今年も花粉シーズンがやってきた
3月には多くの所でスギ花粉の飛散がピークを迎え、4月には入れ替わるようにヒノキ花粉が多く飛びます。
今年の花粉の量は多いのか、日常生活でどんなことに気を付ければ良いのかを解説します。
今年の花粉量は?

花粉の飛散量は前年の夏の天候が大きく影響します。夏の日照時間が長く気温が高いと、花芽が多く形成されて花粉量が多くなり、逆に冷夏や長雨だった場合は翌年の花粉量が減少します。
これらを考慮すると、夏の気温が平年より高かった東海・北陸から北海道の広い範囲で、昨シーズンと比べると同程度か多くなる見込みです。
注意したい気象条件は…

花粉の日ごとの飛散量は、当日の気象条件によって変わります。特に気を付けたいのはこれらの日。
1. 晴れて気温が高い日
2. 空気が乾燥して風が強い日
3. 雨上がりの翌日
4. 気温の高い日が2~3日続いたあと
ようやく春らしく過ごしやすい日が増えてきましたが、そのような日は花粉も飛びやすいので要注意です。
また、多く飛ぶ時間帯は昼前後と夕方なので、外出する際はできるだけこの時間帯を避けるのも有効。外出の際はマスクはもちろんのこと、メガネや帽子を利用したり、服はツルツルした素材のものを選ぶなどして、できるだけ家の中に花粉を持ちこまないようにしましょう。
換気の際に気をつけたいポイントは?

このシーズンに頭を悩ませるのが換気。コロナ対策のことも考えると、換気をしないわけにもいきません。
環境省によると、花粉のピーク時に行った実験では、3LDKのマンション一戸で1時間の換気をした際、室内に入った花粉の数はなんと約1000万個! 想像しただけでもおそろしいですね。
花粉の流入を少なくしつつ換気の効果を保つには「レースのカーテンをしたままにする」「窓を開ける幅を10cm程度にする」こと。これらによって花粉の流入を約4分の1に減らすことができます。
さらに、換気をしたあとのひと手間も重要。室内に入った花粉は床やカーテンなどに多数残ってしまうので、掃除を徹底しましょう。特に部屋の壁際に残りやすい傾向があります。また、カーテンを定期的に洗濯することも欠かせません。
少し面倒だな… と感じるひと手間が、花粉対策には有効です。負担の少ないことから取り入れて、花粉シーズンを乗り切りましょう!
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気象予報士 太田絢子
気象予報士、防災士。中学生のころから気象に興味をもち、大学在学中に気象予報士試験に合格。卒業後は損害保険会社に就職し、交通事故や自然災害に遭った人へのサービス業務に従事。自然災害が多発するなかで、犠牲者をゼロにしたいと思うようになり、気象キャスターへ転身。現在は地元名古屋のCBCテレビ「チャント!」などに出演中。趣味はモーニング巡り、季節の箸置き集め。
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