歯ぎしりの原因と対処法を歯科医が解説
朝、起きたとき、歯や顎に何となく疲れた感じ or 痛みがあったことはありませんか? もし経験があるなら慢性的な頭痛や肩こりに悩んでいるという人もいると思います。
それは、夜間の歯ぎしりが原因かもしれません。
今回は睡眠時の歯ぎしりについて原因や対処法を紹介します。
歯ぎしりの原因はストレスだけ?
睡眠時の歯ぎしりは、過度のストレスがかかった時に起こりやすいと言われています。また、飲酒をした日や喫煙をしている人にも起こりやすいと言われています。
他にも遺伝や常用薬の影響などと関係があるのではと言われていますが、正確な原因は分かっていません。
子供の場合は、歯ぎしりをすることによって顎の位置や噛み合わせを調整している可能性があり、年齢が増すにつれて改善していくと言われているので心配はないかと思います。
歯ぎしりで歯が痛くなることも
歯ぎしりの度合いは、睡眠の1サイクルである90分ごとに、8~20秒ほどの歯ぎしりを約5回おこなっていると報告されています。
また、ギリギリとしなくても、90秒間歯を食いしばった状態が続くことで顎の筋肉に疲労と痛みが出ます。
睡眠時の歯ぎしりは無意識下でおこなわれるため、ある程度のところで“これ以上噛んではダメだよ!”と教えてくれる脳の機能も働かないのです。
その結果、通常起きている時に噛む最大の力の、約6倍以上の力で睡眠時は食いしばって歯ぎしりをおこなっているのです。この力は奥歯でクルミが割れるくらいの力に相当するため、歯が擦れてヒビが入ったり割れて痛みが出るリスクも考えられます。
歯ぎしりが原因でエラ張り顔になることも
歯ぎしりが習慣的に行われると、咬筋という筋が肥大化してエラの張った顔になる場合もあります。
これ以外にも、顔のみに影響が出るだけではなく、治療した歯の詰め物や被せ物が外れること、歯周病罹患歯になっているものは歯周病が悪化するなど、お口の中のトラブルの原因にもなりやすいのです。
歯ぎしりの治し方はあるの?
歯ぎしりについて解説してきましたが、具体的な治療法があるのでしょうか?
実は、歯ぎしりは正確な原因療法はまだありません。生活におけるストレスの緩和やリラックスする時間を作ることが大切です。また、飲酒や喫煙を控え、常用薬の影響が考えられる場合は医師に相談を行いましょう。
歯科医院では、対処療法として、マウスピース(ナイトガード)を作ることができます。これは、上と下の歯が直接当たらないようにすることで歯へのダメージを緩和。顎にかかる圧も緩和されるため顎関節の痛みや違和感の予防にもなります。
歯に装着して寝るため少し違和感はありますが、ギリギリ音はしなくなります。
私、歯ぎしりしているかも? と思ったら歯医者さんへ
一般的に歯ぎしりと認識されるギリギリ音は、必ずしも歯ぎしりを行う人全員がするわけではありません。ギリギリ音を出しておこなう歯ぎしりは、歯ぎしりをおこなう人の5〜20%と言われています。
音はなくても、顎や歯の違和感がある人は、1度歯科医院で相談してみてくださいね。
TOP画像/(c)Shutterstock.com
Oggi.jp's 野尻真里
日本審美歯科学会所属の歯科医師。朝日大学を現役卒業後「うずら歯科」に勤務。写真集『美人女医図鑑』を発売中。華道脇教授の資格を持つなど充実した趣味と、美容やファッションにもこだわっているインスタグラム@nojirimari も要チェック!
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