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LIFESTYLE

2022.08.13

さかなクン「つらいことがあったら、一度広い世界を見てみるのも、いいかもしれません」

東京海洋大学名誉博士・客員教授であり、メディアでも活躍しているさかなクン。お魚への深い愛情や知識だけでなく、独特なキャラクターでお茶の間の人気者に。そんなさかなクンにも、周りと違うことや仕事で悩んでいた時期があったそう。どのようにして、今のさかなクンに辿り着いたのか。今の環境に窮屈さを感じる人たちへのメッセージもうかがいました。

「好き」を究めれば人生は輝く。「やりたいこと」で生きるために

魚の絵が得意で、魚のことならなんでも知っている。

魚のことを語り出したら止まらない。そして、魚にも人間にも、愛情を惜しみなく注ぐ。

それを全部実践しているのは、この世でさかなクンだけ。だから職業は「さかなクン」。

みんなと同じじゃなくても、枠におさまっていなくても、「好き」を突き詰める人生は、こんなにも楽しい!

人と違うことで悩んだこともありました

「思わず、ギョうきゅう(号泣)しました。懐かしいな。こんなことあったなー。切なかったな。いろんな感情になりながら、拝見しました」

さかなクンがそう話すのは、映画『さかなのこ』。

©2022「さかなのこ」製作委員会

お魚が大好きで普通のことが苦手なミー坊(後のさかなクン)が、自分の「好き」を貫く自伝的ストーリー。

絵を描くことに夢中な8歳のミー坊から始まり、お魚愛の高まる高校時代、挫折と迷走が続いた社会人時代… さかなクンの半生が、1本の映画につまっている。

お魚のことに夢中になれる場所が、どこかにあるはず

「子供のころの自分は、恥ずかしがり屋でおとなしく、外で遊ぶより絵を描くのが好きでした。最初はトラック、それからタコちゃん。

やがていろんなお魚たちを描きながら、お魚について調べるようになって。中学に入って、お魚の泳ぐ水槽と間違えて“吹奏”楽部に入部。でも、なんだかお魚の世界に似ていました。

小さな楽器ピッコロから大きなチューバまで、お魚でいえばメダカちゃんからジンベエザメちゃんまで、いろんな個性が共存しています。

3年生のときには、学校にカブトガニちゃんがきて、吹奏楽部の顧問の鈴木先生と仲間たちで飼育をしたこともありました。

しばらくすると卵を産んで、孵化までして、当時の新聞にもギョ紹介していただきました。

高校時代も、お魚や吹奏楽部の活動などに明け暮れていました。社会人になってからは、仕事のことで悩んでいた時期もありました。

お魚が大好きだから水族館さんや熱帯魚屋さんで働いてみたり、お寿司屋さんに弟子入りしてみたり。

ところが、どれも合わないし、長続きしないんです。だけど、不思議と焦りはありませんでした。自分がお魚のことに夢中になれる場所が、どこかにあるはずだと。

実はその思いは小学生のころから持ち続け、小学校の卒業文集には、『いろんなお魚に会って、調べて、絵を描いて、みんなに見てもらえる図鑑をつくる』と書いていました。

それはどんな仕事だろう。お寿司屋さんでも熱帯魚屋さんでもない… それが、今の“さかなクン”でした」(さかなクン)

寿司屋の壁に描いた絵が大人気に

さかなクン

だれかと同じ道をたどる必要はないし、既存の肩書きや概念にはまらなくたって、いい。そうわかってから、さかなクンの活躍は急速に広がった。

「働いていたお寿司屋さんの壁にお魚の絵を描くという、貴重なギョ機会をいただきました。

描き始めると、通りがかった人たちが見に集まるようになって、やがてテレビのドキュメンタリー番組に取り上げられました。

それから江ノ島水族館さん(新江ノ島水族館の前身)で、さかなクンの絵の展覧会を開催していただいたり、雑誌のお魚料理のイラストを描かせていただいたり。

その後、テレビ番組のお魚ナビゲーターとしても起用していただきました。頭にはハコフグちゃんで、“さかなクン”になったのはそのころ、2000年あたりからでギョざいます」(さかなクン)

笑顔でいないと、何もいいことがない。母の言葉から、前を向けた

ふさぎこんだり上手くいかなかったりするとき、言葉をかけてくれたのは、母だった。

映画『さかなのこ』では井川 遥さんが演じ、そのひとことひとことは、迷える大人にも響く。

「高校生のころ、すギョく気持ちが沈んだ時期がありました。

学校で自分だけ浮いているんじゃないか、周りと合わせないといけないのかな、と。でも、それがなかなか難しい。

下ばかり向いていた自分に母は、『笑ったほうがかわいいよ』『うさぎ年なんだし、笑顔がかわいいんだから! うさぎはみんなの人気者でしょ』って。

そうか、笑顔でいないと、心配されたり、怖がられたり、何もいいことがない。母の言葉から、前を向けたことを覚えています」(さかなクン)

私たちの周りでも、実は水槽と同じようなことが起こっています

窮屈だと感じたら助けを求めればいい

「さかなクンのことばかりお話ししてしまいましたね。私たちの周りに目を向けてみると、実は水槽の中と同じことが起こっているように思うことがあります。

以前、家の水槽で磯魚のメジナちゃんを飼っていたら、その中の一匹がいばり出し、特定の一匹を追いかけ回したりかみついたりすることがありました。

最初は広い海の中と同じで群れをなしていますが、やがて縄張りをつくって、仲間から弾き出してしまうんです。

かわいそうなので、いじめられっ子を水槽から取り出すと、今度はまた別の一匹がいじめられっ子になる。

広い海の中ではないことでも、小さな世界に閉じ込めると、こんなことが起こってしまうんです。

私たちももし、窮屈さや、耐えられないつらさを感じていたら、今いる世界から違う世界へと、思い切って環境を変えてみるのもいいかもしれません。

それが難しいなら、海や山や川に行ってみましょう!

中学生のとき、部活で一緒だった同級生の友達が、いじめにあったことがありました。

とても悲しそうな表情でしたので、江の島へ釣りに行こうと声をかけました。

釣竿を持って、ふたりで海面を見つめていると、友達の表情はみるみる穏やかになっていったんです。

それからしばらくして、その友達は部活をやめ、とっても元気になりました。つらいことがあったら、一度広い世界を見てみるのも、いいかもしれません。

心から話せるだれかに助けを求めることも大事だと思います。さかなクンの場合は、地元の友達や家族に話すと、スーっと気持ちが晴れます」(さかなクン)

夢中になれることがある、人に伝える喜びがある。それが、仕事と人生を輝かせてくれる

映画『さかなのこ』の沖田修一監督は、「大人には、さかなクンみたいに生きてみたいという憧れがある」と語っている。

夢中になれることがあるだけでなく、人に伝える喜びがある。それが、仕事と人生を輝かせてくれる。それを実践しているのが、さかなクンということなのだろう。

「だれでも大好きなもの、得意なこと、夢中になれることがギョざいますよね。それを宝物として持ち続けていれば、心が折れそうなときでも、頑張れます。

そして、情報や感動を人と共有する、人にお伝えすることで、感動の輪が広がります。さかなクンは、お魚を好きでい続けてよかった。これからも、お魚パワーでレッツギョー! です」(さかなクン)

映画『さかなのこ』

©2022「さかなのこ」製作委員会

お魚を愛し、絵を描くことが得意なミー坊(のん)。不器用なところもあるけれど、夢中になったら一直線。「好き」を貫く生き方は、周囲の人をも変える力をもつ。さかなクンは、ミー坊の人生に影響を与える「ギョギョおじさん」役で映画初出演。魚類監修やバスクラリネット演奏も担当した。

出演:のん 柳楽優弥 夏帆 磯村勇斗ほか
9月1日より全国ロードショー

2022年Oggi9月号「この人に今、これが聞きたい!」より
撮影/三宮幹史(TRIVAL) 構成/南 ゆかり
再構成/Oggi.jp編集部

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さかなクン

東京都出身、千葉県館山市在住。東京海洋大学名誉博士・客員教授。魚の生態や料理法など魚類に関する豊富な知識で、2001年『どうぶつ奇想天外!』(TBS系)に出演。2012年、海洋に関する普及・啓蒙活動の功績が認められ、「海洋立国推進功労者」として内閣総理大臣賞を受賞。農林水産省「お魚大使」、外務省「海とさかなの親善大使」などを務める。現在、『ギョギョッとサカナ★スター』(NHK Eテレ)、『超ギョギョッとサカナ★スター』(NHK総合)にレギュラー出演中。


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