秋のアレルギー性鼻炎の原因って何?
アレルギー性鼻炎といえば、春先のスギやヒノキの花粉症を想像する方が多いかもしれませんが、秋もアレルギー性鼻炎が多い季節であるのをご存じでしょうか? 秋のアレルギー性鼻炎の原因となる「花粉」はイネ科の花粉やブタクサ等が知られていますが、春先のスギ花粉やヒノキの花粉に比べると、ごくマイナーです。では、一体この時期のアレルギー性鼻炎の原因って何だと思いますか?
答えは、「温度差」です
この時期、暑い日や涼しくて肌寒い日などが交互にやってきて温度差が激しい季節です。この温度差が原因となり「アレルギー」が起こることが多いのです。一般的には意外と知られていないのですが、「寒暖差アレルギー」というのがこの時期大変多いのです。症状は花粉によるアレルギーと同じで、くしゃみや鼻水がダラダラ一日中止まらないというものです。なかには、喉がイガイガする人もいます。
人間の身体は、色々な刺激に反応してアレルギー反応を起こします。花粉など小さくて体内に入り込む異物は、人体にとっての「刺激」の代表例です。
他にも、金属アレルギーでは、アクセサリーなどをつけたところがかぶれたりする方もいます。これは金属に触れることが「刺激」となり起こるアレルギー反応のひとつです。他にも、寒い日に外で走ったあと太ももが痒くなって、じんま疹が出た経験のある方も多いと思いますが、これは「寒冷じんま疹」といって文字通り、寒いことが刺激となってじんま疹が出る反応のことです。
現代人はとかく「刺激」に過剰反応する傾向が強くなっていて、「温度差」も刺激となりアレルギー反応を起こしてしまいます。
寒暖差アレルギーの予防法は?
現代人の病気なのでしょうが、この時期多いアレルギー性鼻炎は「寒暖差アレルギーによる鼻炎」ということになります。この寒暖差アレルギーはどうするのが良いと思いますか?
予防方法は、意外にも花粉症とおなじ「マスク」なんです。寒暖差の激しいこの時期、私達の身体にとっては「突然、鼻から入ってくる、乾燥した冷たい空気」が刺激となり、アレルギー性鼻炎を引き起こすわけですから、マスクをすることで、直接に乾燥して冷気を吸い込むことを予防すればアレルギーもおこらないという理屈です。
新型コロナも一段落つきそうな状況である一方、まだまだ慎重な対応を求める専門家の意見もありますので、コロナ対策と秋のアレルギー性鼻炎対策の一石二鳥の作戦として、「マスク」着用を続けてはどうでしょうか。
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国立がん研究センター研究所 がん幹細胞研究分野分野長 増富健吉
1995年 金沢大学医学部卒業、2000年 医学博士。
2001年-2007年 ハーバード大学医学部Dana-Farber癌研究所。2007年より現職。
専門は、分子腫瘍学、RNA生物学および内科学。がん細胞の増殖と、コロナウイルスを含むRNAウイルスの増殖に共通の仕組みがあることを突き止めており、双方に効く治療薬の開発が可能かもしれないと考えている。
専門分野:分子腫瘍学、RNAウイルス学、RNAの生化学、内科学。
趣味:筋トレ