リモートでのビデオ会議で役に立つソーシャルスタイル活用
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リモートでのコミュニケーション品質を改善するという試みは、いままでコールセンターなどの専門機関などでおこなわれてきたものの、対面が主体の営業活動や社内でのコミュニケーションにおいて検討されるケースは多くありませんでした。
ところが、コロナ禍で、社内外の様々なコミュニケーションがリモートでおこなわれるようになり、リモートでのコミュニケーション品質が注目を浴びるようになりました。特に、急速に普及したZOOM、Microsoft Teamsなどのビデオ会議ツールでは音声のみならず、カメラを使って相手の表情もある程度分かり、大人数でのミーティングにも対応できるため、様々な用途で活用されています。
ジェスチャー、外見、話す速度など非言語での情報がコミュニケーションに影響を及ぼすとしている研究も多くあるとおり(※1)、非言語情報がタイプ判別のヒントとなるソーシャルスタイル理論(※2)は、ビデオ会議と相性の良い武器となります。
※1:例えば、「メラビアンの法則」では感情や態度について矛盾したメッセージが発せられたときの影響度は視覚55%、聴覚38%、言語7%の順となっている。
※2:ソーシャルスタイル理論/人の行動傾向から個々人に対しての適切なコミュニケーション方法を把握するもの
▲ソーシャルスタイル理論(リクルートマネジメントソリューションズ提供)
リモート先の相手には、ソーシャルスタイル別で対応しよう!
下の図はリモート会議におけるソーシャルスタイルの判別および対応例です。
ドライビングであれば、資料を事前にお送りし、端的に結論から示す、エクスプレッシブには雑談の時間を設ける、アナリティカルには、細かなデータを見せるため事前に資料を送る、エミアブルには、話やすいように確認をしながら少しずつ同意を促す、といった対応を行うことでリモート環境においても相手に意識を向けコミュニケーションの質を高めることが可能になります。
これは、対顧客だけでなく、社内での上司部下の面談や会議など広く活用可能ですよ。
▲リモート会議におけるソーシャルスタイルの判別および対応例(リクルートマネジメントソリューションズ提供)
次回は、採用面接でのソーシャルスタイル活用法をお届けします。
TOP画像/(c)Shutterstock.com
松木知徳
2007年リクルート入社。人事・組織コンサルタントとして、組織変革や人材開発施策に携わる。2017年より、新規事業をプロジェクトリーダーとして推進、サービス業における従業員のモチベーションと生産性の向上や人工知能を用いた対人コミュニケーション支援など新規サービスの開発に携わり2019年には技術特許を取得。2020年よりコンサルタント兼主任研究員として、ビジネス、アカデミックの両側面より企業のコンサルティングを行う。一方、社内外のコミュニケーション強化の支援を専門領域としたメディアへの出向や講演活動などを行っている。日本マーケティング学会、サービス学会、ナレッジマネジメント学会、国際戦略経営研究学会会員。SBI大学院大学非常勤講師、尚美学園大学非常勤講師。博士(工学)。