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2021.08.09

今さら聞けない!「箇所」の正しい意味や使い方、「ヶ所」との違いを徹底解説

「箇所」という言葉は、ある場所や特定の部分を示す際に、「一箇所」「二箇所」と使います。この他、「かしょ」には「カ所」「個所」「ヶ所」「ヵ所」などと表すことができますが、一体、どの「かしょ」を使ったらいいのか迷うことはありませんか? これらにはどのような違いがあるのでしょうか。本記事では、その違いについて解説します。

【目次】
「箇所」の意味
「箇所」の使い方を例文でチェック
「箇所」と「ヶ所」・「カ所」・「ヵ所」・「個所」の違い
「箇所」の類語や言い換え表現とは?
他のものの数え方を紹介~動物の数え方~
最後に

「箇所」の意味

「かしょ」という言葉を使うときの、漢字の表記に迷ったことはありませんか? ある場所や、特定の部分を示す際に、「一箇所」「二箇所」と「箇所」という言葉を使います。しかし、「箇所」の他にも「ヶ所」「カ所」「ヵ所」「個所」など、何種類か別の漢字で表すことが出来ます。どのような違いがあるのでしょうか?

(c)Shutterstock.com

「箇所」の使い方を例文でチェック

まず、「箇所」がどのように使われているのか、例文を用いて確認していきましょう。

1:「この公園の周りには、花屋が三箇所もあります」

この場合の「箇所」は、花屋の店舗の数を表す助数詞としての役割を持っています。ある特定された部分の数を数える際に「箇所」を使うのです。

2:「今回の会議で重要な焦点となるのは、この箇所です」

「箇所」は、助数詞としての役割の他に、「あるものが存在する場所や部分」を表す言葉でもあります。例えば、「必要な箇所」のように、問題となる部分を指す名詞として使うことが出来ます。

3:「欲しかった書籍を古本で手に入れたが、読めない箇所が複数ある」

この「箇所」も、「あるものが存在する場所や部分」を表す言葉としての使い方です。

「箇所」と「ヶ所」・「カ所」・「ヵ所」・「個所」の違い

今まで取り上げた例文は、すべて「箇所」という漢字が用いられていました。では、「ヶ所」・「カ所」・「ヵ所」・「箇所」との違いは何でしょうか。

(c)Shutterstock.com

「箇所」と「ヶ所」・「カ所」・「ヵ所」の違い

「ヵ所」の「ヵ」は「箇」の略語なので意味は同じですが、公用文では使われません。「ヶ」や「カ」も同様です。しかし、形式ばった場でないときは使っても問題ありません。

ちなみに、「箇」の略体である「个」を「ケ」と略したところから「一ヶ月」「二ヶ月」の「ヶ」が使われるようになりました。この「ケ(ヶ)」は、「介」から出たカタカナの「ケ」と同形ですが、その起源は異なります。つまり、「ケ(ヶ)」はカタカナではなく、漢字「个」の変形だったのです!

「箇所」と「個所」の違い

「個所」も「物事全体の中の、ある一つを表す語」ですが、常用漢字表にない言葉です。常用漢字ではないので公用文では使われません。また、「個」という言葉が使われているので、<こしょ>と読んでしまいそうになりますが、読み方は<かしょ>なので間違わないように注意しましょう。

「箇所」の類語や言い換え表現とは?

「箇所」には色々な表し方があることが分かりました。では、類語や言い換え表現には、どのようなものがあるのでしょうか。

1:ポイント

「ポイント」は、物事の要点や地点、点数のことを指す言葉です。「箇所」は、ある場所や特定の部分を示す際に使われる言葉ですが、「ポイント」は、その場所や部分をさらに強調する役割も持っています。

2:部分

「部分」の意味は、「全体をいくつかに分けたものの一つ」です。例えば、「この箇所は老朽化が進んでいます」という一文を、「この部分は老朽化が進んでいます」と言い換えることが出来ます。ある範囲を示すときに言い換えが可能です。

3:個

「個」は、「一つのもの」や「一つの人」という個数を表す助数詞として使われます。しかし、「箇所」と異なり、ある場所や特定の部分を表す意味はありません。例えば、「危険な箇所」を「危険な個」と言い換えることは出来ません。

他のものの数え方を紹介~動物の数え方~

「箇所」は「一箇所」、「二箇所」というように数を数える役割を持っています。そのことと関係して、動物の数え方である「頭」のルーツについて紹介します。日本では、動物を「匹」と「頭」を使って数えることが多いですね。それはどうしてでしょうか?

「頭」と数えるようになったルーツとは?

(c)Shutterstock.com

日本で動物が「頭」と数えられるようになったのは、西洋の動物学などの論文で“head”と書かれた部分が、「頭」と日本語に直訳されたからです。それまで日本では、「匹」が使われていました。

「匹」という漢字は、ふたつのものが対(つい)になっているものを表します。例えば、織物2反で「1匹」と数えたり、「匹敵」といえば、2つのものが互角という意味です。

昔、人間にとって最も身近で生活に欠かせない動物(家畜)は馬でした。馬と触れ合う機会が多く、また馬の尻を見つめる機会も多かったため、馬の尻(しり)が2つに割れていることがイメージとして強く焼きつき、2つに割れた尻の対を持つもの、そして綱(つな)に繋(つな)いで“引く”動物、という意味とも合わせ、馬を「匹」で数えました。

西洋では、放牧に出した牛の数が減っていないかを確かめるために、頭数(あたまかず)を確認することから、牛を“head”で数えていました。それが、やがて大型の家畜の一般的な数え方となったのです。明治末期以降、西洋の動物学などの論文で“head”と書かれた部分が「頭」と日本語に直訳されました。

それを読んだ日本人が、馬や牛のような大型の家畜が「頭」で数えるのなら、当然、他の大型の動物も「頭」で数えるべきだと考えたのです。そこから、「頭」の数え方が定着していったと考えられています。

【こちらの記事もチェック】動物を「1頭、2頭」と数えるようになったルーツを知ってる?

最後に

今回は、「箇所」という言葉の意味と、「ヶ所」・「カ所」・「ヵ所」・「個所」の違いを説明しました。また、「箇所」には個数を表す言葉としての役割もあるため、関連して動物の数え方のルーツも紹介しました。ぜひ、豆知識として頭の片隅に入れておいてください。

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