意外と知らない!「天気」にまつわる雑学
働く私たちにとって、今や「天気」は切っても切れない、毎日の関心事! だからこそ、いつでも、だれとでも、会話のきっかけがつかめるようになる天気の話は知っておいて損はなし。今回は、そんな天気にまつわるちょっとした雑学を、天気予報士の杉江勇次さんの解説付きで紹介します。
▲天気予報士・杉江勇次(すぎえ・ゆうじ)さん
1968年生まれ、千葉県出身。1995年に気象予報士の資格を取得し、1996年にウェザーマップに所属。主な出演番組に、日本テレビ系『ズームイン!!サタデー』『news every.サタデー』など。
「息が白い〜!」この息って、実は雲みたいなものなんです
ハーッと吐いた息の白さを見て「今日はすごく寒いですね」と会話をすること、よくありますよね? 息が白くなる原理と、雲ができる原理は実は同じ。「寒いですね」に続く会話を盛り上げましょう!
寒い日に息が白く見えるのは、吐いた空気が急激に冷やされるから!
「人が吐く息は、体温と同じ約36℃。温かな息が冷たい空気で急激に冷やされると、息の中にある水蒸気が気体から液体=小さな水滴に変化。その水滴の集まりが白く見えているんです。
一方、海や川の水蒸気が上空で冷やされて発生した水や氷の粒の集合体が雲。つまり白い息と雲は同じ原理でできているんです。
また、雨や雪の日は白い息がふわ〜っと残りますよね。これは湿度が高いから。発生した水滴が蒸発しにくく、白い息も長くとどまります」(杉江さん)
天気予報の気温だけを鵜吞みにしてはダメ! 体感温度は別物?
暑さ・寒さは、毎日の服装を決めるために欠かせない情報ですよね。だからこそ、おしゃれ好きなOggi読者のみなさんに伝えたい! 「気温と体感温度は別物」という、とても大切なお天気雑学を…。
体感温度を知るためには「気温・湿度・風速」をチェック!
「湿度50%を基準として、湿度が10%低く、風が1m/s強くなるごとに体感温度はそれぞれ1℃低くなるといわれています。たとえば気温が15℃の日、湿度30%・風速5m/sならば、2℃+5℃を引いた8℃がおおよその体感温度となる仕組み。
もちろん氷点下のような極端な天候下では当てはまりませんし、日差しの有無などにも体感温度は左右されますが、天候・気温以外にも目を向けることで、天気予報がより実用的なものになりますよ!」(杉江さん)
「あれ? 今、電車の音がした!?」今夜は冷えるかも…
静かで寒い冬の帰り道、ふだんは聞こえない電車の音がした… という経験はありませんか? 実はこれも冬のお天気あるある。「今、何か聞こえませんでした…?」と会話を始める切り口に!
上空に暖かな空気がたまっているから、寒い冬の夜は遠くの音までよく聞こえる!
「冷たい空気中では急激に屈折して上空へ逃げる、暖かな空気中では緩やかに屈折して遠くまで届く“音”。冬に暖房をつけても天井付近ばかりが暖かくて床付近は寒いまま… なんてことがあるように、暖かな空気は上空へ移動し、昼は太陽光で暖められていた地上の空気も、夜は冷たく。
冷えた寒い夜は、上空に暖かな空気が、地表には冷たい空気がたまります。空気中の音の性質と寒いときの空気の位置関係こそが、ふだんは聞こえない音が聞こえる理由!」(杉江さん)
2023年Oggi1月号「天気の雑談力」より
イラスト/mollydomon 構成/旧井菜月
再構成/Oggi.jp編集部