有の肌荒れには「ホルモン」が関係している
毎月の月経前にきまってブツブツができる…という女性も多いのではないでしょうか。それこそがまさに、女性特有の肌荒れです。
これは、乾燥や炎症による肌荒れとはまた違う種類の、ホルモンに由来するもの。月経前になると、黄体ホルモンが皮脂の分泌を促進し、さらに男性ホルモンであるテストステロンが多く分泌されるので、ニキビの原因となります。
口のまわりに出やすいというのもホルモン性のニキビの特徴です。対策としては、ピルが有効。ピルを処方しホルモンバランスを整えることで、症状を改善させることができます。
一方で男性の肌荒れやニキビは、男性ホルモンの乱れにより皮脂分泌が活性化されることから起こることが多いと言われています。また、紫外線対策も肌ケアには有効な手段の一つ。
男性はつい紫外線対策を怠りがちなので、それが肌荒れを引き起こすことにつながる場合も。また、髭剃りなどによって肌にダメージを与えることに起因するなど、外的要因からの肌荒れの場合もあります。
肌荒れの原因には食べ物も関係している
肌荒れやニキビの原因には、食べ物も大きく関係しています。引き起こしやすい食べ物は、脂っぽいものや香辛料などの刺激物系、甘いものです。これらの食べ物は皮脂の分泌を増やすと言われ、それにより肌のバランスが崩れやすくなり肌荒れやニキビを引き起こすのです。
また、腸の状態が正常に機能していないと肌荒れとして出てくることも多くあります。そのため、腸を整える食物繊維や発酵食品を積極的に摂取するようにしましょう。
月経によるホルモンバランスの乱れによる肌荒れと、それ以外の肌荒れは原因が違うので、よく見極めて対処をすることがキレイ肌への近道です。さらに、普段から食べ物にも気をつけることで、赤みやブツブツが起こりにくい肌を目指しましょう。
取材・文/松崎愛香
トップ画像/(c)Shutterstock.com
教えてくれたのは...産婦人科専門医・生殖医療専門医 田口早桐先生
日本生殖医学会生殖医療専門医、日本産科婦人科学会専門医、臨床遺伝専門医、母体保護法指定医。1990年川崎医科大学卒業後、兵庫医科大学大学院にて抗精子抗体による不妊症について研究。兵庫医科大学病院、府中病院を経て、現在、オークなんばレディースクリニック院長。国際学術誌への投稿、国内外学会での研究発表を数多く行う。著書に、自らの顕微授精体験を綴った「やっぱり子どもが欲しい!」(集英社インターナショナル)、妊活をポジティブに乗り切るためのポイントをまとめた「ポジティブ妊活7つのルール」(主婦の友社)がある。