アメリカで活動する私なりの情報収集の方法
今年も残すところ、あと2ヶ月! 皆さん、年末に向けて段々忙しくなっていらっしゃる時期でしょうか。
かくいう私は、ゆったり年末を過ごして、年明けに出産だなと構えておりましたら、先日の妊婦検診で担当の日本人女医から衝撃の事実を伝えられました。
「私、元旦から1週間くらいバケーション取ることになりました〜」
えーー! 私の予定日は年明けなのですが、唯一の頼みの綱である日本人の先生が立ち会えないなんて…。
ということで、年内に先生がいるタイミングで計画出産をすることになりそうです。私のスケジュールに合わせて先生が動くわけないですよね。お休みも大事。
ただ、急に知らない外国人の先生が現れたら、私のメンタルが弱りそうなので、急遽、色々と繰り上げです。年越しは家族3人になっていそうです。
そんな今回は、日々どうやってアメリカで情報収集しているか! をテーマにお話します。
男性読者からのある質問
先日、ある日本人男性から私にコンタクトがありました。その方は有名新聞社に長くお勤めで、現在はアメリカでMBAを取得するために渡米していらっしゃる方でした。
この連載を奥様が見てくださっており、そのススメで全てのコラムを熟読してくださった後に、アメリカでの仕事や活動についてぜひ一度話したいと連絡が来たのです。男性の読者の方から連絡が来たのは初めてだったので、単純に嬉しかったというのが感想です。
そこでお話している際に、こんなことを質問されました。
「アメリカで興味のある分野についてどうやって情報収集しているんですか?」と。
新聞記者の方にそんな質問をされるとは、ちょっと緊張しました。
確かに情報を持っている人と、持っていない人って、明らかに存在しますよね。その差が、得られるチャンスの差だったりすることもあります。
これは日本でも同じことだと思うのですが、さらに母国語でない英語での情報を絶えずキャッチするのは思ったよりも簡単ではありません。
ただ私は自分が興味のある分野に関しては、それなりにアメリカ国内の動きを追っている自信があります。しかし、やっていることは至極シンプルなことです。
常に芋づる式に情報を繋げていくことだけを意識しているのです。
深掘り続けることで興味・知識が広がる
情報の発端は“人”です。この分野で活躍している人、この人の周囲にある情報を知っていると思える人を徹底的に追跡しています。
例えば、私はメリンダ・ゲイツさんのソーシャルチャンネルをよく見ています。そう、ビル・ゲイツの元奥さんです。
女性リーダーとして発言にも注目が集まりますし、女性のエンパワーメントに関するメッセージを様々なところで出している彼女の発信には多くの情報が詰まっています。
インスタグラムのストーリーでも、流し見するのではなく、必ず手を止めてよく読むようにしていたある日、彼女が関わる、あるアイデアコンテストの存在を知りました。
メリンダ・ゲイツと、ジェフ・ベゾスの元妻のマッケンジー・ベゾスの2人が手を組み、ジェンダー平等を実現するために「Equality Can’t Wait Challenge」という名で昨年開催されたコンテストでした。
2030年までに米国女性の地位と影響力を高めるための優れたアイデアに対して、なんと3000万ドル(約32億円)の賞金を授与したのです。アメリカのスケールの大きさにまずたまげます。
「やっぱりすごいな〜」と感心して終わるのではなく、そこからさらに情報を掘っていきます。どんな組織が賞金を得たのか気になりますよね。当然私は受賞した全ての組織を調べ上げました。
さらに、その組織のソーシャルチャンネルを全てフォローしたり、メルマガ配信に登録したり、あらゆる情報獲得の手段を見落とさないように心がけています。
そうしてくると、それぞれの組織の創設者の存在も気になって来るわけで、Linkedinで繋がってバックグラウンドを知ったり、メッセージを送ったりして、パイプラインを作ろうとします。
また、その組織が開催しているイベントに参加したり、ボランティアの募集があれば応募したりして、アメリカ社会の中での女性活躍推進や女性エンパワメントの動きを体感しようとしています。
日々、その作業をしているだけであっという間に興味や知識の幅が広がっていくわけです。
ひとりの力では辿り着けないからこそ興味ある人の周りから得る
なんだか、そこまでテクニカルなことではないように思えますが、この情報過多の時代に、いかに必要な情報だけを芋づる式に得ていくかは簡単なことではありません。
この話をすると、キャリアカウンセリングでも、「そういうことか!」と開眼してくださる方が多いです。
お話をした新聞記者の方も参考になると言ってくださっていたので、それなりに価値のある情報をお渡しできて良かったなと思いました。
私は常に興味のある人を探しています。自分ひとりの力では辿り着けない、面白い世界が、本当はそこら中に広がっているので、常に興味のある人の周りに広がる世界から新しい情報を得るのです。
こんな情報収集、ぜひ一度意識的にやってみてください!
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古瀬麻衣子
1984年生まれ。一橋大学卒。テレビ朝日に12年勤務。「帰れま10」などバラエティ番組プロデューサーとして奮闘。2020年、35歳で米国拠点のweb会社「Info Fresh Inc」代表取締役社長に就任。現在NY在住。日本人女性のキャリアアップをサポートする活動も独自に行なっている。
Instagram:@maiko_ok_
HP