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WORK

2021.01.06

後輩に仕事のノウハウを教えたくない…「与えられる人間」になるには?

テレビやラジオなどで活躍する精神科医の名越康文さんが、Oggi読者の悩みに答えてくれる本誌の人気連載。今回は、「与えられる人」になるための極意ついてお届けします。

「与えられる人」になるには、ソロタイムでの学び=インプットが鍵に!

わからないことがあれば、ちゃんと人に聞ける後輩はとても優秀です。ところが、自分としては、試行錯誤しながら培ってきたノウハウを、簡単に後輩に教えるのが正直、面白くない。

「私が苦労して覚えたものを簡単に手に入れるなんてずるい」と思ってしまうのです。苦労して身に付けたものほど人に与えることができず、「同じように苦労して覚えるべき」と思ってしまう、いじわるな自分がいて…。

会社全体の利益を考えれば、教えたほうがいいに決まっているのですが、快く与えることができない自分にモヤモヤしてしまいます。

名越さんが回答!

(c)Shutterstock.com

「与えられる人間」になるにはどうしたらいいかって、とても壮大な話のように聞こえますね。しかし、実際に与えるものは大きくなくていいのです。むしろ大きすぎては、お互いに負担になったりしますから。

与えるものというのは、与えたほうがすぐに忘れてしまうくらいのささやかなものがいいです。笑顔で応える、ティッシュをあげる、席を譲る、そしてそれをすぐ忘れる。

小さなことを日常的に続けていたら、ちょっと大きなものを与えたとしても、それも日常のひとつと思えるようになり、与えることをあまり特別なことと思わないようになっていくでしょう。

もうひとつ、もっと根本的な解決策があります。「自分がもっと学んでいく」ことです。さらにレベルの高いことに挑んでいれば、今、自分がもっている知識は手放しやすくなります。

僕は大学や塾で、学生や生徒さんに心理学を教えるときは、もちろん出し惜しみしないようにしているのですが、僕がどんどん与えすぎて、生徒さんたちがついてこれなくなることも(笑)。

自分が新しいことを身に付けるため、次のステップに進もうとしていたら、自分が培ったノウハウを与えることなんてなんの問題にもなりません。

僕自身、日々知ることの分量は10年前の数倍だという実感があります。記憶力は落ちているでしょうけど、若いころに比べたら何を知りたいかが明確になって、効率的になってきているのでしょう。自分が知りたいことにフォーカスしやすくなっているのです。

若いころって、自分が何を知りたいのかわからない。あっても漠然としていて、うまく絞り込んでいけない。それが歳を取ると道筋が見えてきて、「これはいる、これはいらない」がはっきりしてくるんです。

ですから、自分が与えられない人だとあきらめる必要はありません。自分にはまだまだ知りたいこと、獲得したい技能があるとわかれば、過去に学んだことについては「これはもう知っていることだから教えるよ(私にはもっと面白いことがあるから)」と、躊躇なく与えることができるようになるはずです。

「与えられない自分にモヤモヤする」ということはその状態に不全感をもっているわけですから、前向きになれる素質は十分。

みなさんもソロタイムを上手に活用したら、きっと学ぶ楽しさを知って、与えられる人になれるでしょう。

2020年Oggi2月号「名越康文の奥の『ソロ』道」より
イラスト/浅妻健司 構成/宮田典子(HATSU)
再構成/Oggi.jp編集部

TOP画像/(c)Shutterstock.com

名越康文(なこし・やすふみ)

1960年、奈良県生まれ。精神科医。臨床に携わる一方で、テレビ・ラジオでコメンテーター、映画評論、漫画分析など幅広く活躍中。著書に『SOLO TIME「ひとりぼっち」こそが最強の生存戦略である』(夜間飛行)ほか多数。


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