愛知の本社へ転勤になり、朝活で勉強しながら仕事へ邁進。オッジェンヌ 志村美咲さんにインタビュー!
志村美咲さん(25歳・食料品メーカー勤務)
福島県出身。大学時代、留学や旅で約35ヶ国をめぐり世界の食に興味をもつ。歴史ある日本の調味料を海外に広めるべく食料品メーカーに就職。好奇心旺盛で、語学、飛行機、美容など幅広く勉強中。
ブラウス¥13,000(ノーク) パンツ¥9,990(バナナ・リパブリック) イヤリング¥14,300・ネックレス¥14,300(ジュエッテ) タンクトップ/スタイリスト私物
当たり前だった対面コミュニケーションのありがたみを実感
異動先のマーケティング部は企業秘密が多く、リモートワークは原則自宅です。開始と終了の報告、成果物の提出は必要ですが、画面オフOKで顔を出さない会議が多いので、部屋着でリラックスしながら働いていますね。職種が変わり、仕事量が倍増した感覚。今は与えられたことをこなすのに精いっぱいだけど経験をアイディアにつなげる企画力をつけたい!
「新卒で入社した食料品メーカーで営業職として働いて3年、希望していたマーケティング部に異動することになったのが2021年の3月です。マーケは愛知にある本社配属、コロナ禍の転勤ということで、何回も現地へ移動することはできず、1回の訪問で新居を決め、引き継ぎも3日間の出社のみで終わらせました。
東京を出るということで、同期からは『大丈夫? 話聞くよ』と心配されたのですが、高校生のときから自分のやりたいことで学校を選び、親元を離れて生活してきた私は、『まず仕事の軸があって、場所は後からついてくるもの』と考えるタイプ。せっかく選んでいただいたオッジェンヌの活動はペースダウンかなという迷いはあったのですが、転勤や引越しに対する悩みはありませんでした。
ただ、営業のころは週に1日程度だった在宅勤務が、マーケでは週4日に。かなりおうち時間が増えました。体力的にはラクになったけど、精神的には少しきついですね。『人と会って話せる』『職場の先輩にすぐ相談できる』という環境のありがたさを思い知らされています。
今の担当は、調理をラクにできる簡便調味料の成長戦略構築と新商品開発。自炊機会が増えて伸びている分野なのですが、新しい商品を伸ばしていくだけでなく、継続できるのか否か、撤退の見極めも求められます。食品の開発はリニューアルだけでも1年。仕入れや営業など他部署からさまざまな要望が集まるので、仲介する役目や雑務も多い。先輩が1時間で終わる仕事に何時間もかかって、企画にあてる時間の確保に苦戦しています。
学生時代に35ヶ国以上を見てきた経験をふまえて『ベテランが考えつかないような若手のアイディアを』と期待されているものの、半年経ってもまだ全然発揮できないなっていうのはもどかしいですね。新商品の試食にはかなり呼んでもらえるのですが(笑)、まだまだ実力不足で。
コロナ禍がなかったら… たとえば次につくりたい商品のテーマがヴィーガンなら『NYで1週間ヴィーガン料理を食べ回ってリサーチする』といった出張もあったはずなので、その機会がなくなってしまったのは残念! 国内でも、全国の支店を回っていた新作の説明が全部オンラインに。便利ですが、やはり伝えきれない部分もあるなと感じます」
朝始業前の2時間は、近くのカフェへ。教材やTEDで知識を深めるインプット
朝7時~9時は、仕事を離れて学ぶ時間。資格や語学の勉強をするだけでなく、『TED Talks』をアプリでよく見ています。今は夢を語り合う友達にもなかなか会えないので、いちばんモチベーションが上がりますね! 『note』で好みの文章や言葉を探すのも楽しい。自分でも気持ちを整理するため、非公開にしてだれにも見せずにブログを書いています。
カーディガン¥15,400(LOUNIE/ルーニィ) デニムパンツ¥14,300(GUEST LIST〈Healthy DENIM〉) バッグ¥14,400(バナナ・リパブリック) 靴¥23,100(アバハウスインターナショナル オンラインストア〈オゥ バニスター〉) イヤリング¥16,500(ジュエッテ) カチューシャ/スタイリスト私物
「外に出られない分、自分と向き合う時間が増えて、今後どう生きていきたいのかをとても考えるようになりました。食料品の仕事にも活かせる食育アドバイザーの資格のほかにも、好奇心の赴くままに学んでいます。
特に、コロナ禍を経てどうなるかわからない世の中で『手に職をつけたい! いつどこにいてもパソコン1台で働けるように』という意識が芽生え、日本語教師の専門学校に入学。実は『将来、老人ホームをつくる』という夢があって。いつか老年学を学べるデンマークとイギリスに行きたいんです。そのときは通学やボランティア活動の傍ら、オンライン授業で日本語を教え、収入をキープできるといいなと考えています。
現在は朝7時から9時までは近所のカフェで勉強。9時から17時半は自宅で会社の仕事をメインに。在宅勤務もフレックスなので、みなさん会社の公開スケジュールに『保育園』とか『奥さんの送迎』とか入れて、プライベートが垣間見えるのが微笑ましい(笑)。私もごはんが夜遅くならないよう、夕方には一旦区切りをつけ、買い物に行って夕食をつくり、20時から22時で残業する日もありますね」
食育を学んでから在宅ワーク中も栄養素や彩りに気をつけるように
ランチには、だいたい毎日サラダをつくっています。たんぱく質をとりすぎかな? 食物繊維ないな、など意識して調整していますね。料理中の耳のお供はPodcastの『COTEN RADIO』♪
休日は空港で大好きな飛行機ウォッチ。ひとり自分の内と向き合う
セントレアのある愛知には航空機関連の工場があり、希少な飛行機が停まるんですよ! 私にとって飛行機鑑賞はメディテーションみたい。旅を思い出したり、今後やりたいことを思い描いてワクワクしたりするうちに、無な時間が訪れて。自分の状況によって風ひとつでも感じ方が違う。聞こえる音を煩わしく感じるときは余裕がないなとか、今日は心地いいなとか、気持ちを咀嚼しています。
カーディガン¥15,400(LOUNIE/ルーニィ) イヤリング¥16,500(ジュエッテ) カチューシャ/スタイリスト私物
「マーケに異動して知ったのは、ひとつの商品を世に出すのに開発者がどれだけ努力をしてきたか。0.5g単位で材料を配合し、寝る間も惜しんで試作して、苦労を物ともせず追求している。『商品は我が子』と、もう涙が出そうなくらい思いが詰まってるんです。自分はそういう背景を知らずに資料だけ見て営業を続けてきたので、コロナが落ち着いたら全国の支店に直接思いを伝えに行きたいなと。社内でいい循環を生み出したいです」
●この特集で使用した商品の価格はすべて、税込価格です。
2021年Oggi12月号「こんなに、生き方が変わるなんて」より
撮影/須藤敬一 スタイリスト/角田かおる ヘア&メイク/川嵜 瞳 構成/酒井亜希子(スタッフ・オン)、佐藤久美子
再構成/Oggi.jp編集部