自動車の数え方「台」にまつわる出来事
友人が車を購入するそう! 車のカタログを見せながら「今、この2台で迷っているんだよね〜」と楽しそうに話していました。色々考えながら、慎重に決めるとのこと。
ところで、自動車を数えるときには「台」を使って、「1台」「2台」と数えますよね。では、今のように自動車を「台」と数えるようになったことに関係している出来事を知っていますか。
【問題】
自動車を「台」と数えるようになったことに関係している出来事はどっち?
1. 明治時代の文学作品に登場した数え方
2. 日本で初めて国産第1号のガソリン乗用車が製作販売されたこと
正解は?
2. 日本で初めて国産第1号のガソリン乗用車が製作販売されたこと
現代の助数詞「台」は車や機械を数えますが、もともとは人や物を載せる台や台座を数えました。据え置く台はもちろんのこと、やがて荷車や牛車、人力車など、車輪のついた台も数えるようになりました。では、なぜ助数詞「台」は機械を数えるようになったのでしょうか。
明治時代の文学作品に登場する助数詞「台」を調べてみると、ほとんど台座や荷車を数えていて、機織(はたお)り機や掛け時計などを数えるのには使われていませんでした。しかし、ある時期を境にして機器を「台」で数える表現が登場します。「旧式な手刷りが1台」「オルガン1台」[田山花袋(かたい)『田舎教師』(1909)]、「卓の上に1台の顕微鏡(けんびきょう)が乗っていた」[夏目漱石(そうせき)『明暗』(1916)]などがその例です。
この裏には、どうやら日本で初めて国産第1号のガソリン乗用車が製作販売されたことが関係しているようです。「自動車は、人や馬が引くのではない、機械で動く車だ!」これは当時の人々にとっては衝撃でした。機械で動く車も「台」で数えるようになり、機械の性質が「台」の意味に強い影響を与えました。このようにして、助数詞「台」の現在の用法が決まったのだと考えられます。
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