アフター5はN.Y.!? 世界で最初に「ライフスタイル」を提案したホテル「キンプトンホテルズ&レストランツ」が日本初登場
「夜の街」というイメージの「新宿」とは異なる、「西新宿」エリア。ここに10月2日、インターナショナルブランドのホテルとしては26年ぶりにOPENしたのがKimpton Shinjuku Tokyo。…と聞いても「キントン? 孫悟空? なんですかそれ?」という人も少なくない?(念の為、「キンプトン新宿東京」と読みます)。
「Kimpton Hotels&Restaurants」がビル・キンプトンさんによってサンフランシスコに登場したのは、1981年。アメリカでは「ライフスタイルホテル」「ブティックホテル」という概念を初めて持ち込んだホテルとして知られています。
同じコンセプトを持つホテルとして、先日京都に日本初進出を果たしたACEホテルがシアトルに誕生したのが1999年ですから、どれだけ先駆けていたのかがよくわかります。
その他W、EDITION、アンダースなど「ライフスタイル」「ブティックホテル」をコンセプトとしたホテルがキンプトンの後に次々登場。ちなみに日本では青山のTRUNKや先日ベルコモンズの跡地にOPENしたグランドホテルなどもそうですね。
現在全世界で70を超えるホテルと80以上のレストラン、バー、ラウンジを運営しているキンプトンですが、インテリアからアート、室内に至るまで同じスタイルのホテルは作らないというのがポリシー。
では新宿のコンセプトは? ホテルの説明によると「最新のアートシーンとファッションの発信地N.Y.が新宿に現れ、その景色を東京のクリエイティブシーンへと変える」(つまりそれって、N.Y.のアートシーンからインスパイアされ、新宿に再現したということでいいですか?)。
新宿におけるN.Y.感をデザイン・演出したのは、N.Y.を本拠地とするデザイン会社、あの「ロックウェルグループ」(建築、店舗ほかあらゆるデザインを世界中で手掛けている会社です。よく知らないという人はこちら)。日本初進出に際しての力の入れようが伝わってきます。
◆Food&Beverageが充実。普段使いが可能なホテル
KIMPTONは名称に「HOTELS&RESTAURANTS」と付けているように、飲食に対して相当注力しているのが特徴で、それは新宿でも同様です。
朝6時半から開店の1階のザ・ジョーンズ カフェ&バーでは、N.Y.の人気カフェBirch Coffeeのコーヒーを日本に初めて持ち込み、ベーグルやサンドイッチ、色鮮やかなドーナッツ、ピザなどの軽食と一緒に提供。ビールやカクテルなどのアルコールも用意されているので、ランチ飲みもOK。
▲店名はN.Y.に実在する通り、JONES st.のイメージから付けたもの
▲コーヒーのほか、クラフトビール、ワイン、ピザ他フード…。充実のカフェメニューで使い勝手とバリュー感の高いカフェだと思います。
▲家や会社がご近所さんはTO GOで。
▲日本初バーチ コーヒー ¥650。ニューヨークのロングアイランドの工場で焙煎され、コーヒー好きに支持されている、アルチザンコーヒー。現在マンハッタンに14店舗を展開中。
▲もちろんエコフレンドリー。コーヒーにはアイスコーヒー豆素材のストローを使用。溶けても味が変わらないようにという心憎い配慮。
2階の「ディストリクト ブラッスリー・バー・ラウンジ」はマンハッタンの多様性からインスピレーションを取り入れたモダンブラッスリーという立ち位置。
ブランチ(7時〜15時)、アフタヌーンティ(15時〜17時)、ディナー(18時〜22時)、バー(19時〜25時)と時間帯によってメニューとセッティングを変えています。メニューの内容はN.Y.の多様性を意識して、和洋中エスニックと様々な料理の特徴をいかした“ワールドミックスクイジーン”とでも呼ぶべき? 多彩な味付けと料理を提供。
とくにお勧めしておきたいのは、アフタヌーンティ。プレートに盛り付けられた鮮やかで繊細なプティフールとカナッペ一品一品は、NYをはじめ世界のアートシーンを意識して作られたもの。全15種(時期により変動あり)とボリューム多めです。
▲店内はラウンジ、バー、ダイニング、テラスに分けられています。
▲アフタヌーンティ二人分は、こんなボリューム感。
▲アフタヌーンティのメニューのQRコードにスマホをかざすと、インスパイアされたアート作品の解説が表示されるという仕掛け。アンディ・ウォーホールのバナナと、ゴッホのひまわりをイメージしたスイーツも。“アフタヌーンティセット” ¥4,500/1名
◆日本各地から厳選した食材を使ったダイバースカルチャーのフードシーン
総料理長のトーマスは、中国とシンガポールの両親を持つインドネシア生まれ。後にオーストラリアに移住し、数年前より日本に。「N.Y.のダイバースカルチャーから作られるフードシーン、マンハッタンの多様性に基づいたメニュー」を日本の豊かな食材を利用して提供してくれます。
▲総料理長のトーマスさん。料理の内容だけでなく、日本各地から集めた素材へのこだわりもかなりのものです。
▲卵は北海道の小林農園の卵。黄身の色が白っぽいのは米や麦などを中心とした天然の餌だけを食べて育てられた健康的な鶏から生まれた卵だからなんです。“蕎麦粉のクレープ 桜の木で燻製したハム・ホウレン草のソテー グリュエールチーズ・小林農園卵のフライドエッグ” ¥2,800
▲液体窒素で加工したアボカドを、目の前でサーブするシグネチャーメニュー、車海老のカクテル・サウザンドアイランドソース・ニトロ アボカド・クリスタルキャビア。¥6,000
▲リゾットには栃木のお米を使用。“栃木県産 有機龍の瞳米とトリュフのリゾット 百合根・揚げ豆腐・木の芽” ¥5,000
▲自分史上最高級ステーキ、“24カラット金箔松阪牛ステーキ”。¥30,000!
▲15時まで楽しめるブランチメニューはベジタリアンからガッツリまで様々。ちなみにバターは醤油麹を使用とここでもこだわりが。自分の気に入りはアボカドで色味を付けたグリーンライスの上にサーモンとガーリックシュリンプをトッピングしたディストリクト風丼”。
▲カクテルもまたオシャレでございますな。
※文中の表示価格はすべて、税別価格です。
山下マヌー Manoue Yamashita
雑誌編集者を経て旅行コラムニスト/作家に。渡航回数350回超、最新刊『 山下マヌーのランキンハワイ最新版』で著作は62冊に。
Travel columnist&writer after a magazine editor.
Over 350 times to foreign travel, and over 60 books of the copyright so that work.