【目次】
・「僻み(ひがみ)」の意味とは? 日本人では珍しくない?
・「僻み」と「妬み」との違いは?
・「僻みっぽい人」の特徴とは?
・僻みっぽい性格を直す方法はコレ
・最後に
「僻み(ひがみ)」の意味とは? 日本人では珍しくない?
「ひがみっぽい」という言葉はよく聞きますが、漢字を知っている人は少ないかもしれません。「僻み」の「僻」は「ヘキ」とも読み、「かたよる」などという意味があります。「僻地」などに用いられますね。
さて、前置きが長くなりました。「僻み」の意味をおさえておきましょう。
◆僻みの意味
「僻み」とは、ひねくれた考えや気持ちのことを言います。「その洋服すてきね」と褒められても「洋服だけを褒めるなんて…」とムッとしたり、彼が優しくしてくれているのに「何かやましいことがあるに違いない」と勘繰ったり、ものごとを素直に受け取れないだけでなく、悪いほうへ考えてしまうことを言います。
◆僻み根性のある日本人について
「僻み根性」という言葉があります。僻みっぽい性格のことで、比較的日本人に多い性質だと言われます。日本は島国で長い間鎖国をしていました。また、ムラ社会が強固に形成されており、何世代にもわたって同じ地域に暮らすことも少なくありません。こうした環境においては、意識が内側に向きがちになります。小さな範囲の中で他人と自分とを比べては、ネガティブなことを考えたのかもしれません。
現在でも、SNS上や有名人の行動などについてのネット上のバッシングなど、行き過ぎではないかと思われるものも多くありますね。ネットやSNSでは、自分のことを隠して発信ができるので、面と向かって言いにくいことも平気で言えてしまいます。こういったことと「僻み根性」が合わさると、行き過ぎた中傷やバッシングにつながるのではないでしょうか。
「僻み」と「妬み」との違いは?
「僻み」に似た言葉で「妬み(ねたみ)」という言葉があります。「妬み」とは、相手のことを羨ましく思うあまりにその人のことを憎んだり、怒ったりする感情のことを言います。両者はとても似ていますが、区別するには、感情の方向がどちらに向いているかを考えればわかりやすいでしょう。
「妬み」は、相手のほうが優れていると感じたことから生まれる感情で、そのベクトルは相手に向いています。一方、「僻み」は妬む気持ちがさらに進んで、自分が不当な評価を受けているとすねている状態です。この場合、感情のベクトルは自分に向いていると言えますね。
「僻みっぽい人」の特徴とは?
「僻み」っぽい人には、どんな特徴があるのでしょう。あなた自身や、身近な人を診断してみてくださいね。
1:プライドが高いのに、自己評価が低い
「僻み」っぽい人は、そもそも、「自分は誰よりも評価されるべき人間だ」という高いプライドを根拠もなく持っています。ゆえに、他人が評価されることが許せないのです。しかし、これだけであれば「妬み」です。「僻み」っぽい人は、一方で自分に自信がなく、自己評価も低め。
「評価されるべき」というプライドを持っているにもかかわらず、自分自身ですら評価をしないがために「あの人は立ち回りがうまいだけで評価されている」などとひねくれた考え方に陥るのです。「僻み」っぽさのいちばんの原因はこの屈折にありそうです。
2:嫉妬心が強い
「僻み」の根底には、「うらやましい」「私もああいう風になりたい」という妬みや嫉妬心があります。「僻み」っぽい人は、この嫉妬心が強いのです。
3:計算高い
「僻み」っぽい人は、自分が評価されることを常に望んでいます。つまり、常に自分が得をしたいと考えています。そのためにはずるいことでも平気。例えば、自分の意中の彼に同じように思いを寄せる友人に「あの人、彼女がいるらしいよ」などとありもしない情報を流して諦めさせたり、同僚が仕上げた仕事を「私がチェックしてあげる」などと言って、あたかも自分がすべてしたかのようによそおったり、自分の評価を上げるために計算高く行動します。
4:ストレスが多い
ストレスが溜まっていると、なかなか、ものごとを前向きにとらえることができません。もともとは「僻み」っぽくない人でも、日常生活に鬱憤がたまっていると、ものごとをネガティブにとらえがちになってしまいます。
5:感受性が豊か
「僻み」っぽい人は、実は感受性が豊かな人でもあります。人の変化や感情にとても敏感で、すぐに察知することができるのです。その感受性はもちろん、自分自身にも発揮されます。自分の中に芽生えたちょっとした不安やストレスにも敏感。感じ過ぎてしまう性質と、先に述べた自己評価の低さが相乗的にネガティブに作用し、「僻み」へと発展してしまうのです。
僻みっぽい性格を直す方法はコレ
「僻み」っぽい性格は、周囲に対してはもちろん自分に対してもよくありません。職場などでは人間関係に支障をもたらすでしょうし、彼にも愛想を尽かされてしまうかもしれません。自分の中に、「僻みっぽいな」と思う部分があるようなら、直すようがんばってみましょう。
1:愚痴や悪口を言わない友人をつくる
「僻み」っぽい人は感受性が強く、人に影響を受けやすい傾向があります。そこをプラスに利用しましょう。周囲に、愚痴や不平不満、悪口を言わない人はいませんか? そんな人を見つけて、一緒に行動してみましょう。自然とあなたもそのようになることができますよ。
ただし、気をつけないのは、相手を妬まないこと。そこは意識的に注意する必要があります。
2:忙しくする
「僻み」っぽい人は概して暇な時間が多いものです。なので、ちょっとがんばって、予定をたくさん入れてみましょう。忙しくしていると、人のことをうらやんだり、批判したりしている暇が自然となくなっていきますよ。
3:自分の感情を分析してみる
「仲良くしている友人が他の人と話しているのが悔しい」と思ったとしましょう。そんなときに「そんな僻んだことを思っちゃダメ!」と即座に自分の感情に蓋をしてしまうのではなく、「なぜ、そう思うのか」を考えてみるクセをつけましょう。「悔しいと感じているのは、私もあの子と話したいから」と気がつくことができれば、屈折した感情を手放した状態で、彼女と話せるようになります。
「なぜ、そう思うのか」を考えるのは、自分の中に芽生えた感情を認識し、そのことに納得するため。すぐにわからなかったり、納得できなかったりするときには、一旦そこを離れ、気分を落ち着けてから考えてみましょうね。
最後に
僻む気持ちを持つことは、実は誰よりも自分自身が辛いものです。自分を辛い方向へ進めている理由はなんなのでしょうか。ストレスかもしれませんし、自己評価の低さかもしれません。自分の短所ではなく、長所に目を向けてみましょう。自分を好きになることで「僻む」気持ちは自然に消えていくのではないでしょうか。
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