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2021.02.04

社会人なら間違えずに使いたい!「不世出(ふせいしゅつ)」の意味や語源・使い方から例文・類語を解説

「不世出」という言葉の意味をご存知ですか? 「不世出の才能の持ち主」といった使い方をしますが、実は間違った使い方をされがちです。本記事では、そんな「不世出」の正しい意味や語源、その使い方について解説していきます。

【目次】
「不世出(ふせいしゅつ)」の意味や語源とは?
「不世出」の使い方を例文でチェック
「不世出」の類語や言い換え表現にはどのようなものがある?
最後に

「不世出(ふせいしゅつ)」の意味や語源とは?

(c)Shutterstock.com

皆さんは「不世出」という言葉を聞いたことがありますか? 「不世出の才能の持ち主」といった使い方をするこの言葉ですが、実は間違った使い方をされがちです。うっかり間違った使い方をすると、大恥をかいてしまうことも…。

今回は、そんな「不世出」の正しい意味や語源、使い方についてご紹介をしたいと思います。

◆「不世出」の意味

「不世出」の意味は、「極めて優れていること」です。「不世出」は、「10年に1人」や「普通より優れている」というほどではなく、「1000年に1人」「空前絶後」といった、「滅多に世に出てこないくらいに優れた人」のことを指しています。「不世出」は、才能や能力がある人を評価するときに使う言葉です。特に、芸術分野でよく使われていますよ。

また、「不世出」はよく、辞書には載っていない使われ方をすることがあります。それが、「世間から全く評価されたり、認められたりしなかった天才」です。例えば、今は画家として有名なゴッホですが、生前に売れた絵はたったの一枚でした。ゴッホは、優れた才能を持っていたものの、生前は評価されず、死後に評価をされた天才です。

ただし、前出の通り、この「不世出」の意味は、実際には辞書に載っていないものです。正しい「不世出」の使い方という点では誤りのため、こちらの意味で覚えないように注意をしましょう。

◆「不世出」の語源・由来

「不世出」は語源となった故事などはなく、「不世出」という漢字に使うそれぞれの意味から生まれました。まず、「不世出」の「世」で「世の中」「世間」を、「出」は「現れる」ことを表します。このふたつが組み合わさることで、「世の中に出回る」「世に現れる」という「世出」という言葉ができました。

そこに後に続く言葉を否定したり、打ち消したりする意味を持つ「不」が組み合わさることでできたのが、「不世出」。「世に出回らないほど貴重」「滅多に現れないほど優れた何か」という意味を持つ言葉が出来上がりました。

「不世出」の使い方を例文でチェック

(c)Shutterstock.com

「不世出」の意味と由来についてのご紹介でした。続けて、「不世出」の使い方についてご紹介です。使い方を知っていることで、実際に使いたいと思ったときに、誤った使い方をせずに済みますよ。

1:「見た目はぱっとしない彼だが、陶芸の世界では不世出の天才と呼ばれているそうだ」

「不世出」は、「滅多に世の中に出てこないほど、とびぬけた才能を持っている人」のことを指します。そのため、自分以外の人物の才能に対して評価をするときに使われることがほとんどです。

2:「娘は幼い頃からピアノが好きだったが、まさか世界的なピアニストにまで登り詰めるとは思わなかった。不世出ともいえる才能があったんだなぁ」

世の中には、多くの人がうらやむほどの才能に恵まれた人が大勢います。ただし、「不世出」は「歴史上でもめったに見ることができないほどの逸材」と言い換えることができるほどの才能を表現した言葉です。そのため、このように「不世出」を多用してしまうと、言葉の効力が失われることもあります。使い時には注意をするようにしましょう。

3:「君のダンスのひどさはある意味、不世出のものだと思うよ」

「不世出」は、「他に類を見ないほど」といった意味があることから、会話上では皮肉として使われることもまれにあります。ただし、本来はネガティブな意味で突出している際は「不世出」という言葉は使いません。

「不世出」の類語や言い換え表現にはどのようなものがある?

(c)Shutterstock.com

「不世出」の使い方についてのご紹介でした。「不世出」は、その言葉の効力から、あまり普段使いすることのできない言葉です。続けて、「不世出」を使いたいときに代わりとして使える、類語や言い換え表現についてご紹介をしたいと思います。

1:希代(きたい)

「希代」は、「世にもまれ」「極めてまれ」という意味を持つ言葉です。主に文章中で使われる言葉なので、会話の中で使われることはありません。元々は「稀代」という漢字が使われていましたが、「稀」という漢字が常用漢字ではないため、「希」という言葉で代用をされることが多いです。

2:超凡(ちょうぼん)

「超凡」は、「ちょうぼん」と読みます。超凡の意味は、「普通の人や凡人よりはるかに優れていること」。漢字の通り、凡人を超えた才能や実力を表すときに使われる表現です。

3:絶世(ぜっせい)

「絶世」は、「この世に並ぶものがないほど優れていること」を指します。「絶世の美女」という表現でよく使われていますよね。また、絶世には「子孫が絶える」「世を捨てる」という意味もあります。前後の文章からどの意味で使われているのか、判断をすることが大事です。

最後に

(c)Shutterstock.com

「不世出」についてのご紹介でした。いかがだったでしょうか? 「不世出」は、「滅多に世の中に出てこないくらいに優れた人や才能」という意味を持つ言葉です。

普段はあまり使うことはありませんが、最上級の誉め言葉として使われる場合があります。「不世出」は多用すると効力を失ってしまう言葉のため、意味と使い方をしっかり理解して、ここぞというタイミングで使えるようにしましょう。

TOP画像/(c)Shutterstock.com

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