自己紹介の悩みは、1回の作成で一生解決
初対面や会合にはつきものの自己紹介。時間にすればせいぜい1~3分程度のものですが、これが苦手という声もよく耳にします。
その多くが「何を話していいのかわからない」という悩みですが、とはいえ社会に出ると、多かれ少なかれ何らかの場面で自己紹介を求められます。
そのためにも自己紹介は前もってきちんと準備しておくことです。これからお話しするのは、最初こそ少し手間はかかりますが、いったん実践してしまえばずっと使える自己紹介の準備法です。
年月が過ぎたり仕事が変わるなどが起こっても、微調整を加えるだけで長い間使える優れものです。
心に響く自己紹介の作り方、3つのステップ
手順は、1. 自分史を書く、2. プロフィールをまとめる、3. キーワードを絞り込む、の3つです。
1. 自分史を書く
自身の誕生から現在に至るまでの歴史を「箇条書き」で書き出す。
2. プロフィールをまとめる
出身地、出身校など余分な情報を省きながら、自分史を簡略に「文章」でまとめる(出身地や出身校を伝えることが有意義な場合は入れてかまいません)。
3. キーワードを絞り込む
「なぜ今の仕事をしているのか?」「今の自分は、どんな喜びや、やりがいを感じているのか?」などを考えながら、プロフィールから今の自分を表すキーワードを導く。
自己紹介の時に言葉が詰まってしまうのも、ダラダラ長くなってしまうのも、とどのつまり、自分で自分のことをわかっていないこと、そして「今の自分をズバリ表現する言葉」を見つけていないことが原因です。
まず自分史からプロフィールをまとめ、そこからキーワードを絞り込む。すると単なる「略歴」ではない、自分の「思い」が乗った素晴らしい自己紹介文ができます。
人の心に一番響くのは、あなたの「思い」の部分なのです。
「感謝」を入れた自己紹介で人の心を動かす
もし大勢が集まる場で自己紹介をするのなら、もうひとつ覚えておくととても得するポイントがあります。
それは主催の方への「感謝」、そしてそこに集まった方へ「お会いできて嬉しいです」という「感謝」をつけ加えることです。
どのような集まりにも、必ず中心になって動いている主催者がいます。
またどのような集まりでも、誰かしらのツテがあってあなたは参加しているはずです(主催者と誘ってくれた人が同一人物の場合もあるでしょう)。
彼らの存在がなければ、今あなたはそこに立っていません。ご縁のありがたみを思えば、感謝の言葉が出てくるのは当然ともいえます。
ここは多くの人が自己紹介に一生懸命になるあまり見落としがちです。
だからこそ、大勢の人の前で自己紹介をする際には、必ず感謝の言葉を入れる。これで、いっそう人の心に響く素敵な自己紹介になります。
「初めまして。鈴木太郎と申します。まずは今日のこのような素晴らしい会を主催してくださった佐藤幸子さん、ありがとうございます。
私は現在、すばるブックスという書店でビジネス書フロアを担当しています。世の中には素晴らしい本がたくさんありますが、本当に自分が必要とする本と出会っている人は、実は少ないのかもしれない。そんな思いがあって、本を作る出版社から、本と人をつなぐ書店へと転職しました。
毎月、たくさんの本が入荷される中で、『人生を変える本と出会う場を作る』ことが私の使命です。よろしくお願いいたします」
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永松茂久(ながまつ・しげひさ)
株式会社人財育成JAPAN代表取締役。大分県中津市生まれ。「一流の人材を集めるのではなく、今いる人間を一流にする」というコンセプトのユニークな人材育成法には定評があり、全国で数多くの講演、セミナーを実施。「人のあり方」を伝えるニューリーダーとして、多くの若者から圧倒的な支持を得ており、講演の累積動員数は延べ45万人にのぼる。2021年上半期1番売れた会話の本『人は話し方が9割』(すばる舎)をはじめ、著書多数。