目次Contents
この記事のサマリー
・「社交辞令」とは、付き合いを円滑にするための儀礼的な褒め言葉やあいさつを指す言葉です。
・「社交辞令」は本音と異なる場合があっても、すぐに悪意や不誠実と決めつける言葉ではありません。
・本音か社交辞令かを見分けるには、言葉だけでなく、その後の行動や具体性も確かめます。
褒められたのに、なぜかそのまま喜べなかった。やさしい言葉をかけられたのに、どこか距離を感じた…。そんな経験があると、「これは本音? それとも社交辞令?」と気になってしまうものですよね。
そもそも「社交辞令」ってどんな言葉なのでしょう? 何気ない会話の中で揺れやすい、この言葉の輪郭を改めて見つめてみましょう。
「社交辞令」とは?
まずは、「社交辞令」という言葉の意味から確認していきましょう。

「社交辞令」の意味
「社交辞令」とは、付き合いをうまく進めるための、儀礼的な褒め言葉やあいさつを指します。本心と完全に一致する言葉とは限りませんが、だからといって、直ちに不誠実さや悪意を意味するわけではありません。人間関係を円滑に保つための表現として用いられる言葉です。
辞書では次のように説明されていますよ。
しゃこう‐じれい〔シヤカウ‐〕【社交辞令】
つきあいをうまく進めるための儀礼的なほめ言葉やあいさつ。外交辞令。「単なる―に過ぎない」
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
なお、表記は「社交辞令」が正しく、「社交辞礼」ではないので注意しましょう。
「社交辞令」を使うシーンとは?
「社交辞令」とは、対人関係を円滑に進めるために、建前的な発言をすることを指します。つまり、考えようによっては「嘘つき」だと思われるかもしれません。では、どんな時に「社交辞令」が用いられるのでしょうか?
「社交辞令」を使うシーンについて紹介しましょう。

会う約束を断りたいとき
会う約束にすぐ応じられないときや、その場で次の予定を決めるのが難しいときにも、社交辞令が使われることがあります。相手との関係を荒立てず、やわらかく会話を締めくくるための表現として用いられる場面です。
「また機会があればお会いしましょうね」といった言い回しは、その場で断定的な返答を避けつつ、礼儀を保つ表現のひとつです。ただし、こうした言葉が必ずしも拒絶を意味するとは限らず、前後のやり取りや、その後の行動もあわせて受け取ることが大切です。
その場を無難にやり過ごしたいとき
その場の空気を壊したくないときや、率直すぎる返答を避けたいときにも、社交辞令は使われます。相手との関係を保ちながら会話を終えるための、配慮を含んだ表現として働くことがあります。
「またこちらから連絡します」といった言い回しも、状況によっては社交辞令として受け取られることがあります。ただし、この表現は相手を遠ざける意味に限らず、本当に連絡するつもりで使われることもあります。
言葉だけで決めつけず、やり取りの流れや、その後の対応も含めて判断したいところです。
相手の意見と自分の意見が異なるとき
相手と意見が異なる場面でも、正面から否定せず、まずは言葉を和らげるために社交辞令が使われることがあります。対立を避けながら会話を進めるための、ひとつの配慮といえるでしょう。
「参考になります」「さすがですね」といった表現も、場面によっては社交辞令として受け取られることがあります。ただし、こうした言葉は常に本心でないとは限りません。話し方や文脈、その後に続く具体的なやり取りまで含めて受け止めることが大切です。
「本音」と「社交辞令」の見分け方はある?
「社交辞令」を使う場面を紹介しましたが、「本音」と「社交辞令」の線引きはなかなか困難であることが理解できたのではないでしょうか?
続いては、「本音」と「社交辞令」の見分け方について、紹介します。
言葉と行動が一致しているか?
「本音」か「社交辞令」かを考えるときは、言葉だけでなく、その後の行動も見てみると判断しやすくなります。
「後ほど連絡します」と言われたあとに実際に連絡が来れば、その言葉は儀礼だけでなく、実際の意思を伴っていたと受け取れるでしょう。言葉と行動が重なっているかどうかは、見極める際のひとつの材料になります。
約束が具体的であるか?
「また機会があれば会いたいですね」や「あとで連絡します」と言われたとき、本気なのか、社交辞令なのか迷うことは少なくありません。そんなときは、約束の内容がどれくらい具体的かをひとつの手がかりにすると見えやすくなります。
本当に会うつもりや連絡するつもりがある場合は、日取りや場所、連絡の時期など、話が具体的になりやすいものです。もっとも、それだけで判断できるわけではありません。自分から予定を決めるのが得意ではない人もいるため、言葉ひとつで断定せず、やり取り全体の温度感を見ることが大切です。
ありきたりな褒め方ではないか?
褒め言葉をかけられたときに、それが本音なのか、社交辞令なのか迷うこともあるでしょう。そんなときは、褒め方に具体性があるかどうかを、ひとつの目安として見る方法があります。
「かわいい」「すごい」といった短い言葉は、場を和ませるための儀礼的な表現として使われることもあります。一方で、「気配りができる」「説明がわかりやすい」など、どこをどう感じたのかが具体的に示されていれば、本心からの評価として受け取りやすくなります。
ただし、表現が簡潔だから社交辞令、具体的だから本音、と一律にはいえません。相手の話し方の癖や関係性によっても伝え方は異なるため、言葉の細部だけで決めつけないことも大切です。
「社交辞令」の類語表現

「社交辞令」と近い文脈で語られる表現に、「巧言令色(こうげんれいしょく)」があります。
「巧言令色」は、言葉を飾り、顔つきを和らげて、人にこびへつらうことを表す語です。そのため、儀礼的な挨拶や褒め言葉として使われる「社交辞令」とは、重なる部分がありながらも、同じ意味ではありません。
また、「世辞」「追従」「おべっか」といった言葉も、相手を持ち上げる表現として挙げられます。ただし、これらは相手によく思われるために、真意に反して必要以上に褒めたり、こびたりする意味合いを帯びやすい言葉です。
相手との関係を円滑にするための儀礼表現である「社交辞令」とは、近いようで違いがあることを押さえておきたいところです。
参考:『デジタル大辞泉』(小学館)
「社交辞令」に関するFAQ
ここでは、「社交辞令」に関するよくある疑問と回答をまとめました。参考にしてください。
Q1. 社交辞令とは、どんな言葉を指しますか?
A. 付き合いをうまく進めるための、儀礼的な褒め言葉やあいさつを指します。本心と完全に一致しないことはありますが、人間関係を円滑に保つために使われる表現です。
Q2. 社交辞令と本音は、どう見分ければいいですか?
A. 言葉だけで判断せず、その後の行動や約束の具体性を見るのがひとつの手がかりです。連絡すると言ったあとに実際に連絡が来るか、日程や場所の話が具体的に進むかも参考になります。
Q3. 社交辞令は失礼にあたることがありますか?
A. 相手や場面によっては、気持ちのこもらない言葉に見えてしまうことがあります。特に繰り返し使ったり、あまりに形だけの表現になったりすると、距離を感じさせることもあるでしょう。
最後に
社交辞令という言葉は、少し冷たく響くこともありますが、いつも悪い意味で使われるわけではありません。人との距離をやわらかく保つための気づかいとして交わされることもあります。
言葉の表面だけにとらわれず、場の空気や相手の思いにも目を向けてみると、受け取り方も変わりそうですね。
TOP・アイキャッチ画像/(c)Adobe Stock



