干渉しすぎない
これは特に、大切な人のことになるとつい熱くなってしまう人が注意しておきたい聞き方です。子どもであれ、パートナーであれ、友人であれ、人には誰しも自分以外の人に言いたくないことのひとつやふたつは絶対に持っています。
どんなに大切で、どんなに近い存在の人であっても、そのブラックボックスはなるべく開けないようにするのが人間関係のマナー。もちろん「大切な人のことはなんでも知っていたい」という思いはわかります。
しかし、そこで自分の感情に任せて
「今日は何時に帰ってくるの?」
「今どこにいるの?」
「今日は何してたの?」
「なんで私には何にも言ってくれないの?」
とたたみかけてしまうと、相手は取り調べを受けているような気持ちになり、自分の殻に閉じこもってしまいます。
こういう場合、相手につっこんで質問をするよりも効果的な返答があります。
「遅かったね、心配したよ。あまり無理しないでね」
「私はこうしてもらえると嬉しいな」
「私で相談にのれることがあったら言ってね。役に立ちたいし」
このように、相手に質問するのではなく、自分の気持ちを伝えるのです。人の心理は不思議なものです。聞かれたら言いたくなくなるのに、逆に気持ちだけを置いていかれると「悪かったな、やっぱり言っておこうかな」となるのです。
いずれにせよ、大切な人であればあるほど、いい距離感でコミュニケーションを取っていきたいものですね。
最後にまとめです。
・100%好かれる聞き方のコツ
事情聴取をすればするほど、相手は心を閉ざしてしまう
次回も引き続き、嫌われない聞き方を紹介します。
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永松茂久(ながまつ・しげひさ)
株式会社人財育成JAPAN代表取締役。大分県中津市生まれ。「一流の人材を集めるのではなく、今いる人間を一流にする」というコンセプトのユニークな人材育成法には定評があり、全国で数多くの講演、セミナーを実施。「人のあり方」を伝えるニューリーダーとして、多くの若者から圧倒的な支持を得ており、講演の累積動員数は延べ45万人にのぼる。2021年1番売れた本『人は話し方が9割』(すばる舎)をはじめ、著書多数。