コロナ禍でキャリアチェンジ&副業をスタートした、オッジェンヌ 下田 悠さんにインタビュー!
「考える時間が増えて、新たな目標ができた! グループ会社への転籍でキャリアチェンジしつつ、趣味のワインで副業も始めます」
下田 悠さん(32歳・外資系医療機器メーカー勤務)
東京都出身。営業職を7年、マーケティング部門を2年経験後、今年の夏からグループ会社のマーケティング部門に。ワインエキスパートの資格をもつほか、ボルダリング、ベリーダンスなど趣味も多彩。
ジャケット¥18,700(ビームス ライツ 渋谷〈ビームス ライツ〉) ニット¥7,990(バナナ・リパブリック) パンツ¥17,600(T-squarePress Room〈メゾン マヴェリック プレゼンツ〉) 時計¥26,400(オ・ビジュー〈ロゼモン〉) ピアス¥91,300(ウノアエレ ジャパン〈ウノアエレ〉)
リモートワークは私に合っていたみたい。さらに集中できるように
通勤時間の往復1時間半がなくなり、化粧室への往復移動時間が5分から5秒になり、夕食をつくってから仕事に戻ることもできる。もともとムダなことが嫌いだった私にとっては快適な変化が多いです。自宅ではオットマンに脚をのせられるようになって慢性的なふくらはぎのむくみも改善! マッサージ通いの時間もカットできました(笑)。
「新卒以来9年半、医療機器メーカーで営業やマーケティングの仕事をしています。私の担当領域は新型コロナ疾患と直接関係があるわけではありませんが、医療従事者の方々が最前線で戦っている話を聞いて、ただただ尊敬しています。
一方で私の仕事は… といえば、病院への訪問がほとんどできなくなって、勤務先も100%リモートワークに。会社に個人のデスクはなく、ロッカーすら撤去されました。すごく久しぶりにオフィスに行っても、同僚がだれもいないので雑談もできなくて… 出社する意味がありません(苦笑)。
当然仕事の進め方も変わりました。対面でドクターとコミュニケーションをとっていた以前とは違う方法で、いかに患者さんの健康を支えていけるか、長く続けられるビジネスの仕組みをつくっていくか、最初は戸惑いました。でも、情報発信の方法を見直すなど、既成概念にとらわれずに戦略を練る経験ができて、ビジネスパーソンとしてのスキルを高める機会になったと思います」
新しい仕事の知識はほぼゼロ! 勉強は欠かせない
カテーテルという細い管を使って、心臓に人工弁を届ける機器の担当に。朝晩や仕事の合間に、勉強する時間が増えました。ワインの本は勉強というより、趣味として息抜きに。
「働き方の変化は、私にとっては別の意味でもチャンスになりました。新たなキャリアに踏み出すきっかけになったんです。コロナ禍以前は全国各地の病院を訪問するため、週に2~3度飛行機に乗ることもしばしば。目の前の業務をこなすことで精いっぱいでした。でもリモートでの面談が当たり前になって移動時間やムダな待ち時間がなくなり、自分の今後のキャリアについても考えられる余裕ができたんです。
そこで見えてきたのは『私は、新しいマーケットをゼロからつくる仕事がしたいんだ』という目標。ぼんやり思い描いていたことが、クリアになりました。転職も視野に入れて動き出そうとしていたらタイミングよく、グループ会社で、先天性心疾患の方のための日本初の専用デバイスを手がけるチームが発足することになったんです。
『ここだ!』と転籍の希望を出し、今年8月に今の会社に移りました。私と同年代の患者さんの体や生活への負担を大きく減らせる機器だということもあって、医療に携わることができる仕事のやりがいを、改めてかみしめています」
スーパーフレックス制で、平日の昼間、英会話やボルダリングに行けるのが快適
リモートワークの開始とともに、「5:00~22:00の間なら、いつ働いてもいい」という制度が始まって、仕事の中抜けも自由に。気分転換ができて、能率が上がりました。英会話スクールやジムが混んでいない時間に利用できるのもうれしい!
ワンピース¥14,400(バナナ・リパブリック) バッグ¥15,400(T-square Press Room〈フィオレッリ〉) ピアス¥85,800(ウノアエレ ジャパン〈ウノアエレ〉)
「リモートワークになったのを機に、引っ越しもしました。以前は出張のために空港や駅へのアクセス重視で住む場所を決めていましたが、今度はおいしいワインが買えるお店が近くにあって、英会話などの習い事にも通いやすい、暮らしやすいエリアに。仕事の集中力が途切れたらコーヒーを買いに行ったり、散歩をしたりするのも気持ちがいい街です」
家でじっくり味わうようになってワインのことをもっと知りたくなった
自宅のワインセラーと冷蔵庫には、計50本近くのワインが入っています。添加物を減らし、自然のままに醸造されたナチュラルワインが好き♡ 飲んでも疲れない気がします。食事に合わせて… というよりは今は勉強したいワインを開けることが多いです。以前に、ワインバーの一日店長をしたご縁で、ワインビジネスの副業も始めることにしました。
オールインワン¥26,950(ELENDEEK) イヤリング¥121,000(ウノアエレ ジャパン〈ウノアエレ〉) カットソー/スタイリスト私物
「外食が減ったことで、趣味のワインの楽しみ方も変わりました。ワインエキスパートの資格を2年前に取っているんですが、自宅で1本ずつゆっくり飲むようになって、ボトルを開けた瞬間から最後の一杯まで、液体が変化していく奥深さにさらに魅せられるように。そして、ワインの仕入れやビジネスについても、もっと勉強したいと思うようになったんです。そんなことを知人のレストランオーナーに話していたら、一緒にワインバーを経営しないかと声をかけてくれて…。副業として挑戦してみることに決めました。スタッフを雇って、年末年始ごろにオープン予定です。もともと経営についても学びたいと思っていたので、『儲けたい』というよりは、勉強させてもらう感覚のほうが大きいですね。不安があるとすれば、睡眠時間が減ることくらい? でも今の働き方なら、なんとかなるはず! 日中のパフォーマンスが下がらないよう、ちゃんと寝るように気をつけます。
何ごとも、興味をもったらチャレンジしよう――コロナ前から変わらず、そう考えて行動してきました。今回の副業の話だって『時間がないから、すみません』と断ることもできましたが、今やっておかないと、いつできるかわからない。人生は一回ですからね」
●この特集で使用した商品の価格はすべて、税込価格です。
2021年Oggi12月号「こんなに、生き方が変わるなんて」より
撮影/須藤敬一 スタイリスト/角田かおる ヘア&メイク/川嵜 瞳 構成/酒井亜希子(スタッフ・オン)、佐藤久美子
再構成/Oggi.jp編集部