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2021.06.05

異常な独占欲や嫉妬心。夫の所有物扱いの妻は実家にも帰らせてもらえず…〈離婚弁護士 後藤千絵発〉

トラブル事例を紹介しながら、「束縛系男子」を見抜くポイントを解説します。年間300件を超える離婚相談を受ける兵庫県西宮市のフェリーチェ法律事務所代表弁護士の後藤千絵さんが指南する恋愛コラムです。

実例で紹介! 束縛系男子を見抜くポイント

(c)Shutterstock.com

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離婚相談者の多くは「こんなはずじゃなかった」「幸せな結婚生活を送るはずだったのに」「できれば結婚前に戻って結婚相手を選び直したい」と涙ながらにおっしゃいます。

離婚自体は、まったく恥ずべきことではないし、人生の汚点でも何でもないと私自身は考えています。それでも目の前で苦悩の表情を浮かべる相談者を見ていると「結婚前に的確なアドバイスや情報があれば、この離婚は避けられたのに」と、もどかしく思います。避けるべきなのは、離婚自体ではなく、離婚に至るまでの長く苦しい不毛な結婚生活なのです。

そこで婚活中の女性が多いOggi.jp読者の皆さんに、弁護士として多くの離婚相談を行なってきた中で発見した「結婚してはいけない人」の傾向を見抜く、いわば「秘訣」をお伝えしていきたいと思います。

いま交際しているお相手にちょっと不信感を抱いている方、この人でいいの? と思っている方、いつか結婚したいけどパートナー選びに必要な知識を得たいと思っている方にぜひ読んでいただければと思います。

前回の記事では「束縛系男子」の特徴についてご紹介いたしました。今回は「束縛系男子」のトラブル事例を紹介しながら、見抜くポイントを解説していきます。

「束縛系男子」のトラブル事例 〜しのぶさん(仮名・42歳)の場合〜

(c)Shutterstock.com

しのぶさん(仮名・42歳)と夫の篤人さん(仮名・43歳)は、結婚18年目。ひとり娘(16歳)がいます。しのぶさんと篤人さんは高校時代からの付き合いで、しのぶさんは篤人さん以外の男性と付き合ったことがありません。

高校を卒業してすぐに結婚の話が出たというのもありますが、篤人さんが付き合い始めの頃から、筋金入りの束縛男だったためです。

「とにかく、夫には高校時代からすでに異常な嫉妬心がありました。彼から初めて告白されてお付き合いしたのですが、その頃、彼はサッカー部に入っていて、結構目立つ存在でした。私の高校は田舎だったので、高校生でも彼氏がいる子は珍しく、皆に冷やかされたのを覚えています。

交際を始めてからは、毎日、彼が校門のところで待っていて、一緒に帰っていました。そのうち、私が入部していた吹奏楽部の練習場所の近くで待つようになりました。『しのぶちゃんを他の男に取られないか心配だから』と言って私を見つめてくる彼を見て、『愛されているんだ、私』と思って、そのときは本当に嬉しかったのです」

彼に愛されていると思い、幸せの絶頂にいた高校生のしのぶさん。ただ、いまから思えば、気になるところがあったと言います。

同性の友達が少ないのか、彼はいつも私と一緒に行動

「休日に女の子の友だちと遊ぶときでも、必ず報告の電話をしないといけませんでした。ちょっと面倒だな、と思いましたが、そのときはそんなに嫌だとは思いませんでした。

後は、彼がいつも私と一緒にいたこと。同性の友だちは少ないように思いました。彼はサッカー部のエースだったのですが、才能があるがゆえにすごく自分勝手なプレーをする人で、自分のプレーについて来られないチームメイトに苛ついて怒鳴りつけることも多く、周囲から腫物扱いされているようでした」

高校時代は、彼の束縛もたいして気にならなかったというしのぶさん。ただ、結婚してからは、徐々にひどくなる夫の束縛に対して次第に疑問を持つようになったと言います。

実家にすら帰らせてくれない

「最初におかしいなと思ったのは、結婚して3年ほど経ってからです。長女を身ごもってすぐに悪阻がひどくなり、体調も悪かったので実家に帰りたいと言ったのですが、『しのぶがいないと俺が困る』などと言って、帰らせてくれないのです。結局、家の近くの病院でひとりで出産することになりました。夫と別居するまで、一度も実家には帰らせてもらっていません。

学生時代からの女友だちとちょっと会うときも、何度も電話やメールが入ります。『もう結婚しているのだからそんなに心配する必要ないのに』と言いましたが、夫は『浮気しないか心配だから』と言うのです。だんだん、友だちとお茶するのも面倒になり、そのうち疎遠になってしまいました。

アイドルにまで嫉妬

夫はたまに趣味でサッカーのリーグ戦を観に行くことがあり、私も一緒に行っていました。ただ、夫が行けないときは、いくらチケットを取っていても私と娘だけで行くことは許されませんでした。

娘が小学生になって、ある男性アイドルグループに夢中になり、一緒にコンサートに行きたいと娘がねだったときも承知しませんでした。その理由が、私がそのアイドルと会ってほしくないから。そう言われたときは、正直ゾッとしました。

夫の異常な独占欲や嫉妬心にはさすがに気づいていましたが、アイドルにも嫉妬するなんて…。しかも娘が夢中になっているアイドルです。嫉妬するにしてもほどがあります。

離婚を決意した瞬間は…

(c)Shutterstock.com

離婚を決意したのは、長年会っていなかった実家の父親が倒れたと連絡が入ったときです。夫はそんな緊急事態でさえ、実家に帰るのを許さなかったのです。『この人は異常だ。私を愛しているのではなく、自分の独占欲を満たしたいだけなんだ…』

私は、実家から二度と家には戻らないと夫に連絡しました。夫は実家に押しかけてきましたが、兄夫婦が心配してくれて、警察を呼んでくれるなど迅速に対応してくれ、夫から守ってくれました」

その後、しのぶさんは離婚調停を申立てましたが、調停不成立となりました。夫が断固として離婚に合意しないため、いまだ結論は出ていません。いつになるのか、何年かかるのか… しのぶさんは不安しかないと言います。

しのぶさんは、現在、次のように話しています。

「付き合い始めの頃に『しのぶちゃんは可愛いから、他の男に取られないか心配で夜も眠れない』などと言われて、愛されていると勘違いしていた私を殴ってやりたいです。彼の嫉妬心は、私への愛情ではなく、自分の所有物を取られたくないという自己愛から来ていました。

私は18年間もろくに家から出ずに、友だちをつくることも、実家に帰ることも許されず、それが当たり前だと思いながら、家事と育児だけをやって過ごしてきました。失った時間はもう戻りません。ただ、彼と別居したいま、毎日が新鮮で、生まれ変わったような気分です。

束縛系男子の特徴は…

(c)Shutterstock.com

・過去に彼女に浮気されたり、ひどい言葉でフラれたりして、自分に自信がない
・嫉妬深く、独占欲が強い
・粘着質である
・精神的に幼くて未熟である
・同性の友人が少ない
・わがままで自己中心的である

付き合い始めは特に、束縛を愛情と勘違いすることもあるかもしれません。

しかし、過度な束縛、独占欲は支配にもつながります。少しでもこうした兆候がある場合は、気を付けたほうがいいかもしれません。

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TOP画像/(c)Shutterstock.com

フェリーチェ法律事務所代表 後藤千絵弁護士

京都府出身。大阪大学文学部卒業後、大手損害保険会社に入社するも、5年で退職。大手予備校での講師職を経て、30歳を過ぎてから法律の道に進むことを決意。派遣社員やアルバイトなどさまざまな職業に就きながら勉強を続け、2008年に弁護士になる。2017年にスタッフ全員が女性であるフェリーチェ法律事務所設立。

離婚・DV・慰謝料・財産分与・親権・養育費・面会交流・相続問題など、家族の事案をもっとも得意とする。中でも離婚案件は女性を中心に、年間約300件以上、のべ3000人以上の相談に乗っている。神戸在住。

フェリーチェ法律事務所


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