味噌汁を配膳します。位置は右手前? 右奥? 左手前? 左奥?
和食に限らず、食事にはさまざまなマナーがあります。今回は和食の基本的な配膳マナーをピックアップ。
味噌汁の入った椀は、どの位置に配膳するのが正解でしょうか?
1. 右手前
2. 右奥
3. 左手前
4. 左奥
◆正解は、1. 右手前
小さい時に箸を持つ手が右手、茶碗を持つ手が左手と習った方も多いと思います。
その習ったことは正しく、茶碗は左側、その対となる味噌汁の入った汁椀は右側に配膳します。
主菜は茶碗や汁椀よりも奥に配膳しますので、正確には茶碗は左手前、汁椀は右手前が正解です。
なぜお茶碗が左手前なの?
小さい頃から左手で茶碗を持って食べると習うので、左側に茶碗を配膳することは食べやすさという観点からも自然な配置ですよね。
しかし、配膳は左上位という考え方に基づいて決められたと考えられているんです。左上位は飛鳥時代に中国から伝わった考え方といわれています。
日は左である東から昇り右である西に沈むことから、日の昇る東である左が右よりも上位とする考え方です。歴史で習った、左大臣と右大臣では左大臣が上位とされていたことも、左上位の考え方に則ったものといわれていますよね。
つまり、主食であるご飯の入った茶碗を上位である左に配膳したということ。主食である米を大切に考えていることの表れともいわれているんですよ。
ちなみに、左利きの方に配膳する場合は、お箸の向きは右利きの方と反対向きにしますが、お茶碗などの配膳の位置は変えません。これも食べやすさだけでなく、左上位の考え方に基づいた配膳であるからといえそうですね。
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いかがでしたか? ついつい自分のご飯となると忙しさもあり、あまりこだわらずに配膳してしまうこともあるかと思うのですが、忙しくても一食一食は大切にしたいですよね。配膳も気にしてみてください。
鶴田初芽
都内在住のOLライター。マナーインストラクターであり、実用マナー検定準一級や敬語力検定準一級など、ビジネスにおけるマナーや、マネーに関する資格(2級ファイナンシャル・プランニング技能士、金融コンプライアンスオフィサー、マイナンバー保護オフィサー)などを保有。丁寧な暮らしに憧れ、断捨離修行中!