今年もやってきた「木枯らし1号」
今の時期に吹く冷た~い北風、木枯らし。10月23日、大阪で木枯らし1号が吹いたと気象台から発表がありました。
木枯らし1号とは秋から冬へと季節が移り替わる頃、冬本番が近づいていることを知らせる冷たい北風のことです。東京と大阪で観測されていて、その年の最初の木枯らしを観測すると、気象台が木枯らし1号が吹いたと発表します。
木枯らし1号の条件とは?
木枯らし1号が観測されているのは全国で2ヶ所だけですが、東京と大阪で木枯らし1号の条件は少し異なります。それぞれの条件を見ていきましょう。
◆東京では
1. 10月半ばから11月末までに
2. 西高東低の冬型の気圧配置となり
3. 東京における風向が西北西~北
4. 東京における最大風速が概ね8m/s以上
◆大阪では
1. 二十四節気の霜降(10/24ごろ)~冬至(12/22ごろ)
2. 西高東低の冬型気圧配置となり
3. 北寄りの風が吹き、最大風速は8m/s以上
年によってはそれぞれ決められた期間のうちに木枯らしが吹かないこともあり、その場合はその年の木枯らし1号は観測なしとなります。
また“木枯らし1号”と呼ばれていますが、木枯らし2号や3号は気象台の観測対象ではありません。
北寄りの風1m/sで体感温度はマイナス1℃!?
この木枯らし、8m/s以上の強風ですので長い髪はもちろんバサバサと乱れるのですが、さらにやっかいなのが、とにかく寒い! 北から冷たく乾いた空気を運んでくるので空気の乾燥も進みます。
一般に、北寄りの風が1m/s吹くと、体感温度は1℃下がると言われています。予想気温以上に体感温度が低くなることがあるので、天気予報では天気や予想気温だけではなく、風の強さや向きもあわせて確認するようにしてくださいね。
木枯らしが吹いた翌朝も要注意
さらに、木枯らしが吹いた翌日の朝は急激に冷え込む傾向にあります。
というのも、西高東低の冬型の気圧配置になると、北風にのって大陸から冷たい空気がどっと流れ込んできます。
そうなると夜の冷え込みも強くなりますが、たいてい翌日の朝も、たとえ風が収まったとしても寒気が居座りぐっと冷え込みが強まる傾向にあります。この風冷え→底冷えは春先にかけて続くパターンです。
木枯らしが吹く風冷えの日はマフラーや手袋、帽子などで服と体に隙間をつくらない、翌日の底冷えの日は足元から冷えるのでブーツなどでしっかりと防寒するなど、寒さ対策を徹底して過ごしましょう!
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気象予報士 太田絢子
気象予報士、防災士。中学生のころから気象に興味をもち、大学在学中に気象予報士試験に合格。卒業後は損害保険会社に就職し、交通事故や自然災害に遭った人へのサービス業務に従事。自然災害が多発するなかで、犠牲者をゼロにしたいと思うようになり、気象キャスターへ転身。現在は地元名古屋のCBCテレビ「チャント!」などに出演中。趣味はモーニング巡り、季節の箸置き集め。