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「蓼食う虫も好き好き」のことわざの意味や由来、語源は?
◆「蓼(たで)食う虫も好き好き」の意味
「蓼食う虫も好き好き」には、「人の好みはさまざまである」という意味があります。変わった好みがある、物好きであることを表す言葉で、男女の好みに関して使われることが多くあります。
◆「蓼食う虫も好き好き」の語源・由来
蓼とは「ヤナギタデ」という植物の一種で、独特な香りや強い辛みがあります。香辛料として古くから薬味などに使用されてきました。刺身のつまやタデ酢などにして食べられることもあります。
そんな蓼の辛い葉を食べる虫もいるのことから、人の好みはさまざまである様子を表す言葉として使われるようになりました。
「蓼食う虫も好き好き」の英語表現は? 例文も紹介
There is no accounting for tastes
「人の好みは説明できない」という訳になり、「蓼食う虫も好き好き」と同じような意味になります。
「taste」は「趣味」や「センス」という意味があり、「There’s no 〜ing」は「~できない」、「account」で「説明する」となります。
「蓼食う虫も好き好き」の英語表現を使った例文
She likes horror movies, but there is no accounting for taste.
「彼女はホラー映画が好きだけど、蓼食う虫も好き好きだなぁ」となります。
ホラー映画は苦手な人も多く、苦手な人からするとホラー映画好きの人はちょっと変わった趣味を持つ人に思えますよね。このように、自分とは違う趣味や好みを持つ人との会話などで使うことができます。
They say no accounting for taste, but who doesn’t like curry?
「蓼食う虫も好き好きと言いますが、カレーが嫌いな人はいないでしょう?」となります。「人の好みは色々だけど、これはみんなが好きだよね!」という使い方ができます。
「蓼食う虫も好き好き」の蓼とは?
蓼は、タデ科タデ属の植物の総称です。「蓼食う虫も好き好き」の蓼は、「ヤナギタデ」という湿地に生える植物を指します。ヤナギダデの花は7月から10月頃にかけて開花し、葉の形は披針形。草丈は30〜80cm程の高さになります。
茎や葉にポリゴジアールという辛み成分が含まれており、食用としては薬味や刺身のツマとしても用いられます。
その辛みから普通の虫は寄り付かず、蓼を食べる虫が珍しいことから「蓼食う虫も好き好き」ということわざになりました。
「蓼食う虫も好き好き」ってどんな虫?
蓼を好んで食べるのは、ハムシと呼ばれる甲虫です。体調4mm程度と非常に小さく、幼虫時だけでなく成虫になってもヤナギタデを食べます。
甲虫とは、鞘翅(しょうし)目に属する昆虫の総称で、カブトムシやコガネムシ、ホタルなども甲虫に所属します。
「蓼食う虫も好き好き」の使い方・例文
「蓼食う虫も好き好き」という言葉は、人の好みはさまざまという意味合いはもちろん、他人の好みや趣味を理解しがたい時などに使う場合もあります。
「蓼」は多くの虫に好まれない葉なので、「多くの人に好まれない」というニュアンスもあり、使い方によっては「悪趣味」など、嫌味や皮肉に聞こえることもあるので注意が必要です。
いろんな映画を観てるのにB級ホラー映画が好きって、蓼食う虫も好き好きだね
人とちょっと変わっている趣味や好みがある人に対して使う場合、「変わってるね」を「蓼食う虫も好き好きだね」と言い換えることができます。
激辛料理やパクチーが好きだと話したら、蓼食う虫も好き好きだねと言われた
「蓼食う虫も好き好き」は、人の見た目や趣味だけでなく、食べ物や色の好みなどさまざまなものに使えます。
蓼食う虫も好き好きだから、人の好みや趣味に口を出すのは良くないよ
人の趣味や好みを「変わってる」「趣味が悪い」などマイナスな口出しをする人に戒めとして使う場合の例文です。
最後に
「蓼食う虫も好き好き」の意味や由来を解説しました。日常会話でもよく使われることわざですが、使い方には注意が必要です。皮肉な言い方にならないよう、正しい使い方を身につけてくださいね。
言葉の意味/デジタル大辞泉
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