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ビジネスシーンで言って欲しい言葉は「評価」や「共感」
ビジネスシーンにおいて、女性が言われると嬉しい言葉には「評価」や「共感」が深く関係しています。
性別に関係なく「個人としてどう見られているのか」「どう尊重してもらっているのか」「どう理解されているのか」が伝わる言葉は、自分がリスペクトされている満足感やビジネスパーソンとして認められている充実感を得られます。
そのため、相手が喜ぶ言葉を発言したいときには必要に応じて「評価」や「共感」が含まれる言葉をかけると、コミュニケーションが円滑に進みやすいでしょう。
【実践編】女性社員・同僚が言われると嬉しい言葉

ここからは、具体的なフレーズをチェックしていきましょう。
女性社員や同僚に声をかけるシーンで、相手に喜ばれやすい言葉の代表的なものを解説します。
♦︎「○○さんの視点、助かります」
相手の意見を尊重しつつ発言の価値を認める趣旨の「○○さんの視点、助かります」という言葉は、言われると嬉しいと感じる女性が多いもの。
自分の視点が誰かの役に立った満足感を得やすく、自己肯定感も上がりやすいフレーズです。
♦︎「頼りにしています」
相手の実力を素直に認めて信頼をしている旨を伝える「頼りにしています」は、言われるとやる気につながる女性が多いフレーズです。
部下や後輩のモチベーションを上げたいときにも、効果が期待できる言葉です。
♦︎「気づいてくれてありがとう」
ミスや問題点を見つけてくれた相手には細やかな配慮や気遣いへの評価となる「気づいてくれてありがとう」という言葉も響きます。
感受性・細部への意識を評価する気持ちは言わないままだと伝わらないので、相手の良いところを認める言葉はどんどん口にすると良いでしょう。
【実践編】上司やリーダーの女性が言われると嬉しい言葉

上司やリーダーの立場にある女性が、言われると嬉しい言葉も見ていきましょう。
相手に気に入られるためだけに過剰に使うと、わざとらしさが際立ってしまって逆効果ですが、言わないままだと伝わらないこともあるため適切に発言していきたいものです。
♦︎「○○さんのような上司になりたいです」
ロールモデルとして尊敬をしている相手には、素直に「○○さんのような上司(リーダー)になりたいです」と伝えると◎。
言われた側はキャリア継続の原動力になり、モチベーションも上がります。
ただしこのフレーズは心がこもっていないと感じさせると「おべっか」「お世辞」だと受け取られやすいので、心からそう感じているときにだけ発しましょう。
♦︎「判断が的確で勉強になります」
上司やリーダーを務める女性の意思決定力や分析力に触れたときに、その判断を評価する言葉を発するのも◎。ただし「的確ですね」と評価をするだけだと上から目線にも聞こえやすいので、自分が上司の行動によって学ばせてもらっている姿勢も併せて伝えましょう。
言われた側は管理職としての存在意義を強化でき、自身の仕事への自信にもつながります。
♦︎「視野の広さに助けられています」
管理職に就いている女性の組織全体を見渡す力を評価しているのであれば「視野の広さに助けられています」という伝え方が◎。
自分では思いつかない視点を学ばせてもらっているというメッセージも込められます。
【実践編】育児や家庭と仕事を両立している女性への言葉

育児や家庭と仕事を両立している女性が、言われると嬉しいと感じる言葉もあります。
円滑なコミュニケーションに向けた潤滑油として、適切に使っていきましょう。
♦︎「お子さんのこともあるのに、ありがとうございます」
「お子さんのこともあるのに、ありがとうございます」は育児に奮闘しながらも、仕事に向き合っている女性に両立の努力に対して理解と感謝を示す言葉です。
ただし、この言葉をかけられると「もっと頑張らなくては」と思ってしまう場合も少なからずあるので、無理を前提にしない言い方を心がけましょう。
♦︎「チームで支えますので安心してください」
育児や家庭のことと仕事をなんとか両立しているものの、キャパシティがオーバーしそうな女性には「チームで支えますので安心してください」と伝えるのも気遣いです。
組織的なサポート姿勢を明示してもらえることで、言われた女性は安心するとともに嬉しい気持ちに。
組織として、業務をひとりだけに背負わせない文化の醸成にもつながるフレーズです。
♦︎「無理しすぎないでくださいね」
相手が無理をしているように見えるときには、見て見ぬふりをするのではなく「無理しすぎないでくださいね」とひと言声をかけるだけでも喜ばれます。
健康や家庭への配慮を感じさせるフレーズは、安心感を生みやすく仕事のモチベーションも上がりやすいでしょう。
ただし、上から目線にならないように注意しながら伝えると◎。
女性にかける言葉で大切なことは「本音と思いやり」
ジェンダーだけに注目をして「女性なのにすごい」「女性なのに冷静ですね」などの視点での評価は、ハラスメントに該当します。本人に悪気がなくても、性差に注目しているような表現を用いるのはリスクが高い発言でしょう。
そのため、ビジネスシーンでは女性に対してどんな言葉をかけるべきなのか迷ってしまい、萎縮してしまうという声も聞こえてきます。
一方で、発する言葉に本音と思いやりがあるならば不快な思いをさせることなく、真心が相手の心に届きやすいもの。どんな言葉も、相手を“ちゃんと見て、思いやったうえで、心から伝える心がけ”を忘れずにいましょう。
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並木まき
ライター、時短美容家、メンタル心理カウンセラー。企業研修や新人研修に講師として数多く携わっている。シドニー育ちの東京都出身。28歳から市川市議会議員を2期務め政治家を引退。数多くの人生相談に携わった経験や20代から見てきた魑魅魍魎(ちみもうりょう)な人間模様を活かし、Webメディアなどに執筆。