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2023.06.23

ベールダウンとは? やり方や失敗しないためのコツについても紹介【専門家監修】

ベールダウンとは、新婦の母親や大切な方が新婦のベールを下ろしてから、バージンロードに送り出すセレモニーのこと。ベールダウンに込められた意味や、やり方のコツは知っていますか? ベールダウンに込められた意味やベールダウンをうまくやるポイントなどを紹介します。

ベールダウンとは

今まで参加した結婚式で、ベールダウンセレモニーを見たことがあるという方は多いのではないでしょうか? ベールを纏った新婦が会場に入場すると、会場全体が神聖な気持ちになり、感動的な雰囲気に包まれますよね。この記事では、そんなベールダウンについて解説します。

以前はベールダウンセレモニーは現在ほどメジャーなセレモニーではなく、新婦が挙式会場に入場する時に、あらかじめベールは顔の前に下ろされていることがほとんどでした。最近の結婚式では「家族との繋がりを大切にする」演出が積極的に採用される傾向にあるので、多くの結婚式で取り入れられる演出になっています。

「ベールダウン」とは新婦の母親や大切な家族や友人が、新婦がバージンロードを歩く前にベールを顔に下ろしてから、バージンロードへ送り出すセレモニーです。一般的にベールダウンには、二つの意味が込められていると言われています。

一つ目は「新婦を災いから守る魔よけ」としての意味。古代のヨーロッパでは「ベールは悪魔から新婦の身を守ってくれるもの」と言われていて、身を清めてくれるシンボルでした。ベールを取り入れるセレモニーをすることで、「新婦が災いから守られますように」という願いを込めていると言われています。

二つ目は「母親が大切に育ててきた子どもを送り出す、最後の身支度」としての意味。今まで大切に育ててきた我が子は、結婚すると母親の手元を離れて、新郎と新たな人生をスタートさせます。“新たな幸せに向けて、子どもを送り出すのは嬉しいけど切なくもなる”、そんな気持ちを表現した感動的なセレモニーです。

ピアスをはめる花嫁
(c)Shutterstock.com

ベールダウンのやり方

ベールダウンセレモニーは、式の一番初めのセレモニーとして多くのゲストが注目する感動の瞬間でもあります。美しい姿でベールダウンをするために知っておきたい、ベールダウンのやり方を紹介しますね。

・初めに、新婦と母親が少し距離を取り対面します。近すぎるとやりにくいので距離感を保ってください。

・新婦は背筋を真っすぐに、母親がベールを取りやすいように腰を落とします。

・母親がベールを下ろします。

・新婦をバージンロードへと送り出してください。

母親が新婦に声をかけるタイミングは、厳密な決まりはありません。ベールを下ろした後、見つめ合っている時に言葉を交わすことが多いです。

どのタイミングで

ベールダウンを行うタイミングは、大きく分けると二種類に分かれます。

一つ目は、ほとんどの方がされているスタイルであるゲストの前で行うベールダウンです。新婦がチャペルに入場した直後に扉の前で、母親と向かい合ってセレモニーを行います。ベールダウンを行うことは「母親が我が子に行う最後の身支度の手伝い」。新たな人生の象徴でもあるバージンロードへと新婦を送り出すことで、感動的な演出となります。

チャペルに立つ花嫁の後ろ姿
(c)Shutterstock.com

二つ目は、挙式会場付近にあるブライズルーム(新婦のお支度部屋)で行われるスタイル。新婦の母親に支度室までお越し頂き、そこでベールを下ろして言葉を交わします。母親が「ゲストの前で、セレモニーをするのは気後れしてしまう」という方におすすめのスタイルです。

誰とするのか

ベールダウンは一般的には母親が行うことが多いですが、叔母や祖母などの親戚や仲のよい友人が行うケースも珍しくありません。普段はなかなか面と向かって言えない、今までの感謝を相手に伝えることができるよい機会になるので、一番感謝を伝えたい相手を選びましょう。

ベールダウンを失敗しないために

ベールダウンセレモニーの際に、手順を間違えたり失敗したとしても「会場全体が笑いに包まれて、緊張した雰囲気が一気に和んだ」とプラスに捉えれる場合もありますが、できれば美しくセレモニーを行いたいものです。

挙式前に、両親と新郎新婦でリハーサルを行う会場がほとんどなので、ある程度ベールダウンの手順の説明をしてもらえたり、練習ができるのであまり心配する必要はありません。しかし、セレモニーの後のベールが乱れていたり、手順がめちゃくちゃなベールダウンセレモニーになってしまうと、これからバージンロードを歩く新婦のドレス姿が台無しになってしまう可能性も。そうならないためにも、新婦とベールダウンをする母親がそれぞれ気を付けるべきポイントを紹介します。

新婦が気を付けるポイント

・ベールダウン時の姿勢

花嫁は当日、ハイヒールを履いているケースがほとんど。その場合母親は新婦よりも身長が低くなることが多いですが、頭だけを突き出すと不格好に見えてしまいます。ドレスの中で足を前後にして、少しかがんで頭をそっと母親に差し出すイメージで姿勢をキープすると優雅に見えますよ。

・手の位置

花嫁が式場に入場する時は、片手でブーケをもっていることがほとんど。ベールダウンの時はかがんでブーケを持ちながら、手はおへそのあたりをキープしましょう。

ブーケを花嫁
(c)Shutterstock.com

母親が気を付けるポイント

・ベールを二段階で下ろす

新婦の顔の前にベールを持ってくる時には、両手でトップからベールを下ろします。一気に下ろすのではなく頭の上で一旦止めてから、新婦の顔の前にベールを下ろすと美しく見えるのでおすすめです。

ベールの持ち方は、適当にくしゃっと持つのではなく、少しだけベールの両端に少しテンションをかけながら下ろすと、きれいなままベールダウンができます。ただし、引っ張りすぎると生地が裂けたり、ベールが頭から外れてしまう恐れもあるので丁寧に下ろしてくださいね。

・ベールをきれいに整える

新婦の顔の前にベールを下ろしたら、ベールは生地の性質上、下ろしたままの形状でキープされてしまいます。万が一、ベールがくしゃくしゃになってしまった場合は、下ろしっぱなしにせずベールの下の方を持って簡単に整えてあげてください。

・ゆっくりとした動作で行う

ベールはシンプルなコームで髪に留めているだけの場合がほとんどです。新婦のヘアスタイルを崩さないように、ゆっくりとした動作を心がけてください。ベールを下ろす動作を早くしてしまうと、コームが引っ張られてしまい、ヘアスタイルが崩れる恐れがあるので気を付けましょう。

感動のベールダウンを

ベールダウンとセットの演出で、「ラストハグ」というものがあります。これはベールダウンが終わったあと、親子でする最後のハグとして抱き合う演出です。

自然とハグできる人の場合は、あえて演出として取り入れる必要はありませんが、日本人はあまり家族とハグする機会がないので、この機会に結婚式に取り入れるのもいいかもしれませんね。注意点は、わざとらしい不自然な動きをしてしまうこと。見ているゲストに「ぎこちないなぁ」と違和感を与える場合もあるので、気を付けてください。

普段だったら言えないはずの感謝の言葉も、神秘的なベールに会場の音楽やドレス姿など、非日常の空間も手伝って感極まって伝えられるのがベールダウンの魅力。「しあわせになってね」や「今までありがとう」など、感謝の気持ちを伝えましょう。二人の感動的なやり取りはゲストをも魅了します。

最後に

家族との絆が深まる「ベールダウンセレモニー」。普段は恥ずかしくて言えない、感謝の気持ちを伝えられるよい機会です。ぜひご自身の結婚式でも取り入れてられてみてはいかがでしょう?

TOP画像/(c)Shutterstock.com

執筆/吉川沙織(よしかわさおり)さん

結婚式場内の衣装室や路面店にて衣装スタイリストとして勤務。挙式当日の着付けや、前撮り撮影などに携わる。趣味はピクニック。海外・国内ウエディングの流行チェックも好きです。

ライター所属:京都メディアライン

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