【目次】
・「当事者意識」の意味とは?
・「当事者意識」を持つメリット・デメリットとは?
・職場で従業員の「当事者意識」が低い原因
・「当事者意識」を持たせるにはどうする?
・最後に
「当事者意識」の意味とは?
「当事者意識」は、<とうじしゃいしき>と読みます。「当事者」と「意識」という二つの単語がくっついてつくられた言葉です。「当事者」とは「ある事柄に直接関係している人」、「意識」は「心が知覚している状態」「物事や状態に、はっきりと気付くこと」を指します。
したがって「当事者意識」とは、「自分自身が、その事柄に関係すると知覚していること」「その事柄の直接の関係者であるという自覚」という意味です。
「当事者意識」の意味や言い換え
「当事者意識」という言葉は、就職活動などの自己PRでもよく使われます。「当事者意識」の他にも似た意味を持つ言葉があるので、自己PRなどで同じ言葉を繰り返し使うのを避けたいときの参考にしてみてください。
例えば、「主体性」や「責任意識」という言葉が挙げられます。「主体性」は「自分の意思や判断で行動しようとする態度」のことで、「責任意識」は「自分のしたことで得た結果について責めを負うこと」です。
「当事者意識」「主体性」「責任意識」も、「自分が自分で考えて行動した結果について、きちんと考える」という意味を含んでいます。
また、「当事者意識」の英語の言い換えも、知っておくと役に立つことがあるかもしれません。例えば、「責任」「約束」という意味の「commitment」や、「所有者」「所有権」の意味を持つ「sense of ownership」などが言い換え表現になります。
「当事者意識」を持つメリット・デメリットとは?
今までは「当事者意識」の意味や、表現の仕方について確認してきました。では、実際に「当事者意識」を持つとはどういうことなのか、メリットとデメリットの両方から見てみましょう。
「当事者意識」を持つメリット
「当事者意識」を持つことで、得られるものは良いことだらけです。例えば、ビジネスシーンにおいては責任感が芽生え、自分の仕事に対してプロ意識を持って取り組めます。そして、新しいスキルを手に入れたり、スキルを向上させようと努力したりすることが出来るのです。また、積極的かつ、自発的に行動することで、周りからの評価も高まります。
「当事者意識」を持たないデメリット
逆に「当事者意識」が低いことで、仕事や人間関係がうまくいかないなど、大きな悪影響が考えられます。
「当事者意識」が低いということは、主体性がなく、また責任感も低いということなので、特にビジネスシーンにおいて、周囲からの信頼を得にくい傾向にあります。また、他人に何でも任せてしまうので、評価もされません。
他人任せにすることに慣れてしまい、向上心もなくなります。新しい能力を身につける機会を失ってしまったり、後輩に追い抜かれてしまったりと、周りからおいていかれてしまうのです。
職場で従業員の「当事者意識」が低い原因
せっかく自分の仕事に対するモチベーションが上がっていても、周りの人たちの「当事者意識」が低いと、なかなかうまく仕事が進められませんよね。「当事者意識」が低い原因として、何が考えられるでしょうか。
1:少しでも楽をしたいから
自ら積極的に動こうとすると、やはり面倒な仕事だったり、やりたくないことまでしなくてはならなかったりします。したがって、少しでも楽をしたい人は、そういう面倒な仕事を引き受けてくれる「当事者意識」が高い人に任せて、自分はその人から与えられた仕事だけをこなそうとするのです。
2:責任を負いたくないから
「当事者意識」をもって積極的に仕事をすれば、当然成功だけはなく、失敗もします。失敗した時に評価を落としたくないとか、叱責されたくないという思いが強いので、責任から逃れようとするのです。したがって失敗した時は、責任から逃れようと言い訳してしまう人が多いです。
3:何をすればいいのか分からない
自分の役割や立場がはっきりせず、何をすればいいのか曖昧だと、主体的に動きたくても難しい場合があります。「何をすればいいのか分からないから、分かる人に任せれば良い」という考え方になってしまうのです。
「当事者意識」を持たせるにはどうする?
「当事者意識」が持てない原因をいくつか紹介しました。では、「当事者意識」を持たせるには、具体的にどうしたら良いのでしょうか。いくつか紹介するので、悩んでいる方は、ぜひ、実践してみてください!
1:自分で決断する機会を設けてあげる
つい自分で何もかも決めたり、相手に指示を出すだけになっていたりはしませんか? そうすると、周りの人たちは、指示に従うだけになり、他力本願が習慣化されてしまうのです。そこで、あえて責任を持たせるという意味も込めて、自分で決断する機会を設けてあげましょう。
2:結果に対して、褒めてあげたりアドバイスをあげたりする
方法1の後に行うと効果的な方法です。自分で決断する機会を設けてあげた後、その結果に対して、何らかのアクションをしてあげます。無事に成功したら褒めて自信をつけてあげることで、成功体験を積ませてあげましょう。しかし、失敗したからといって、頭ごなしに叱責するのではなく、その失敗が次に繋がるようなアドバイスをしたり、対策を一緒に考えたりすることが大切です。
3:指示を出すときは、具体的に伝えるようにする
「当事者意識」が持てない原因として、先ほども取り上げたように「何をすれば良いのかが曖昧で分からない」というのがあります。
したがって、すべきことを具体的に伝えることで、相手が主体的に取り組めるようにしてあげるのも、効果的な方法かもしれません。
最後に
今回は、「当事者意識」について解説しました。今、社会で生きる人々に求められるのは、上司からの指示に忠実に従うだけの人でなく、自分で考え、責任を持って主体的に行動できる人です。ぜひ、「当事者意識」を持って、物事に取り組む習慣をつけましょう!
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