体外で受精卵を5日まで培養【30代からの不妊治療】
妊活を始めて3年。現在34歳の私の体験から、妊娠を考えているカップルにとって少しでも役に立つような情報をレポート形式でお届けします。
前回は、重い生理から回復した話をお届けしました。今回は、採卵7日目に通院して胚盤胞の説明を聞いた話。
胚盤胞に育った胚は何個?
「半分残ればよかったと思おう」そんな話をしながら、夫と病院へ向かいました。体外受精、採卵後7日目の凍結結果を聞くだけの通院日です。生理は3日目になり、この日も出血量はかなり多め。
眠っている間も、多い日の夜用ナプキンでは吸収が追い付かないほど血が出るので、蒸れたのか、おしりがヒリヒリと痛みました。
診察室へ入ると、K先生がすぐに結果を教えてくれました。
医師「7つの胚盤胞を凍結できましたよ」
渡された写真がこちら。
もともと9個だった受精卵は胚盤胞へ培養する過程で7個に減ってしまいました。
それでも「思っていたよりも多く残ったな」と胸をなでおろした反面、右上の「発育停止」という文字が目に飛び込んできて、心臓がギュっと締め付けられるような思いがしました。
成長が止まっちゃったんだ…。寂しさや悲しさに似た切ない気持ちがグッとこみ上げてきました。
胚盤胞の凍結結果。命ってどこから?
さらにK先生は説明を続けます。
医師「ひとつ発育が停止してしまって、もうひとつ、一番下の段の真ん中、No.8の胚がCCというグレードだったのですが、こちらは病院の基準で凍結ができませんでした」
私「凍結できない卵ってどうなるんですか?」
医師「廃棄します」
私「え…」
私にとっては全部が愛おしい受精卵でした。発育停止は悲しい反面、仕方ないという諦めのような気持ちにもなりましたが、それ以上に病院の規定により廃棄の運命を辿ってしまったCCの卵に申し訳なさが募りました。今日の今日まで、何も知らなかった…。
しかし、これはめずらしい話ではないようです。多くの医療機関において、CCというグレードの胚盤胞だと凍結や移植が難しいということがあとから調べて分かりました。
ただこの時は、1%でも産んであげられる確率があるならば、全部凍結しておきたかった…! と思ってしまい、こういう細かいところを事前に確認しておけなかった自分を責めてしまう気持ちもありました。
命って、どこからなんでしょう。法律的には、出産して生まれたら… と言われているし、頭ではわかっているつもりでいたけど。
細胞が分割し成長をしている受精卵は、すでに命が宿っているようにも感じられますよね。だからこの時の私にとって“廃棄”という言葉は、精神的にけっこうキツかったです。
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クロサワキコ
34歳・主婦ライター。妊活歴3年目。男性不妊の治療や人工授精に体外受精、ステップアップを重ねていくなかで感じた不妊治療のリアルな本音を発信しています。