ふりかけ法の体外受精へ。受精結果は翌朝…【30代からの不妊治療】
妊活を始めて3年。現在34歳の私の体験から、妊娠を考えているカップルにとって少しでも役に立つような情報をレポート形式でお届けします。
前回は、医師から採卵結果を聞いた話をお届けしました。今回は、体外受精の方法の話。
体外受精のふりかけ法とは? 顕微授精はやらないの?
ついに迎えた体外受精の採卵当日。採卵、採精を無事に終えた私たち夫婦は、その後医師から結果を聞きました。結果は卵の数9個、精子の成績は過去最高と、どちらも好成績で嬉しくて夫婦でハイタッチ。喜ぶのも束の間、医師から体外受精の方法の説明が続きました。
医師「いちおう総運動精子量が500万個を超えているので、病院の規定に従って、今回は顕微授精はせずにすべて体外受精をします」
夫「え…? 全部ふりかけってことですか?」
医師「そうです」
夫「あれ? 5万円ちょっとで顕微って見積もりに書いてあったような…」
医師「病院の培養室の規定基準があるのですが、今回は基準をクリアしているので、規定に従って、すべて採卵した卵子にふりかける、ふりかけ法と呼ばれる一般的な体外受精をします。明日の朝、希望者には受精結果を電話でお伝え出来るんですけど、どうされますか?」
私「ほーう…、受精結果?」
受精結果の意味とは?
この時、私はもう採卵9個の結果にホッとしすぎて、頭がぼんやりしていました。
医師「はい、明後日の月曜日、診察時にどのみちお伝えはするのですが、気になるという方には翌朝、培養士から電話で連絡することもしているんです。どうしましょうか?」
私「えーっと、それって…、『いい』とか『わるい』とか言われるんですか?」
医師「いえいえ、『○個受精しました』って数をお知らせするんです。胚のグレードなどの説明は次回の診察時になりますが、受精卵の個数を先に知りたいという人には、培養士から朝お電話で結果をお伝えしています」
私「あ! そっかそっか、なるほど。そしたら、電話ください。すぐ知りたいです」
採卵した卵って、まだ精子と出会っていないですよね。ここでようやく受精結果の意味をほんのり理解した私。もう次のハードルが明日に迫っていたのです。
私は目の前の採卵のことだけでずっと頭がいっぱいだったのと、そもそも不妊カウンセリングのときに、採卵の薬剤に関する話にばかり質問が偏っていたこともあり、これ以降のステップをあまり深く理解できていませんでした。だから、先生が“受精結果”とか“胚のグレード”とか言っていても、一つひとつの言葉の意味が、正直ちんぷんかんぷん。
しかし、診察室のなかではどんどん説明が続きました。
医師「うまくいけば月曜に凍結相談になるので、そこで写真とかもお渡しできると思うんですけれど…」
凍結相談?! 写真?! ますます深まる混乱。ここでちゃんと手順を改めて医師に確認すべきだったのですが、何しろこちらは採卵の麻酔明け。卵9個ゲットで、頭は完全にお花畑状態でフワフワしたまま。
わからないことはわからないままにしない! という当たり前のことをうっかり怠ったがばかりに、このあともけっこうドタバタしてしまったんですよね。やっぱり、話をきくのと、実際にやるのとではぜんぜん違いました。
そして、メモ魔でしっかり者のハズだった夫は、実は隣でひとり肩を落として沈んでいたのです。せっかく採卵でいい結果が出たのに…。
夫が「病院選びを失敗した…」と涙目になってしまったお話は、また次回していきたいと思います。
これまでの記事▶︎不妊治療体験レポ
TOP画像/(c)Shutterstock.com
クロサワキコ
34歳・主婦ライター。妊活歴3年目。男性不妊の治療や人工授精に体外受精、ステップアップを重ねていくなかで感じた不妊治療のリアルな本音を発信しています。