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WORK

2018.12.08

AIが台頭し外国人労働者が増える未来【転職】の成功とは?|望月優大さんインタビュー

AIが台頭し外国人労働者が増える未来【転職】の成功とは? 経産省、Googleなど3回の転職を経て独立したライター・編集者 望月優大さんと考えます!

科学技術の進歩や人口構成の変化など、これまでの常識が通用しなくなりつつある今、私たちは、どのように転職に向き合えばよいのか。AIが台頭し外国人労働者が増える未来、「転職に成功する」ってどういうことですか? 経産省、Googleなど3回の転職を経て独立したライター・編集者・望月優大さんと考えます!

心地よい働き方を求める結果としての転職

「転職は、納得のいく人生を送るための、あくまでもひとつの手段です」

新卒で経済産業省に入省したころは、自分が将来こんなに何回も転職するとは想像していなかったです。定年まで勤めるのがふつうの職場でしたが、働く時間の長さなども考えて転職を決断。同期の中でも最速でした(笑)。その後も合計三回転職していますが、転職すること自体がよいとも悪いとも思いません。私自身、転職だけではなく、会社の中から環境を変えるための働き方もしてきました。納得のいく転職は納得のいく仕事の一部でしかなく、納得のいく仕事は納得のいく人生の一部でしかありません。

正直なところ、今は、現状より劇的によい仕事を見つけるのが難しい時代です。高度成長期はとっくに終わり、成功するプロジェクトに当たったり、給料が上がったりする確率は低くなっています。では、転職先がなくなってしまうのか。『AIなど機械化の進展で人間が余ってしまう』という力学もありますが、その一方で少子高齢化で働き手がどんどん減っていくという逆向きの力学もあります。近年、外国人労働者が急増しているのは、人手不足の中で日本人を集められない仕事が多くあるから。要するに仕事は選ばなければあるのです。

SNSを開けばキラキラした成功エピソードがあふれています。しかし、そういう記事が増えているだけで、実際の成功者が増えているわけではありません(苦笑)。そもそも成功とはなんでしょうか。会社にとって都合のよい存在になるのではなく、自分にとって心地よい働き方や生活を転職という手段で手に入れる、それもまたひとつの成功の形といえるかもしれません。

転職は手段であってゴールではありません。今いる会社でも、転職した先でも、まずは自分の総体としての人生をどうしたいのか考え、ときには会社と交渉する姿勢を忘れないことが大切です。転職の夢に期待しすぎず(笑)、今より豊かな人生への手段のひとつとしてなら、転職について考えてみるのもいいかなと思います。

未来の転職を読み解くキーワード

[1] 離脱・発言・忠誠

人間の社会的行為の₃類型を分析した現代社会科学の古典の書名。「難しい学術書なんですが、この3つの言葉は常に頭においてほしい。会社との関係は、『忠誠』を尽くして自分の生活を犠牲にするか、そこから『離脱』=転職するか、の二択ではない。自分の要望を『発言』して、働く環境を会社の中から変える意識も大切に」(望月さん・以下同)

『離脱・発言・忠誠 企業・組織・国家における衰退への反応』

離脱・発言・忠誠 企業・組織・国家における衰退への反応

A.O.ハーシュマン著・矢野修一訳/ミネルヴァ書房

[2] 少子高齢化

国立社会保障・人口問題研究所によると、2015年に日本人口の26.6%だった65歳以上の高齢者は、2065年には38.4%に増えると推計されている。そのころには労働力人口(15~64歳)は、現在と比べて4割程度減る見通し(年齢階級別の労働力人口の割合が現在と同じと仮定した場合)。

[3] 外国人労働者

日本で働く外国人の数は、この10年で2.6倍以上に。2017年には前年同期より18%増え、日本の雇用者の約₂%を占めている。日本政府は農業や建設、介護など人手不足に悩まされているさまざまな産業分野で、外国人労働者の受け入れ拡大を進める見通し。「日本人だけでは働き手を集めきれない産業を中心に、今後一層増えていくでしょう」

日本における外国人労働者数の推移

[4] 経済成長

国内で生産されたモノやサービスの付加価値の総計である国内総生産(GDP)の前年比から算出する経済成長率。高度成長期には10%を超える年もあったが、現在は1%前後。「低成長の経済では、転職先の業績がよかったり、給料が上がったりする確率も低くなります。そのため、転職事情も、高度成長期の日本や現在の中国とは違います」

実質経済成長率の推移

[5] 時間

「自分の人生を自分でコントロールするためには、会社の外に、『これにも時間を使いたい』と思える別の基盤をつくることが大切。時間を会社に差し出しすぎると『自分にはココしかない』という思考回路にハマってしまいがちです。友達や映画、旅など、いろいろな種類の時間をもって」

Oggi11月号「Around 30 転職のリアル」より
撮影/松木康平 スタイリスト/川上さやか 構成/大椙麻未、酒井亜希子・佐々木 恵(スタッフ・オン)
再構成/Oggi.jp編集部

望月優大さん

もちづきひろき●1985年生まれ。東京大学大学院を修了後、経済産業省、博報堂コンサルティング、Google、スマートニュースを経て2017年12月に独立。現在は日本の移民文化・移民事情を伝えるウェブマガジン「ニッポン複雑紀行」編集長を務めるなど、日本や世界の社会問題についてさまざまな情報を発信している。

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Oggi12月号で商品のブランド名に間違いがありました。114ページに掲載している赤のタートルニットのブランド名は、正しくは、エンリカになります。お詫びして訂正致します。
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