「潤いのある肌」は美肌の一歩!
先日、内科専門医の更新のため、必要な単位を取る講習会に参加した際に、「内科医として知っておくべき皮膚科的知識」の講義がありました。すごく勉強になり、なるほどと思ったので皆さんに紹介しようとおもいます。とはいってもこんな事は、もしかしたら皆さんにはもう当たり前の知識かもしれませんが…。
皮膚にとって大切なこと
まず、皮膚にとって最も大切なことは、「潤いのある肌」を保つこと。皮膚科的にはすごく大切だそうです。潤いのある皮膚の反対は乾燥肌で、乾燥肌を防ぐことが皮膚にとっての全ての基本のようです。例えば、本当に酷い皮膚疾患でも、鼻の皮膚にまでその病気が及ぶことはほとんど無いようです。その理由は、鼻は「潤いのある肌」の代表的な場所だからそう。
では、なぜ、鼻の皮膚は潤いがあるか?それには皆さんのよくご存じの理由があります。顔のTゾーンといわれる場所の特徴として、脂ぎっている場所なのです。この「脂」が皮膚の潤いには極めて重要なのです。
皮膚が潤う理由には、専門的には以下の3つが必要とのこと。
1. 角質細胞間脂質
2. 皮脂
3. 天然保湿因子(低分子アミノ酸や塩類)
潤いのある肌のためには「脂」による保湿は大切なんですね。
美しい肌を保つための3つのメソッド
では、「美しい肌」を保つために、具体的に、何をするのか少し紹介しましょう。皮膚科学的には、まず「ひっかきを防ぐ」ことだそう。
ひっかきとは、要は「痒いから掻く」ことから始まるので、痒くならないための秘訣は、乾燥を防ぐことと皮膚の刺激を回避することで随分と防止できるのだとか。
1. ひっかきを防ぐ
2. 保湿のスキンケア
3. 清潔のスキンケア
この3つが美しい肌の秘訣だそう。痒いか痒くないかが大変重要なポイントになるようです。また注意しなければならないのは、「保湿のスキンケア」と「清潔のスキンケア」は時にお互い相容れない行為になることがあります。清潔すぎると脂が抜けるということ。
少し前に話題になった「ヒルロイド」というお薬は、潤いのある肌を保つ薬としてはかなりの優れものらしく、一時期、美容目的の処方を嫌う国は保険適応から外そうとしたそうですが、「多くの皮膚疾患の予防(そして美容にも)に優れた薬だ」という皮膚科の偉い先生方の強い意見によって今も無事に処方してもらえるようですよ。
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国立がん研究センター研究所 がん幹細胞研究分野分野長 増富健吉
1995年 金沢大学医学部卒業、2000年 医学博士。
2001年-2007年 ハーバード大学医学部Dana-Farber癌研究所。2007年より現職。
専門は、分子腫瘍学、RNA生物学および内科学。がん細胞の増殖と、コロナウイルスを含むRNAウイルスの増殖に共通の仕組みがあることを突き止めており、双方に効く治療薬の開発が可能かもしれないと考えている。
専門分野:分子腫瘍学、RNAウイルス学、RNAの生化学、内科学。
趣味:筋トレ