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2018.11.26

お笑い芸人カラテカ・作家【矢部太郎】インタビュー|五感を高めるビジュアル本とは

作家としても才能を開花させている矢部太郎さんにインタビュー。五感を刺激する、ビジュアル本の魅力について教えてもらいました。

お笑いコンビ・カラテカのボケ担当であり、自身のマンガがベストセラーになるといった作家としても活躍する矢部太郎さん。ビジュアル本の魅力について伺いました。

【矢部太郎】さんインタビュー

矢部太郎さん

絵本に囲まれて育ったことが、今の僕の作品づくりの基盤

マンガ『大家さんと僕』が55万部超のベストセラーになるなど、作家として新たな才能を開花させた矢部さん。実はお父さまが絵本作家のやべみつのりさんだということもあり、ビジュアル本は幼いころから身近な存在だったそう。

「自宅の庭に父の仕事用のアトリエがあって、棚には資料や絵本がいっぱい。そんな環境で育ったので、自然とよく眺めていたんです。その中でもいちばん読んでいたのが、太陽が生まれてから地球、生命の誕生までをビジュアルで説明している『せいめいのれきし』。大人になって読み返してみたら、けっこう難しいことが書いてあって、教科書みたいだなぁ、って(笑)」(矢部太郎さん)

「でも子供でも読める気軽さがビジュアル本の魅力なんでしょう。幼いながらに『人間は小さい存在なんだ』って感じとっていた気がします。大人になって気象予報士の資格を取ったのは、科学の世界に興味をもたせてくれたこの作品が影響しているんだと思います。僕、今回「教養のある人とはどんな人か」と改めて考えてみたんですが、いろいろな知識をもっていることで自分の生まれや環境にとらわれない、俯瞰した見方ができる人のことなのかな、と。単に『教養がほしい!』と思って本を読んだり、勉強するのは違うと思うんです。さまざまな知識に触れるうちに、無意識に身についたものが、結果的にその人にとっての『教養』になるのではないかと思います。」

「特にビジュアル本でいえば、僕、昨年初めてマンガを描いたんですが、絵の勉強をしたことがなくても『お風呂に入っている絵を描こう』と思えば描けたんですよね。それはビジュアル本を読んできたから自然と備わった僕の『教養』なんだろうと思います。まあ、ビジュアル本がお笑いに役立ったことはないのですが…(笑)」

「今は本を日常的に20冊くらい並行して読んでいます。大家さんが戦争の話をよくするので、当時の暮らしがわかる本や、書店のポップを見て気になった本など、そのときの気分でパラパラと。1冊に絞ると読み切るのが大変なので、途中でやめたり、拾い読み程度で終わらせることも多いですよ。洋服を『これが着たい』と買ってクローゼットに入れておくのと同じで、とりあえず読んでみたい作品を買って積んでおくのも僕はアリだと思います。そうやっていろいろと読んでいくうちに、自分に必 要な『教養本』と出合えるのではないでしょうか」

ふせんを気になる部分に。しおりとしても活用!

ふせん

「あのときこの言葉が気になったんだ、と後から読み返すことも。ふせんはしおり代わりに挟んでおくんですが、よく落としてなくします(笑)」

矢部さんおすすめ! 人間力が上がるビジュアル本3冊

『せいめいのれきし改訂版』

文・絵:バージニア・リー・バートン 訳:いしいももこ 監修:まなべまこと
岩波書店 ¥1,700

せいめいのれきし改訂版

’64年の刊行以来、世界中で読まれている名作。
「宇宙が生まれてから人間が登場するまでを描いた『科学絵本』。デフォルメされた絵が面白いしスケール感もいい。なぜ好きだったのか思い出せないのですが(笑)、今僕がもっている知識や教養の基盤になった本です」

『てんきごじてん』

写真:鈴木 心
パイ インターナショナル

てんきごじてん

「雲や風の名前など、天気を表す言葉と写真が一緒に紹介されている本。日本は天候の変化が激しい緯度にあるので、雨や風の名前がたくさん ぬすびと生まれたのではないかと思います。たとえば音もなく降る雨を『盗人雨(ぬすびとあめ)』と呼ぶなど、日本人ならではの感性を学べます」

『戦争中の暮しの記録』

編:暮しの手帖編集部
暮しの手帖社 ¥2,200

戦争中の暮しの記録

太平洋戦争中の人々の日常を記録した、’69年刊行のロングセラー。
「マンガで大家さんの戦時中のエピソードを描くときに参考にした一冊。当時の様子を描くイラストや写真も多く、服装や時代性がよくわかります。大家さんに直接聞くのは失礼かなと思って…」

Oggi10月号「人間力が上がる! 教養本」より
撮影/為広麻里(P266、268) デザイン/261 mambo西岡・須賀祐二郎(ma-hgra) 撮影協力/羽田 エクセルホテル東急 構成/酒井亜希子・佐々木 恵・赤木さと子(スタッフ・オン)
再構成/Oggi.jp編集部

矢部太郎さん

1977年生まれ。お笑いコンビ・カラテカのボケ担当。’17年に87歳の大家さんとの交流を描いた初のマンガ作品『大家さんと僕』(新潮社)を発表。第22回手塚治虫文化賞短編賞を受賞するなど大きな話題に。

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Oggi12月号で商品のブランド名に間違いがありました。114ページに掲載している赤のタートルニットのブランド名は、正しくは、エンリカになります。お詫びして訂正致します。
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