【目次】
・ありがとうございますは丁寧語
・ありがとうございますの例文
・ありがとうございますの言い換え
・ありがとうございますを使う際の留意点
・ありがとうございますは正しく使おう
ありがとうございますは丁寧語
ありがとうございますは感謝を表す言葉であり、幅広いシーンで使われます。ビジネスシーンでもありがとうございますを使う場面は多々ありますが、正しく使えているのか気になる場合があるかもしれません。特に目上の人に使うシーンでは、迷うこともあるでしょう。
ここでは、ありがとうございますの使い方などを紹介します。
感謝やお礼の気持ちを伝える言葉
ありがとうございますは感謝やお礼を伝える「ありがとう」に丁寧語の「ございます」をつけて丁寧にした言葉です。
生まれてきたことへの感謝を表す仏教用語の「有り難し」がもとになる言葉であり、「有り難し」が変化して「有り難う」となりました。有ることが難しい、つまり「めったにないこと」への感謝として、「ありがとう」の言葉が使われるようになったのです。
目上の人に使う場合
「ありがとう」は「ございます」がつくことで丁寧語になり、敬語として目上の人に使っても間違いではありません。ありがとうございますだけでは敬意が足りないと感じる相手や、より丁寧にしたい場合は、頭に「誠に」をつけて「誠にありがとうございます」とすれば、申し分のない表現になります。
また、「○○していただき、ありがとうございます」というように、感謝している内容を付け加えれば、感謝の気持ちを強めることができます。
「ありがとうございました」との違いは?
「ありがとうございます」と「ありがとうございました」の違いは、現在形と過去形の違いです。現在してもらっていることに対しては「ありがとうございます」を使い、過去の出来事に対するお礼は「ありがとうございました」を使います。
過去の出来事でも、関係が続いている場合は「ありがとうございます」を使うのが自然な場合もあります。現在形を使うことで、関係が続いていることに対する感謝の気持ちを表すことにもなるのです。
ありがとうございますの例文
ありがとうございますをビジネスシーンで使う場合の例文について、いくつかみていきましょう。
・お忙しいなかご足労いただき、ありがとうございます。
・この度はご尽力いただき、誠にありがとうございます。
・日ごろより格別のお引き立てをたまわり、誠に有り難うございます
・貴重なご意見をいただき、ありがとうございました。
・日程の調整をしていただき、本当に有難うございました。
ありがとうございますの言い換え
ありがとうございますにはいくつもの言い換え表現があります。ありがとうございますはさまざまな場面に使える便利な表現ですが、シーンに合わせて、より適切な表現をしたい場合もあるでしょう。
ここでは、使う場面に応じたありがとうございますの言い換えについて、フランクな表現と丁寧な表現、最大限に丁寧な表現に分けて紹介します。
フランクな表現
同僚や同程度の立場で関わる取引先の社員などに対し、ありがとうございますでは堅苦しい場合、以下のような表現を使います。
・助かります
・幸いです
「助かります」は感謝の気持ちをフランクに伝える表現で、目上の人には使いません。
「幸いです」は相手に何かを依頼したいときに使う丁寧な表現で、「〜していただければ幸いです」「ご教示いただけると幸いです」といった使い方をします。「〜してください」を丁寧に表現するもので、依頼することへの感謝が込められている言葉です。
「幸いです」は敬語表現ですが、依頼を一方的にしているような印象を与える可能性があるため、目上の人に使うのは避けた方がよいでしょう。
丁寧な表現
ありがとうございますに代わる言葉を上司など目上の人に使う場合、以下のような表現を使います。
・深謝申し上げます
・幸甚に存じます
「深謝申し上げます」は「心の底から深く感謝する」という意味があり、感謝を強く表す言葉です。また、「深く謝罪する」という意味で使う場合もあり、ミスなどをして謝罪するときにも使えます。
「幸甚に存じます」は非常に幸せであるという意味で、最上級の喜びを表す言葉です。そのため、あまり多用せず、強い感謝の気持ちを表したいときに限定して使うとよいでしょう。
最大限に丁寧な表現
最大限に丁寧な感謝を表したいときは、以下のような表現を使います。いずれも会話よりはメールなどの文書で使うことが多いでしょう。
・お礼の申し上げようもございません
・恐縮至極に存じます
「お礼の申し上げようもございません」は、言葉では言い表せないほど感謝していることを伝える表現です。そのため、これまでになくお世話になったときなど、特別な場合に使うようにしましょう。
「恐縮至極に存じます」はこれ以上ないほどの感謝や申し訳ないという気持ちを表す敬語です。こちらも頻繁に使う表現ではなく、特別な計らいを受けた場合など、適切な場面で使わなければなりません。
ありがとうございますを使う際の留意点
ありがとうございますを使う際には、気をつけたい点があります。メールや手紙で使う場合、漢字で書くべきか迷うこともあるでしょう。
ありがとうを「有り難う」と漢字で書くことは間違いではありませんが、与える印象が異なります。一方、「ございます」を「御座います」と漢字にするのは間違いです。
ありがとうございますを使う際に留意すべき点を紹介します。
メールや手紙では漢字に注意
メールなどの文書でありがとうございますを使う場合、漢字表記に気をつけましょう。「有り難う」と書く場合はありますが、そのあとに続く「ございます」は「御座います」に変換できません。
「ございます」の用法は「〜がある」という動詞の丁寧語と「〜である」という補助動詞の丁寧語の2種類あり、動詞の丁寧語にする場合は「御座います」の漢字表記を使用できます。
しかし、ありがとうに続く「ございます」は補助動詞の丁寧語であるため、漢字で書くのは誤りです。
ありがとうと有り難うの使い分けは、相手にどのような印象を与えたいかで決めるとよいでしょう。漢字が多い場合は几帳面なイメージになり、ひらがなが多いとやわらかい印象を与えます。
ありがとうございますは正しく使おう
ありがとうございますは丁寧語であり、敬語表現のため目上の人に使っても問題はありません。より丁寧にしたい場合は頭に「誠に」「本当に」をつけるとよいでしょう。何に感謝しているかの内容を簡単に付け加えるのも丁寧な使い方です。
場面ごとにニュアンスを使い分けたい場合は、言い換えの表現を覚えておくと役立ちます。記事の内容を参考に、ありがとうございますをシーンに合わせて正しく使うようにしましょう。
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