【目次】
・「温厚」の意味とメリット・デメリットとは?
・「温厚」の類語や言い換え表現にはどのようなものがある?
・「温厚」の対義語にはどのようなものがある?
・「温厚」の使い方の例文
・「温厚」を使った四文字熟語
・「温厚な人」の特徴とは?
・温厚でいるデメリット
・「温厚な性格」になるための方法を知ろう
・最後に
「温厚」とは?
「あんなに温厚な人は見たことがない」「温厚そうなご主人ね」などと、日常会話でもよく登場する「温厚」という言葉。本記事では、その言葉について解説するとともに、温厚な人の特徴や、温厚な人になる方法をお伝えします。
では、はじめに「温厚」の意味をおさえておきましょう。
◆温厚の意味
「温厚」とは、人の性格や人柄について表現する言葉で、人柄があたたかく、穏やかなことをいいます。「温厚」の「温」は温かいという意味、「厚」にも心がこもっていることを表す意味合いがあります。
「温厚」の類語や言い換え表現にはどのようなものがある?
では、次に類語です。似た意味の言葉には、次のようなものが挙げられます。
1:温和
「おんわ」と読みます。温かで、和やかという意味。温厚とほぼ同じですね。違いと言えば、「温和」は人柄だけでなく、気候にも用いることができます。「日本の気候は温和であることが特徴だ」、「祖父は本当に温和な人で、怒った顔など一度も見たことがない」というような使い方をします。
2:柔和
「にゅうわ」と読みます。物腰が柔らかく、和やかな様子を示しています。性質だけでなく、「柔和な態度」「柔和な口調」などというように、動作そのものに対して使われることが多いです。「彼の柔和な笑顔がもう見られないなんて…」という使い方ができますね。
3:穏健
読みは「おんけん」です。政治家などを表す際によく登場しますね。「穏健派」といえば、思想や言動に偏りがなく、穏やかであることを表します。こちらも人柄ではなく、思想や考え方などに対して使うことが多いといえます。「彼は穏健派だと思っていたのに違ったようだ」などと言います。
「温厚」の対義語にはどのようなものがある?
「温厚」と反対の意味を持つ言葉をご紹介します。
1:冷酷
「れいこく」と読みます。対義語の代表ともいえる言葉です。冷たく、酷いこと。思いやりのかけらもなく、無慈悲である状態を指します。「彼の冷酷な物言いに、心が凍りついた」などというように使われます。
2:陰険
「いんけん」と読みます。暗いこと、陰に隠すことを指す「陰」と、けわしい、とげとげしいという意味を持つ「険」を組み合わせた言葉。暗く、とげとげしいさま。温厚とは真逆ですね。「陰険な表情をして、彼は去っていった」などと言います。
「温厚」の使い方の例文
では、さらに「温厚」を用いた例文を挙げてみますね。できれば自分でもいくつか考えてみてくださいね。
1:「彼ほど温厚な人は見たことがない」
2:「温厚な母があんなに怒るのだから、よほどのことがあったに違いない」
3:「夫の温厚な人柄に惹かれて結婚を決めました」
いずれも穏やかで優しい人柄について述べていますね。「温厚」という言葉は、ネガティブな意味合いで使われることはまずありません。
「温厚」を使った四文字熟語
「温厚」ということばが含まれている四字熟語がありますので2つご紹介しますね。
1:温厚篤実
「おんこうとくじつ」とよみます。「篤実」とは、誠実で人情に厚い人を指していう言葉。穏やかでいて、かつ誠実で情け深い人のことですから、多くの人に慕われそうです。リーダーなどに向いている人柄ですね。
2:温柔敦厚
「温厚」が最初と最後に分かれています。読みは「おんじゅうとんこう」。孔子が中国最古の詩集「詩経(しきょう)」について述べたときの言葉とされ、「やさしく、情け深い」という意味。人を教え導く際に必要な人柄を指す言葉として使われました。
「温厚な人」の特徴とは?
「温厚」という言葉について解説してきました。とてもいいイメージの言葉ですね。温厚な人にも憧れます。温厚な人とはどんな人なのか、その特徴を考えてみました。
1:周囲に対して気配りができる
穏やかな人は、周りの人への気配りが上手。常に周りの様子を観察し、人の気持ちを察して動くことができます。
2:人の悪口を言わない
温厚な人は、人を軽蔑したり、悪く言ったりしません。そもそも、そのような行動が好きではないのです。誰に対しても、温かい眼差しを欠かさないのですね。
3:ポジティブ思考の持ち主
温厚な人は、ガテン系ではありませんが、ポジティブにものを考えます。何事に対しても、落ち着いて向き合うので、不要な不安を抱くことがないのかもしれません。たとえ、思い通りの結果が得られなかったとしても、その要因を冷静に見つめ、次のステップへとつなげていくのです。
温厚でいるデメリット
非の打ちどころがないような温厚な人柄にもデメリットはあります。たとえば「押しが弱い」こと。いつでも穏やかな物腰でいられればいいのですが、時には、グッと押さねばならないシーンもあるものですよね。温厚な人は、そういう時に強く言えないことが多いのです。
また、温厚な人は、情に厚く、ていねいな人付き合いをする傾向が強いので、逆に大人数でにぎやかにパーッとやるといったことは苦手です。
でも、温厚な人は、本来前向きで思慮深い人柄の持ち主。自身の性格が悪いほうにでたとしても、落ち着いて向き合うことできちんと対処ができます。そのコツは、感情の裏にある隠れた気持ちに目を向けること。
例えば、職場が騒がしくて、思ったほど仕事が捗らなかったとします。捗らなかったのは騒がしかったからでしょうか。実はそうではなく、騒がしいという事実にこだわってしまったから。本質をつかめれば、どう対処すればいいかは自ずと見えてきますね。
「温厚な性格」になるための方法を知ろう
温厚な人は、多くの人に好かれ、信頼も厚い人が多いもの。憧れますね。温厚な性格になるためのちょっとしたコツをお教えしましょう。
1:些細なことでイライラしない
温厚な人は、何ごとにもおおらかに構えています。些細なことにイライラしてしまう人は、「イラッ」とした時に、心の中で数を数えるといいといいます。次第に落ち着いてきますよ。
2:いつも笑顔でいる
何もなくても口角を上げてニッコリしていましょう。ニッコリしている人に、険悪な言葉を投げつける人はいないもの。あなたの周囲に、穏やかな空気が漂い始めます。
3:温厚な人と付き合う
温厚だなと思う人は周りにいませんか? そういう人と積極的に付き合ってみましょう。温厚な人同士でいっしょに過ごせば、あなた自身もどんどん温厚になっていくことでしょう。
最後に
温厚でいることは、周囲にいい印象を与えるだけでなく、穏やかな暮らしができるようになって自分自身にとってもいいことをもたらします。人の悪口を言わず、いつも穏やかにニッコリと。難しいことではなさそうです。ぜひ、心がけましょう!
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