これでおよばれも大丈夫! 意外と知らないカトラリーのマナー
ちょっとお洒落なレストランや披露宴でのシーンなどで意外と気になるカトラリーの正しい使い方。実はカトラリーには国際的なマナーがあり、サービススタッフはカトラリーの置き方を見てサービスをすると言っても過言ではありません。
今回はテーブルマナーの中でもカトラリーにスポットライトをあてて、正しいマナーを身につけましょう。
食事中に小休止するときのナイフとフォークの位置
実はカトラリーのマナーにイギリス式、フランス式、更にはアメリカ式があるのはご存じでしょうか? ここからは写真と共にわかりやすく解説します。
◆イギリス式
▲こちらはイギリス式の食事中を示すナイフとフォーク位置です。ナイフの上にフォークをこのように被せます。
◆フランス式
▲こちらはフランス式の食事中を示すカトラリーの位置です。いわゆるハの字の置き方です。
日本ではこの置き方が洋食を食べる時のマナーとして広く知られていますね。
◆アメリカ式
▲こちらはアメリカ式の食事中を示すカトラリーの位置です。
フランス式と同じハの字ですが、フォークの持ち手がテーブルに置いてあるという違いがあります。
いかがでしょうか? カトラリーの食事中のサインにイギリス式、フランス式、アメリカ式がある事を知らなかった、などという方も実は多かったのでは?
わたしもこれを知った時は驚いたものです。
食事を終えたときのナイフとフォークの位置
続いて食事を終えた時のカトラリーの位置です。こちらにもイギリス式、フランス式、アメリカ式があります。
◆イギリス式
こちらはイギリス式。このように縦にナイフとフォークを平行に置きます。
◆フランス式
こちらはフランス式。プレートを時計に見立て4時頃の方向に置きます。
◆アメリカ式
そして、こちらはアメリカ式。先ほどのようにプレートを時計に見立てると3時の方向ですね。
このように食事を終えたカトラリーの置き方もイギリス式、フランス式、アメリカ式とあります。
日本人はどの国のマナーに従ったら良い?
さて、ここで大きな問題に直面すると思います。我々日本人は一体どの国のマナーに従ったらよいか? という問題です。
日本には様々な国の美味しい文化が入ってきており、一重に西洋料理と言っても実に様々です。
しかしながらこのカトラリーの“食べている途中です”という置き方と食べ終わった時のカトラリーの置き方に関しては、フランス式がマナーとして広く広まっています。イギリス式、フランス式、アメリカ式を理解した上で、通常のカトラリーの食べている途中と食べ終わった時などはフランス式を覚えておくとスマートかと思います。
最後に豆知識をひとつ。
現代のテーブルセッティング状態でのカトラリーの置き方としては、実は世界的にイギリス式が採用されています。
このようにカトラリーが表を向いている状態ですね。こちらのフォークやスプーンを伏せるとフランス式のセッティングになります。
現代ではフランス料理店でもイギリス式のセッティングのお店がほとんどかと思いますが、フランスの伝統的なお店に行ってみるとフランス式のセッティングの場合もありますので、参考情報として頭の片隅に置いていただければと思います。
TWSA代表理事 二本柳志津香
社団法人テーブルウェアスタイリスト連合会(略称:TWSA)代表理事。
日本初の食器資格の創設者として、新聞・メディアへの登場多数。
大手企業をはじめとする広告・CM・書籍・雑誌・カタログなどの撮影を手がけるスタイリスト。国家資格商品装飾展示技能士(VMD)でもあり、ホテル・飲食店舗など様々な業種の店舗ディスプレイなどもデザインしている。