夏の水分補給、どう飲んでいますか?
記録的な猛暑が続く今年の夏。熱中症対策に、水分補給は本当に大切! でも、飲んでも飲んでものどが渇いて、ずーっと冷たいものばかり飲んでいてお腹はチャポチャポ…なんてことありませんか?
「のぼせ」でのどが渇いている可能性も
東洋医学では、身体を構成する3つの要素「気」「血」「水」が、身体を滞りなく巡っているのが良い状態とされます。良い状態では血巡りもスムーズなので、足先などの末端が冷えることもありません。
温かいものは上、冷たいものは下
物理学的に、空気や水など、温かいものは上に、冷たいものは下にいく性質があります。身体の体温は、血液循環のポンプ作用で全身に血を巡らせていますが、この血巡りが上手く行かないと上半身に熱がこもって、逆に下半身は冷えるという状態に。こうなると下半身もむくみやすくなります。
水分補給が足りているのにのどが渇く時は、ここをチェック!
普段よりたくさん水分をとっているはずなのに、まだ飲み足りない! そんな時は下記の項目をチェックして実践を。
1. 手足などの末端は冷えていないか
身体の熱のバランスが崩れているために、上半身は暑さを感じているのに末端は冷えている状態。エアコンの効いた室内と暑い屋外との行き来で、自律神経が崩れている可能性も。冷えている箇所は温め、冷たいものばかりでなく常温や温かいものも取り入れながら、ゆっくりと口に含みながら水分補給を。ストレッチなどもおすすめ。
2. コーヒーやお茶、アルコールなど、利尿作用の高いドリンクは水分補給と別!
コーヒー、お茶などカフェインが多く含まれるドリンクや、柑橘系のジュースやトマトジュースなどカリウムを多く含むドリンク、アルコール類は利尿作用が高く、水分が身体に留まる時間が短く、いつもより余分に水分が出て行ってしまうことも。嗜好の飲料は水分補給とは別と考えましょう。
3. がぶ飲みしていないか
冷たい飲み物を一気に飲み干すと、胃がきゅうっと冷えてしまいます。冷たいドリンクの飲み過ぎで胃の機能が低下し、食欲不振になる夏バテも増えています。内臓の冷えは代謝も低下します。冷たいドリンクなら口に含んで、口の中を潤しながらゆっくりと飲み込むことで満足感が得られ、がぶ飲みを防げます。
4. 水分補給に適したドリンクを選ぼう
ナトリウムなどの電解質を含む、体液に近い浸透圧のドリンク(スポーツドリンク、経口補水液)は疲労回復効果のあるクエン酸やブドウ糖を含むのでベストですが、ノンカフェインのドリンク、硬度の低い水、水溶性ビタミンの特性を生かしたレモン水などがおすすめ。また、エアコンの効いた屋内で長時間過ごす場合は、冷たいものよりも常温や温かいものを取り入れて。
まずは十分な水分補給を。お腹がチャポチャポするな~と感じたら、上記をチェックしてみてくださいね。
大木さと子
国際中医薬膳師・漢方アドバイザー。日本中医学院(旧・国立北京中医薬学大学日本校)卒。普段はメーカー勤務、よく食べよく飲むOL。ふだんメシをアップするinstagramにて、薬膳の情報も発信中。