「仕事は充実。でも、これだけで本当にいい?」
お悩み:仕事は充実しています。成果を出さなきゃというプレッシャーはありますが、自分の成長も実感しています。ただ、これからもこんな生活が続くのかと思うと、いつかエネルギーが切れそうで不安です。
アドバイス:頑張ってらっしゃるのですね。これまでの仕事の実績から実力を認められ、新たな仕事が次々とアサインされているのでしょう。実力を認められ、新たな機会が与えられるのはうれしいけれど、仕事だけでいいのかと不安を感じておられるのだろうと思います。
まずは、ゆっくり深呼吸してみましょう。あまり目にすることはないと思いますが、各企業は従業員の70歳までの就労機会確保が努力義務として課されています。65歳定年が70歳に引き上げられる日が来るかもしれません。どんな形かは別として、多くの人が60歳を超えても働くことが普通の風景になります。長い人生の各フェーズで、どのような働き方をしたいのかを考えることがとても大事になってきます。
自分を取り巻く社会“花びらモデル”
少しワークをしましょう。
この“花びらモデル”は、自分を中心にして、仕事とそれ以外の活動領域を花びらのように表現したものです。弊社が働き方改革を実施する際に考案しました。
いま、あなたは何に時間をつかっていますか? 花びらにある視点を元に、自由に記述してください。花びらの数や大きさを変えても構いません。
次に、10年後は、あなたはどのような時間の使い方をしていたいですか? 取り組みたいことや大切にしたいことを自由に記述してください。花びらの数や大きさを変えても構いません。ワークシートはこちらからダウンロードできます。
いかがでしたか? どのような花びらを描きましたか? “ありたい自分”を考えて言葉にする機会になったのではないでしょうか。
時間軸を長く持ち、自分らしい生き方を描いてみよう
仕事は私たちに経済的な価値と同時に豊かな社会体験という大きな価値をもたらします。そして仕事以外にも私たちを豊かにする要素は数多くあります。
今は目の前のことだけしか見えないかもしれませんが、10年後、20年後はあなたを取り巻く環境はきっと大きく変わっていることでしょう。仕事があなたに占める割合も変化していくでしょう。
これは、お子さん二人を育てながら短時間勤務している人が描いた“花びら”です。仕事と家族に時間を割きつつも、配偶者の海外赴任にむけて英語の勉強をしている様子がうかがえます。
大切なことは、時間軸を長くもち、ありたい自分を描き、そこに向けて努力を続けることです。あなたの人生の主人公はあなたです。日々の生活のなかで息苦しくなったときは、ゆっくり深呼吸をして「10年後の私はどうありたかった?」と思い出してください。きっと、あなたにとっての解がみつかります。あなたらしい人生でありますように。
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立花則子
株式会社リクルートマネジメントソリューションズ 経営企画部人事グループ。リクルートに新卒入社後、編集、メディア創刊、海外事業責任者などを経て、2004年に同社へ。その後は一貫して人事を担当し、制度改定・人事・ダイバーシティ・働き方改革などに従事している。著書に『組織を動かす働き方改革』(中央経済社)、執筆協力として『組織を動かす経営管理』(中央経済社)