歯科医がやらない歯磨き6選
毎日おこなう歯磨きは、お口の中を清潔に保つ上で非常に大事です。みなさんは歯磨きにこだわりはありますか? 今回は歯磨き習慣に焦点を当て、現役歯科医師である私が絶対にやらない歯磨きを紹介します。
◆食後30分あけて歯磨きはしない
歯磨きにこだわりがある方は知っているかもしれないですね。これは飲食物に含まれる酸の影響で、本来ならば硬いはずの歯が柔らかくなり、食後すぐの歯磨きでは歯にダメージを与えてしまうのではないかと広まった考えです。
しかし、海外では食後4時間をあけて歯磨きをしてもメリットはなかったという論文も出ていることから、私は食後30分時間を空ける必要はないと考えています。それに食後の30分は、歯垢が口の中に付いたままの状態の方が歯にはダメージだと思われます。
私は食後はすぐに歯を磨いています。
◆歯間ブラシは歯磨き後にしない
歯磨きの後に歯間清掃をする、大体の人がそうしていると思います。しかし、現在は歯磨きの前に行うことが一般的になりつつあるます。そうすることでより汚れが除去でき、歯磨き粉の薬効成分が歯間に浸透するとした研究結果が出ています。
私もフロスや歯間ブラシを歯磨きの前におこなっています。
◆手探りの歯磨きはしない
口の中には親知らずを抜くと28本の歯があります。歯磨きは、その1本1本に歯間も含めると5面も磨かなければならず、歯ブラシの感覚だけでは歯ブラシの毛先がしっかりと歯面に当たっているか、など正確に把握するのは難しいです。
私は鏡を見ながら歯磨きをするようにしています。自分の磨き方を目で確認すると良いですよ。
◆歯磨きの途中で唾液を吐き出さない
歯磨きをしていると、唾液が口の中に溜まって気持ち悪くなることがあると思います。
しかし、歯磨きの際に唾液を吐き出してしまうと、せっかく最初に付けた歯磨き粉の量が半減してしまいます。
口の中に歯磨き粉の有効成分を行き渡らせ浸透させるために、歯磨き粉は1度口に入れたら最後のうがいまでは吐き出さないようにすると良いでしょう。
◆歯磨き後にすぐ飲食しない
朝食前に歯磨きをして後はしなかったり、昼食後に歯磨きしたのにすぐにカフェをしたり、など歯磨きの後に飲食を行うことは歯磨きの効果を減弱させています。
予防歯科の先進国スウェーデンでは、「2+2+2+2のテクニック」を推奨しています。これは、1日に2回※、1回につき2分、歯磨き粉(虫歯予防ならフッ素の入った物)を2センチ使って、歯磨きの後は2時間何も飲食しないというものです。※1日3回でも可
2時間、口を休ませることで歯磨き粉の有効成分を薄めることなく、長く口に留まらせることができます。とは言え、喉が渇く場合もあると思います。その際は糖分を摂らず、水やお茶を摂取してください。
私もこの「2+2+2+2のテクニック」をおこなっています。慣れてしまえば楽です。
◆歯磨き後すぐの洗口剤の使用はしない
歯磨きの後にしっかりと口をゆすぐことで、爽快感が得られると思いますが、これは歯磨き粉の有効成分を洗い流してしまうため、推奨されません。理想は、5秒程で1回の洗口です。
また歯磨き後に、水ではなく洗口剤を使用すると、歯磨き粉に含まれる成分と洗口剤に含まれる成分が混ざり、反応して効果が減弱されてしまう可能性も。私は歯磨きの後は水で短めにうがいをしています。
歯磨き習慣、真似することでお口美人に
歯医者がやらない歯磨き法でした。口の中を清潔に保つ時間は、歯磨き以外ありません。この時間を有意義なものにできるといいですね。
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Oggi.jp's 野尻真里
日本審美歯科学会所属の歯科医師。朝日大学を現役卒業後「うずら歯科」に勤務。写真集『美人女医図鑑』を発売中。華道脇教授の資格を持つなど充実した趣味と、美容やファッションにもこだわっているインスタグラム@nojirimari も要チェック!
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