叡智とは?
叡智とは、「優れた知恵」という意味の語句で、読み方は「えいち」です。叡智と近い意味を持っていて、違いのわかりづらい言葉もたくさんあります。たとえば、同じ「えいち」という読み方をする「英知」も、そうした語句の1つです。
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ここでは「英知」との違い、「知識」との違い、「知恵」との違いなども解説していきましょう。なお、叡智については、デジタル大辞泉では以下のように解説されています。
【叡智】
すぐれた知恵。深く物事の道理に通じる才知。
哲学で、物事の真実在の理性的、悟性的認識。また、それを獲得しうる力。ソフィア。
(引用〈小学館デジタル大辞泉〉より)
■英知との違い
「英知」とは、「物事を理解する優れた知恵」という意味の語句です。「叡智」と「英知」の意味はほぼ同じで、辞書によっては、「叡智」「英知」「叡知」という語句を3つ並べて、同じ意味として扱っているものもあります。
「英知」の「英」が一般的な賢さを表す漢字であるのに対して、「叡智」の「叡」は物事を深く見通す、賢明さを表す漢字です。2つの漢字における微妙なニュアンスの違いが、それぞれの言葉の印象の違いとなっています。
■知識との違い
「知識」とは、「知ること」「認識・理解すること」「考える働き」といった意味の語句です。つまり、さまざまな経験を通して知った事実やその内容やその働きを表す言葉といえるでしょう。読み方は「ちしき」です。
「知識」との違いは、「叡智」はただ知るだけ、理解するだけでなく、より深く考えて理解することを意味している点にあります。つまり簡単に説明すると、より深い「知識」が「叡智」です。
■知恵との違い
「知恵」とは「物事を正しく判断する能力」という意味の語句です。「おばあちゃんの知恵袋」などの使い方をするのは、「知恵」が経験を積むことによって、蓄積されていくものだからでしょう。ちなみに読み方は「ちえ」です。
「知恵」との違いは、「知恵」のハイレベルになったものが「叡智」であることでしょう。つまり、「叡智」とは「優れた知恵」「深い知恵」を表しています。
叡智の例文
叡智という語句は、日常会話、ビジネス、政治、科学、芸術など、さまざまなシーンで使われています。ただし、通常の「知恵」という言葉よりも、「より優れた知恵」というニュアンスがあるため、あまり乱発しないほうがいい言葉でしょう。
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【例文】
・世界各地で戦火が上がっていることに関する報道を耳にするたびに、人類の叡智を結集できないのだろうかと強い危機感を抱いてしまいます。
・彼の死後もなお、彼の言葉が多くの人の胸を打っているのは、その言葉の中に人生の叡智が込められているからでしょう。
・世界的な文学賞を獲得したその書物には、人類の叡智と表現したくなる言葉が数多く散りばめられています。
叡智の類似表現4つ
叡智には、似た言葉がいくつかあります。おもな類似表現は以下の4つです。
それぞれの意味と読み方を解説し、例文をご紹介します。
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人知
人知とは「人間の知恵」「人間の知能」という意味の語句です。同じ意味で、「人智」とも書きます。読み方は「じんち」です。
【例文】
・いつかAIは人知を超えた存在になるのではないかと予想する人もいますが、私はそう思いません。
・命の謎を解明しようとする試みは、人知を超えたものであると考えられているため、多くの人々が反対しています。
・人知で解決できることなど、まだほんのひと握りのことに過ぎないと、謙虚な心を持つことが大切です。
衆知
「衆知」とは「多くの人々の知恵」という意味の語句です。意味はまったく同じで、「衆智」とも書きます。読み方は「しゅうち」です。1人2人ではなくて、多くの人の知恵であるところがポイントでしょう。
ちなみに、同音異義語の「周知」は、まったく意味が異なるため、注意が必要です。「周知」はビジネスでもよく登場する言葉で、「広く世間一般に知れ渡っていること」という意味があり、「周知する」という言葉は、ビジネスのさまざまシーンで頻出しています。
【例文】
・地域社会の問題を解決するためには、衆知を見える化し、適切に活用することが必要です。
・衆知を取り入れることによって、さまざまな角度からの意志決定が可能になります。
・衆知を結集したからといって、必ずしも優れた結論を導けるわけではないことを知っておいてください。
全知
「全知」とは「すべてを見極める知恵」「完全なる知恵」という意味の語句です。「全知」を使った言葉でよく知られているのは、「全知全能の神」というフレーズでしょう。「全知」の読み方は「ぜんち」です。
【例文】
・あの科学者の良いところは、自分が全知ではないことを知って、常に学び続ける姿勢を持っているところです。
・全知とは人間の理解を超えたところにあるものなので、到達できるものではありませんが、近づくための努力は必要です。
・先日スタートしたプロジェクトのチームリーダーが全知ではないことを理解した上で、各自、コミュニケーションをしっかり取ってください。
奇知
奇知とは「思いも寄らないような才知」という意味の語句です。普通とは違う発想や知恵を形容する際に使います。読み方は「きち」です。
【例文】
・新商品の開発で、どうしてもうまくいかない課題があったのですが、彼は奇知を駆使することによって新しいアプローチを見つけました。
・彼の書く小説は、奇知に富んだアイデアがいっぱい詰まっているため、読み出すと止まらなくなります。
・「発明家にとってもっとも大切なものは奇知である」と、彼は明言していました。
叡智の意味を知って正しい使い方をしよう
叡智とは、「優れた知恵」「物事の道理に通じる深い才知」などの意味の語句です。「えいち」という同じ読み方、同じ意味で、「英知」「叡知」と表記されることもあります。
まとめて覚えておくといいでしょう。
似た言葉に、「知識」「知恵」「人知」「衆知」「全知」「奇知」などがあります。それぞれの意味の違いを理解して、使い分けることで語彙の広がりが期待できるでしょう。叡智の意味を知って、適切な使い方をしてください。
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