印象UP! 実践したい「一筆箋」の書き方
誰かにお礼をするとき、贈り物をするときに「一筆箋」があると、送り手の“心”が感じられるものになります。
前回は「挨拶」と「結びの言葉」の事例を紹介しました。
今回は、仕事やプライベートで使える「一筆箋」の文例を紹介します。
取引先・お客様へのシーン別「気の利いたひと言」
取引先・お客様へ送る一筆箋では、無駄な言葉を削り取って、しかも肝心な要件を手短に表現することが大切です。敬語表現をうまく活用して、短い文面の中に敬意を織り込みましょう。雑な字にならないよう、丁寧で読みやすい字を書くように心がけます。
◆資料を送るとき
定型の文章例をもとに、「気の利いたひと言」に変えてみてください。
<定型の文章例>
○○株式会社 ○○○○様
本日はお問い合わせを賜り、ありがとうございます。
※早速、○○○の商品資料をご送付いたします。ぜひよろしくご検討願います。
風邪をめされていらっしゃるとのこと、お大事になさってください。○○○○
↓※部分を変えてみます。
<気の利いたひと言>バリエーション
・ご指摘の件について、さっそく資料を添えてご回答申し上げます。
ご興味をお持ちいただけましたら、どうぞご一報ください。
・資料のご請求ありがとうございました。この○○○○は先月ランクインしたイチオシの製品です。ぜひとも前向きにお取り計らいください。
◆請求書を送るとき
<定型の文章例>
○○○○様
先日はご利用ありがとうございました。※その後○○○のお使い心地はいかがでしょうか。
御請求書を送付申し上げますので、どうぞご査収の上、よろしくお手続きのほどお願いいたします。
※なお、当社○日よりお得意様限定の新商品説明会を実施いたします。ぜひご来社ください。
○○様のご来社を担当○○が、心よりお待ちしています。○○○○
↓※部分を変えてみます。
<気の利いたひと言>バリエーション
・○○様とのご縁をうれしく存じます。また近々のご来社を楽しみにお待ちしています。
・なお、ご購入された商品に使用いただけるカートリッジの値引きセールを○日まで行っていますので、よろしければぜひまた当店にてお求めください。
◆見積書を送るとき
<定型の文章例>
○○様
先日は、お問い合わせをありがとうございました。
さて、ご依頼の御見積書を送付させていただきますので、※どうか前向きにご検討願います。
春半ば、風邪など召しませんようご自愛ください。○○○○
↓※部分を変えてみます。
<気の利いたひと言>バリエーション
・弊社としましては、できる限りご希望にそえるよう努めておりますので、どうかご査収とご検討のほど、よろしくお願いいたします。
・一度ご確認いただき、ご相談につきましては担当○○がお伺いいたします。
・どうぞご高覧ください。なお、頃合いを見て、お電話をさせていただきますので、ご不明な点などご質問くださいましたら幸いです。
◆仕事を引き受けてくれたとき
<定型の文章例>
○○様
朝晩の冷え込みが厳しくなりました。いつもお世話になっています。
さて、このたびはご無理を聞いていただき、本当に助かりました。
※お蔭さまでイベントも無事滞りなく終了し、一同旨をなでおろしています。社員の皆様にもどうぞよろしくお伝えください。
○○で評判のドーナッツが手に入りましたので、よろしければ皆さんで召し上がってください。○○○○
↓※部分を変えてみます。
<気の利いたひと言>バリエーション
・「○○○○」のご講義を、先生の過密なスケジュールを調整してお引き受けいただき、誠にありがとうございました。貴重なご高説を賜る機会と、すでに多数の喜びの声が寄せられています。
・うまくいきましたら、来春も同じようなイベントが予定されていますので、その折にはまた利用させていただきたくお願いいたします。
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亀井ゆかり
手紙コンサルタント。関西外国語短大を卒業後、大手通信機器メーカーに就職し、役員秘書を務める。
結婚を機に退職したあとは、大企業から個人経営の店舗など、あらゆる業種の顧客に向けた挨拶状の代筆業をはじめる。
代筆業の経験を活かし、一筆箋の商品開発にも携わっている。
著書に『大人のたしなみ「一筆箋」気の利いたひと言』(青春出版社)がある。