CAFÉ DIOR「カフェ ディオール by アンヌ＝ソフィー・ピック ギンザ」
銀座「カフェ ディオール by アンヌ＝ソフィー・ピック ギンザ」で出合う、〝アラカルトで味わうディオール〟。GINZA SIXの中でもひときわ優雅な存在感を放つ「ハウス オブ ディオール」の一角にある「カフェ ディオール by アンヌ＝ソフィー・ピック ギンザ」。昨年のリニューアルオープン以来、白を基調とした明るい空間とブランドの世界観をそのまま閉じ込めたような内装で、銀座の〝気分の上がる場所〟として人気です。世界で最も多くミシュランの星を獲得した女性シェフのアンヌ＝ソフィー・ピックが、日本人に合うように監修した、こだわりのスイーツやセイボリーを味わうことができるんです。
店内に足を踏み入れると、柔らかな曲線を描く壁、肌に光がやわらかく当たるように設計された照明、椅子やテーブルのラインまでもがディオールらしい洗練に満ちていて、座った瞬間自然と背筋が伸びるような心地よさ。写真映えするスイーツやラテのアートがSNSで話題となり「カフェ利用が中心のお店」という印象を持つ人も多いかもしれません。ですが、今回アラカルトをいただいてみて、そのイメージはいい意味で裏切られました！
しかも、ただ美味しいだけではないんです！ お皿の構成、色、香り、素材の重ね方に、ディオールのアーカイブがそっと織り込まれているのです。「カナージュ」というメゾンを象徴する格子模様。「ニュールック」の美しいシルエット。ミューズであるミッツァ・ブリカールの「レオパード柄」。「ジュノン」のドレスを思わせる曲線。料理の盛り付けや香りの立ち上がり方に、あからさまではなく静かに息づいています。食材とアーカイブが響き合う〝食べるディオール〟体験。その特別さをご紹介します。
ル ニュールック
フォアグラのタルト、トンカビーンズ、モンテリマーのヌガー、
ソルティ・モンブラン仕⽴てのボームドヴニーズ
3,300円（3個）
フォアグラを〝モンブラン〟のように重ねた一口サイズの小さな前菜。韃靼そばをベースにした薄く繊細なタルトレットは香ばしく、貴腐ワインのゼリーの甘さがほどよいアクセントに。その下に忍ばせた3種類のナッツを使用したヌガーがコクの土台を作り、トンカ豆を効かせたフォアグラでモンブランのように仕上げています。さまざまな香りや味わいが、口の中で段階的に軽やかに抜けていきます。ひと口目から心がふわっとほぐれる、優しい味わい。
ラ フルール ド トルヌソル
旬のオーガニック⼈参、オレンジフラワー、ジャスミン、
ワイルドマダガスカルペッパー
3,500円
見た目の華やかさだけじゃない、香りの物語。薄い花びらのように重ねた、人参がお皿の上に咲き、目に入った瞬間からワクワク。中央に置かれた白いパールをそっと割ると、オレンジフラワーとヨーグルトの香りが立ち上がり、人参の甘さを明るく引き出す役割に。ひと皿の中で香りが変化していくので、野菜だけのお料理とは思えないほど表情が豊か。ディオールの繊細な世界観が広がります。
付け合わせには、素材の旨みが詰まった香ばしいパンと、コーヒーとトンカビーンズが香る贅沢なオリジナルバターが！
ル ミッツァ
ハムと⿊トリュフのクロックムッシュ、ベシャメル仕⽴て
6,500円
ディオールのミューズであるミッツァ・ブリカールの「レオパード」柄に着想を得た、カフェのスペシャリテ。カカオとプレーン生地を組み合わせて焼いたオリジナル「レオパード」柄のパンは、見た目の華やかさだけでなく香ばしさも印象的で、ベシャメルソースのなめらかさとよく合います。
ハムとチーズを8層重ねた断面は、思わず見入ってしまうほど！ ナイフを入れた瞬間に黒トリュフがふわっと香り、〝濃厚なのに軽い〟という矛盾を心地よく成立させています。香り・層・余韻がひとつにまとまる、食べごたえと上品さのバランスが美しい唯一無二のクロックムッシュです。
ル プリッセ
ローズゼラニウムとジンジャーを使⽤したマッシュルームパイ
6,500円（12月中旬〜）
「プリッセ（プリーツ）」という名前の通り、クロワッサン生地が幾層にも重なったオーバル型の姿が印象的です。ナイフを入れると、ブラウンマッシュルーム、ブナシメジ、アワビ茸、大黒しめじなど沢山のきのこの香りと、ジューシーな食感が温かい蒸気とともに広がり、優雅な層で包み込まれています。外は軽やかにサクッ、中はなめらかにとろり。奥行きのある味わいは、心まで温まるひと皿です。
ル タルタル クチュール 13,000円
和⽜フィレ⾁のレア・タルタル、ベルーガキャビアとポテトクリスプ
和牛フィレ肉に、低温調理でしっとりとした火入れをしたタルタル。黒ニンニクとディジョンマスタードのマヨネーズ、マスタードシードのピクルスの深い余韻、 6箇所に配置された燻製卵黄のやわらかな丸みがポイントになっています。タルタルの上のキャビアが全体のバランスを繊細に整えてくれ、トッピングされた薄いポテトクリスプのサクサク食感も味に深みを加えてくれています。
スイーツもカフェラテも、〝ここだけ〟の特別感が。アラカルトの魅力をたっぷり味わったあとに、 改めて感じたのは「やっぱりこのカフェは、スイーツとドリンクも素敵」ということ。デザートは、ひとつひとつがアートのようでテーマに合わせて色や造形が変わり、眺めているだけで気分が上がります。カフェラテ（2,000円）の天面に描かれるアイコン（「千鳥格子」、「スター」、「レオパード」など）も、〝ディオールを飲む時間〟と言いたくなるほどのかわいい演出。
食事だけではなく、スイーツやカフェ利用でもしっかり「ディオールの世界」に浸れるのは、このカフェならではの大きな魅力です。気分に合わせてアラカルトでしっかり味わうのも、スイーツで軽やかに楽しむのもどちらも正解。
「カフェ ディオール by アンヌ＝ソフィー・ピック ギンザ」の魅力は、料理だけにとどまりません。椅子やテーブル、壁に飾られたアーカイブフォトにも、「千鳥格子」や「レオパード」などディオールを語るうえで欠かせないモチーフがちりばめられています。器の白磁やカトラリー、カットグラスなど、テーブルに並ぶ全てのアイテムがメゾン仕様になっています。それぞれが、料理を引き立てながら、食べる人の気分を静かに高めてくれます。カフェの隣のショップでは、購入できる商品もあるので、帰りに気に入ったグラスやお皿などをお買い物していくのもまた贅沢な楽しみ方！ 料理、器、空間、これらが一体になって生まれるのが「ディオールで食事をする」という特別な体験。ただ美味しいだけではなく、時間そのものが上質な体験へと変わっていくような感覚に包まれました。
〝自分のための少し特別な時間〟を過ごせる場所として、今年一年頑張った仕事仲間や友人たちとの年末のご褒美におすすめのカフェです！
【概要】
カフェ ディオール by アンヌ＝ソフィ―・ピック ギンザ
住所：東京都中央区銀座6-10-1 ギンザ シックス4階
営業時間：10:30～20:30（ラストオーダー 19:30）
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大雄寺幹子
女性誌の制作に15年以上携わり、常に情報のシャワーを浴び続けるデザイナー。
職業柄見た目も重要だけど、味が一番大切。「手土産はコミュニケーション」を信条としている。学生時代にデパート地下のお菓子売り場でアルバイトをしたのをきっかけにデパ地下の魅力に取りつかれる。
以来、20年以上最低でも週に3回以上（多いときは週5日）はデパ地下に通うマニア。今までに手土産、お土産、自分へのご褒美に費やした総額は高級外車が買えるほど。（現在も金額は日々更新中！）
365日手土産、お土産、お取り寄せ、自分へのご褒美情報を仕入れ、デザイナーとしての仕事の他、手土産の相談を受ける日々。手土産は貰うのもあげるのも大好きで365日、何かしら甘いものを食べるスイーツマニアでもある。
もちろん美味しいものに目がなく、スイーツ以外に肉マニアとしても寄稿。
