【目次】
・「労う」の意味や読み方とは?
・使い方を例文でチェック
・類語や言い換え表現にはどのようなものがある?
・英語表現とは?
・最後に
「労う」の意味や読み方とは?
皆さんは、「労う」という言葉をご存じでしょうか? 誰かが何かを成し遂げた時などその頑張りに対し、労いの言葉をかけたことはありませんか? 「労う」は、日常生活だけでなくビジネスシーンでも使われる言葉です。本記事では、「労う」という言葉の正しい意味、その使い方、また「労う」際のフレーズなどをご紹介していきます。
どんな場面で使えるの? 目上の人に対して使っていいの? といった疑問点も解消していきますよ! ぜひ参考になさってくださいね。
意味と読み方
「労う」は、<ねぎらう>と読みます。初めて見た時に、読み方がわからない人が比較的多い漢字ですので、覚えておきましょう。「労」は、「骨を折って働く」「心身をつかって働く」といった意味を持つ漢字です。「労う」とは、「努力や骨折りに対して感謝する気持ちを何かしらの手段を用いて表現する」という動詞になります。名詞形の「労い」は、「相手の労苦に対し感謝すること」。「労いの言葉」などと活用します。
ここでいう“努力や骨折り”は、対象の相手が、時間もしくは肉体的・金銭的な何かを犠牲にして奮闘した時です。ちょっとの努力や工夫に対し、「労う」を使うと少し大袈裟な印象がありますので、注意しましょう。
ビジネスシーンで使う時の注意点
では、ビジネスシーンではどのように使えるのでしょうか。相手の苦労に対して感謝する場面は、ビジネスにおいては多々あるので、色んな相手に使える言葉のように考える方も多いと思います。実は、「労う」という行為は、目下の人から目上の相手に対しては使わないという注意点があるんです。これは、「ご苦労様」という言葉と同様ですね。
例えば、上司が部下の頑張りに対し、「会社のために奮闘してくれてありがとう」と労いの言葉をかけることは一般的ですが、逆に部下が上司に対してこのようなフレーズを使うと失礼にあたりますよね。上司に対し労いの気持ちを表したい時は、「いつもありがとうございます」や「大変勉強になります」といったフレーズを使うと良いでしょう。
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使い方を例文でチェック
では、早速、「労う」や「労い」を使った場面を紹介します。「労を労う」や「労いの言葉」などと使われることが多いです。基本的には、目上の人から目下の相手、もしくは同僚や自分に対しても使うことができますので、イメージしてみてくださいね。
<例文>
・1年間、部門の業績のために一生懸命取り組んでくれた皆さんには本当に感謝している。皆さんの労を労うために、業績表彰会を開こう。
・今期の業績トップをおさめた同僚を労って、今夜は盛大に同期会だ! 本当におめでとう!
・一緒にプロジェクトを支えてくれた上司から、「君がいなかったら成功できなかった、よく頑張ったね」と労いの言葉をいただいた。本当に感無量だ。
・今日は遅くまで頑張った自分を労って、高いワインを買って帰ろう。自分にご褒美だ!
「労う」と「労わる」の違いって?
「労う」と似たような動詞で、「労わる」という言葉があります。「労わる」とは、「労う」と同様に「相手の労苦に対し感謝の意を表現する」という意味を持ちますが、「弱い立場の人や病人を大切にする」という意味もあります。「部下を労わる」、「老人を労わる」といったように、どちらも通じますので覚えておくとよいでしょう。
類語や言い換え表現にはどのようなものがある?
「労う」を別の言い方で表現する時には、次のような言葉が挙げられます。
1:「感謝する」
「感謝する」は目上・目下問わず、誰に対しても幅広く使える言葉になります。相手によって、使えるかどうか判断に迷ったときはこの言葉を使いましょう。
・最後までサポートしてくれた上司に感謝の気持ちを伝える。
・日頃頑張ってくれている従業員に、感謝の言葉をかける。
2:「慰労する」
「慰労する」とは、「苦労を慰めること」という意味。苦労し奮闘してきた相手に感謝の気持ちを表すだけでなく、病人に対して慰め労わることも含みます。
・もうすぐ期末を迎えるので、部署のみんなで慰労会を開こう。
・プロジェクトの成功のために奮闘してくれたチームメンバーを慰労する。
英語表現とは?
「労う」を英語で表現したい場合は、感謝の意を持つ「thank」や「appreciate」などが使えます。あるいは、「〜に報いる」という意味の「reward」などでも表現することが可能です。
・We had a dinner to thank him for his great work.(彼のこれまでの功績を労い、慰労会を開いた)
・The manager rewarded his project members for their efforts.(マネージャーは、彼のプロジェクトチームのメンバーたちの努力を労った)
最後に
「労う」の解説はいかがでしたでしょうか? 読み方から基本的な使い方、また注意点や「労わる」との違いについても、理解できましたでしょうか? ビジネスシーンでは、目上の相手に使うと、マナーを知らない社会人という風に捉えられてしまう可能性がありますので、特に注意しましょう。上司との関係上、そう言い合える間柄であれば相手も笑ってくれるかもしれませんが! ぜひ、この記事をきっかけとして今後活用してみてくださいね。
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