男はみんなマザコン!? でも度を越したマザコン男には要注意!
離婚相談者の多くは「こんなはずじゃなかった」「幸せな結婚生活を送るはずだったのに」「できれば結婚前に戻って結婚相手を選び直したい」と涙ながらにおっしゃいます。
離婚自体は、まったく恥ずべきことではないし、人生の汚点でも何でもないと私自身は考えています。それでも目の前で苦悩の表情を浮かべる相談者を見ていると「結婚前に的確なアドバイスや情報があれば、この離婚は避けられたのに」と、もどかしく思います。避けるべきなのは、離婚自体ではなく、離婚に至るまでの長く苦しい不毛な結婚生活なのです。
そこで婚活中の女性が多いOggi.jp読者の皆さんに、弁護士として多くの離婚相談を行なってきた中で発見した「結婚してはいけない人」の傾向を見抜く、いわば「秘訣」をお伝えしていきたいと思います。
いま交際しているお相手にちょっと不信感を抱いている方、この人でいいの? と思っている方、いつか結婚したいけどパートナー選びに必要な知識を得たいと思っている方にぜひ読んでいただければと思います。
夫側の離婚原因の上位に「家族・親族問題」
今回は「マザコン男性」です。え? 男の人ってみんな多かれ少なかれマザコンなんじゃないの? と思う方もいらっしゃるでしょう。ドラマや小説に描かれるように、男性はみんなお母さんが大好きです。けれど、結婚してからも「なにかと母親の顔色をうかがう」「母親の勧める食べ物や健康法を強要する」という度を越したマザコン男性はどうでしょうか。
やや時代錯誤かもしれませんが、結婚は家同士の結びつきと言われます。現実問題として、結婚すると否が応でも相手の両親をはじめとする親族との付き合いが始まります。
家族・親族問題は結婚生活においては重要で、対応を誤ると、こじれにこじれて最悪の場合は離婚ということにもなりかねません。家族・親族問題は夫側の離婚原因の上位に位置している、重要な問題なのです。妻側よりも夫側が上位なのは、嫁いだ先の嫁姑問題がいまでも深刻な問題であることを示しています。
家族・親族問題というと、嫁姑のいざこざや親族とのトラブルが真っ先に思い浮かぶ人もいるでしょう。しかしながら一番の問題は、義父母や義兄弟よりも、何よりもまず「配偶者である夫」です。夫が実家にべったりで親離れできず、結婚生活をないがしろにするケースが最近目立って増えてきました。
その顕著な例が、夫の「マザコン」(マザーコンプレックス)と言われるものです。
実家や母親を大切にするのは、非難されることではありません。ですが、母親の意見ばかりを無条件に聞き入れて、妻の意見に聞く耳を持たなかったり、実家に入りびたりになることは、夫婦間に亀裂を生じさせる深刻な問題です。
「マザコン男性」チェック
では、さっそく「マザコン男性」チェックを見ていきましょう。
・レストランでのメニュー選びなど、些細なことでも自分で決められない
・彼女との休日の過ごし方を母親に相談している
・彼女の誕生日プレゼントを母親に相談し、母親が買っている
・デートのとき、帰宅時間を母親に報告している
・彼女よりも母親と密に連絡を取っている
・洋服はおろか、財布や名刺入れに至るまで母親と相談して決めている
・仕事で失敗したり、上司に怒られたときは、母親に泣き言を言っている
・母親はこう言ったなどという話が多く、逆に父親は一切話に出てこない
・母親は昔美人で有名だった、などという自慢話を臆面もなく口にする
いかがでしょう、当てはまる項目はあったでしょうか?
結婚式は依存度をチェックできる最大の機会
マザコン男性は、性格的には優しいタイプが多いため、家族を大切にする可能性がある半面、いつまでも親離れができず、妻をないがしろにする可能性も秘めています。
小さい頃から母親の決めたことに素直に従い、自分で意思決定することを怠ってきたために何ひとつ自分で決められません。誰かのお墨付き(ここでは母親)がないと、不安になるのです。一番の問題点は、本人の決断力の欠如にあります。決断力のない優柔不断な男性と結婚すると、妻は本当に苦労します。
また、お友達とのトラブルや、学校や塾などで何か問題が起きたときにも、常に母親が介入して解決してきた場合、マザコン男性にとっては、母親の意見だけが正しく、解決策となるため、母親からアドバイスを受けると、疑いもせずそのままに実行するクセがついてしまいます。
結婚したからといって、それが妻に簡単に変わることはありませんし、自分自身でトラブルや問題を解決しようという強い気持ちを持つこともありません。常日頃からパートナーが母親にいちいち相談していないか注意しましょう。
特に結婚式という一大イベントでは、夫婦でさまざまなことを決めないといけませんから、母親に対する依存度をチェックできる最大の機会かもしれません。そこで気づいて結婚を考え直すのは決して遅すぎることではありません。結婚式のこまごましたことをいちいち母親に相談しないと決められないマザコン男性は、結婚して子供が生まれると、子供の教育についても母親に相談するようになるのです。
マザコン男性は、母親への意見は、すべて悪口と受け止めます。母親を絶対視していて、すべての基準が母親であり、母親ファーストです。結婚前から母親に対する言動にはくれぐれも注意しましょう。
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フェリーチェ法律事務所代表 後藤千絵弁護士
京都府出身。大阪大学文学部卒業後、大手損害保険会社に入社するも、5年で退職。大手予備校での講師職を経て、30歳を過ぎてから法律の道に進むことを決意。派遣社員やアルバイトなどさまざまな職業に就きながら勉強を続け、2008年に弁護士になる。2017年にスタッフ全員が女性であるフェリーチェ法律事務所設立。
離婚・DV・慰謝料・財産分与・親権・養育費・面会交流・相続問題など、家族の事案をもっとも得意とする。中でも離婚案件は女性を中心に、年間約300件以上、のべ3000人以上の相談に乗っている。神戸在住。