【国際結婚を叶えたアラサー女子 番外編】「ママ大好き♡」は悪いこと? 付き合う前に知っておきたいアメリカの文化
こんにちは! ハワイ在住のアラサーライター、エリです。
日本人女性に何かと敬遠されがちな“マザコン男”。マザコンの定義は人それぞれ微妙に異なると思いますが、成人男性が人前で「ママ大好き」と公言したり、母親と頻繁に長電話したりしようものなら、確実にマザコン認定されてしまいますよね。
しかし、これはアメリカ人男性にとってはよくある行動。そのことを知らなかった私は、初めてアメリカ人の彼氏ができた時も今の旦那と結婚した後も、「アメリカ人男性 マザコン」と何度もググった記憶が…(笑)。
レディーファーストが浸透しているアメリカの文化では、尊い母親を大切にするのは当たり前。それを批判しようものなら、「君は何おかしな事を言っているの?」と逆に驚かれます(←経験あり)。
そんなアメリカにも日本の“マザコン男”と同じような言葉があり、「Mama’s Boy」や「Mummy’s Boy」と言ってネガティブな意味で使われています。ただし、この言葉は、母親がいないと何も出来ないような“母親に依存している男性”のことを指し、“母親が大好きな男性”や“母親と仲良い男性”は対象外。そしてこの違いを心得ていないと、「もしかしてこの人、超マザコン?!」と戸惑いが生じてしまう可能性も。
そこで今回は、国際恋愛・結婚をする上で避けては通れないアメリカ人男性と母親の濃密な関係について、友人たちの実例を交えながらお届けしたいと思います。
以下登場する旦那さま達は、Mama’s Boyではなくごく一般的なアメリカ人男性だと思ってくださいね(笑)。
母親との長電話はもはや文化?
「私は、お喋り大好きの義母から毎週末かかってくる電話にいっぱいいっぱいでした。基本的に義母が一方的に喋っているのですが、旦那も途中で遮らないため毎回の通話は3時間ほど。さらに何でもズバズバ質問してくるのですが、旦那は全ての質問一つ一つに丁寧に回答しています。
母親から何か聞かれても『うるさいな〜ほっといてよ!』と一蹴する実弟を見てきたので、反抗的な態度を全く取らない旦那に結婚当初は驚きました」(31歳女性/ハワイ在住)
「別の州に住んでいる義母と旦那は、毎日長電話するのが当たり前。結婚してもうすぐ3年になりますが、毎日欠かさず2時間は喋っています。話の内容は、職場での出来事から日常のどうでもよい話。
私は日本に住む両親と週一くらいのペースで30分程度話すのですが、旦那に『随分あっさりした関係だね』と驚かれました」(35歳女性/LA在住)
圧倒的に多かったのが「旦那とお義母さんの長電話」。私も初めてアメリカ人男性とつきあった時、デート中にいきなり彼が母親と長電話し始めてびっくりした経験があります。お喋り好きのアメリカ人にとって、家族との長電話はもはや文化の一部なのかもしれません。
母子間にプライバシーという概念は無い?
「母親になんでも話す旦那。交際当初、初対面の義母が私の好きなことや仕事のこと、私の家族のことまで何でも知っていて驚きました。結婚した今も、旦那は転職や車の購入、体調が悪い時など、何かにつけてお義母さんに相談。ちなみに彼の兄弟3人全員同じ感じです」(34歳女性/シアトル在住)
例外に漏れず、私の旦那も旦那の兄弟も義父母に何でも話します。「この家族はプライバシーという概念がないのか?!」と初めは違和感を感じましたが、オープンな国民性のアメリカ人にとっては当たり前のよう。夫婦間でも、仕事、家族、友達のことなど何でもフランクに話します。よく考えれば、家族間で色々と隠しごとをするよりも、ざっくばらんに何でも話せる関係の方が健全かも?
お母さんを大切にするのは当たり前
「車で40分くらいの距離に住んでいる義母。旦那は、パソコンのセッティングや家のことなど、義母に何か困ったことがあると必ずヘルプしに行きます。また実家の近くに行く度に、『ご飯食べた? 何か買って行こうか?』と電話。一緒にご飯を食べに行く時も、義母には絶対お金を出させません」(33歳/ハワイ在住)
私の旦那も、実家の巨大クリスマスツリーの飾り付け、家の木のライトアップ、プールの補修など、まるで業者のように呼ばれています(笑)。本人は「面倒くさい」という感覚が全くないようで、いつも快くお手伝い。
また、義理の甥(思春期)は、「僕はママの誕生日や母の日にBreakfast in Bed(ベッドで食べる朝食)を準備してベッドまで持っていってあげるんだ〜」と言っていました(なんてスイート♡)。
何歳になってもお母さんを大切にする息子達。アメリカには、日本人のような反抗期がないと聞いたこともあります。
母子同士のオープンな愛情表現
「交際後すぐに同棲した私達。電話越しで『Love you, Mom』を連発する旦那に対して、『私には全く言ってくれないのに、母親には何故頻繁に言うの?!』と不安になったことも。結婚した今、旦那はもちろん、義母まで私に『Love you』と頻繁に言ってくれるので、家族間での挨拶みたいなものなのかな〜と思っています」(29歳/東京在住)
「I love you, Mom(お母さん、大好き)」。これはアメリカ人男性が何歳になっても口にする言葉。ちなみにアメリカ人は誰にでも挨拶代わりのように「I love you」と言うイメージがあるかもしれませんが、実は男女間においては重たい言葉。正式な恋人同士になってもすぐには言われないものなのです。そしてこれを言われたら、あなたのことを本気で大切に思っている証だそう!
あなたが言われる前に、彼が母親にアイラブユーを連発しているのを隣で聞くことになると思いますが、あなたにも近い将来言われる言葉だと信じて気にしないようにしましょう(笑)。
よき夫になるアメリカ人男性の見極め方は…
「母親と仲が良いだけなのか、Mama’s Boyなのかどうやって見分ければよいの?」と思う方もいるかもしれないので、アメリカ人の友人から聞いた見極めポイントを紹介します。
◆自分で家事ができるか?
早くから子供に自立を促すアメリカでは、幼い頃から子供達に手伝いをさせる家庭が多い。「母親がいないと何もできない」という男性は要注意。
◆自分で判断できるか?
母親に相談する男性が多いとはいえ、自立した男性は自分の意見をしっかり持っているもの。自分で判断せずに、母親の意見に服従するような人は要注意。
◆母親に敵対視されないか?
健全な親子であれば、彼の母親に敵対視されることは殆どない。むしろ、本当の娘のように可愛がってくれる可能性が高いので、もしも敵対視されたら要注意。
これは日本人男性にも言えることかもしれませんね。「私の彼はマザコン?」と悩んでいる方がいたら、「母親に依存しているだけか?」それとも「母親思いの男性か?」と一度大きな視点で見つめ直してみてはいかがでしょう。
育った環境やお国柄が違えば家族観も違うもの(イタリアやインドは群を抜くマザコン大国と聞いたことも)。
「女性をリスペクト=母親をリスペクト」という考えが浸透しているアメリカでは、母親を尊敬している男性ほど奥さんのことも大切にしているように感じます。またそんな旦那さんの背中を見て育つ子供達は、大人になっても母親のあなたを尊重し大切にしてくれるはず。
どんな結婚も相手を受け入れる柔軟性が必要ですが、国際恋愛・結婚にはさらに異文化理解が大切。受け入れることの大切さ、私も日々学んでおります!
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アラサーライター エリ
ハワイ、ホノルル在住。現地マーケティング会社にてホテルや大手ショッピングモールなどのPRに従事した後、独立。現在はフリーランスとしてPRや翻訳業務に携わる。趣味はヨガとカイルアビーチでカヤック。