【食事と健康のハナシ】その情報はホントに正しい?
「○○を食べると健康にいい」という情報は、商品の売り上げに大きく貢献します。巷では、ありとあらゆる健康に関する話であふれていますが、けっこう間違っているものも少なくありません。
◆科学的根拠=エビデンスには強さのレベルがある
ひとりの医師が「コレはいいですよ~!」とおすすめしているエビデンスより、複数の研究結果をとりまとめた研究手法であるメタアナリシスから導き出されるエビデンスのほうが、科学的根拠が強いといえます。実はこのエビデンスのレベルってとても大事。
とはいえ、私たち一般の人が、元になっている研究の質やエビデンスの強さを見極めるのはなかなか難しいところ。そこで書籍『世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事』に書かれている“科学的な根拠に基づく健康にいい食事”のなかから、特に健康意識が高い方にお届けしたいお役立ち情報をピックアップ。
フルーツジュースや野菜ジュースは体にいいの?
野菜や果物の健康効果はよく知られていますが、普段の生活に手軽なフルーツジュースや野菜ジュースをとり入れることで、同じような効果を期待できるのでしょうか?
◆ジュースより野菜や果物をしっかり食べよう
野菜や果物は加工する段階で不溶性の食物繊維の多くが除かれてしまっています。なので、野菜や果物のジュースを飲んだところで、野菜や果物そのものを食べた時とまったく同じような健康上のメリットは期待できません。
しかも果物に関しては、そのまま食べたときは糖尿病リスクを下げることができるのに対し、ジュースで飲むと果糖のみを摂取していることになるので、血糖値が上がり糖尿病リスクが上昇すると考えられています。
◆成分に惑わされずバランスを重視しよう
健康的な食事をするために必要なのは、体にいい“食品”を選ぶことで“成分”はあまり重要ではありません。どういうことかというと、緑黄色野菜は体にいいけれど、緑黄色野菜に含まれるβカロチンやリコピンといった成分が体にいいわけではないのです。
大事なのはいろいろな種類の果物や野菜を毎日たくさん食べ続けること。
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「こんな成分が入っていますよ~」と言われるとついピンポイントで興味を引き付けられてしまいがちですが、生活習慣の予防やダイエットを考える場合には、食品や食生活全般に目を向けるべきだということが、本のなかでたくさん紹介されていました。
『世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事』発売中
書籍『世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事』では、がんや心筋梗塞、糖尿病や動脈硬化、ADHDやアルツハイマーなど、気になることがあったときに、「主なリスク一覧」から内容を逆引きすることもできてとても読みやすく紹介されています。健康になれるだけでなく、気になるリスクと食品の関係について「根拠はあるのかな?」と思った時に、家に一冊あるとすぐに調べられます。
意外性や目新しさはないかもしれませんが、確実に健康に近づきたい人には、すごくおすすめできます。日々の生活に正しい食事をとり入れることが、人生の幸せに繋がるかもしれません。
『世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事』(東洋経済新報社)
著/津川友介
本書では、最新の膨大な研究論文をもとに複数の質の高い研究で体に良いことが科学的に証明されている食事を紹介しています。自分の体が変わってきたことを実感できるようになるはず!
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