【目次】
・「お目にかかる」の意味とは?
・「お目にかかる」の使い方を例文でチェック
・「お目にかかる」の類語は?
・「お目にかかる」を使う時の注意点
・「お目にかかる」の英語表現も知ろう
・最後に
「お目にかかる」の意味とは?
「お目にかかれて光栄です」などと聞いたことはありませんか? とても丁寧な表現に感じますが、意味や使い方をきちんと理解して、適切な場面で気持ちを伝えられるようになれるといいですよね。本記事では、「お目にかかる」について、解説いたします。
まずは、「お目にかかる」の意味から、確認していきましょう。
◆お目にかかるの意味
「見える。目に留まる。目につく」といった意味の「目にかかる」の謙遜した表現、すなわち「会う」の謙譲語です。相手の視界に入ることを謙遜した表現なので、自分を主語として、目上の相手に会うときに使います。また、自分の家族や自社の人間が外の人に会うときにも用います。
◆「お目にかかる」と「お目にかける」の違い
「お目にかかる」と「お目にかける」は、非常に似た言葉ですが、異なる意味を持つ言葉です。「お目にかかる」は「会う」の謙譲語、「お目にかける」は「見せる」の謙譲語。つまり、「お目にかける」は、自分が目上の相手に対して何かを見せることを表します。間違わないように気をつけましょう。
「お目にかかる」の使い方を例文でチェック
では、例文を用いて「お目にかかる」の使い方をご紹介します。
1:「遠方からわざわざお越しくださったのに、お目にかかることができずに残念でした」
「お目にかかることができず」は、「会えず」という意味です。例えば、自分が相手の会社に出向いたときにその人が不在で会うことができなかった場合。または、相手が自分の会社に足を運んでくれた際に、自分が不在で会えなかった場合に用います。お互いに出席する予定だったイベントや会議などでも、どちらかが来られなくなった場合に使えるフレーズですね。
2:「社員一同、○○様にお目にかかれることを楽しみにしています」
「お目にかかれることを楽しみにしております」は、相手と会いたい気持ちを伝える場合に使います。また、これから会うことが決まっている場合にも、使うことができる言い回しです。ビジネスシーンでも、相手に会うこと、会えたことの嬉しさを表現するために使われています。
3:「お目にかかることができて、大変光栄です」
「お目にかかることができて、光栄です」は、「お会いできて嬉しいです」といった意味で用います。相手と初めて会ったときに使えるフレーズです。会えたことの喜びを伝えるだけでなく、「光栄」には「名誉に思うこと」という意味があるため、相手への敬意をより表すことができるでしょう。
「お目にかかる」の類語は?
「お目にかかる」の類語は、どんな言葉があるでしょうか? あわせて覚えていきましょう。
1:お会いする
「お会いする」は、「お目にかかる」と同様に、「会う」の謙譲語表現です。「お目にかかる」と比較すると、「お会いする」の方がフランクな相手にも使える表現になります。口語でもビジネスメールの中でも使うことができるので、覚えておきましょう。
2:お目見えする
「お目見えする」も、「会う」の謙譲語表現です。「お目にかかる」と比較すると、より堅い表現で使われます。「新たに人の前に姿を現すこと。目上の人などに初めて会うこと。新製品が発売されたり、公開されたりすること」という意味があります。
3:お顔を拝見する
「拝見する」は、「見る」の謙譲語表現です。「顔が見れただけでも嬉しい」という場面で用いられます。「お目にかかる」よりも、距離が遠い相手との言葉ですね。例えば、有名人を遠くからだけど見ることができたという状況でよく使われます。
「お目にかかる」を使う時の注意点
先述した通り、「お目にかかる」は謙遜した表現のため、自分の行為にのみ使います。丁寧な表現に聞こえてしまうため、目上の相手が誰かと会ったことを聞く際に使ってしまいがちです。しかし、謙譲語ですので、相手の「会う」動作に「お目にかかる」を使うことは、失礼に当たります。例えば、「部長はお目にかかりましたか?」という表現は、間違いです。この場合は、「部長はお会いになりましたか?」が正しい表現であることを覚えておきましょう。
また、漢字を使用する際も、注意が必要です。「お目にかかる」の「かかる」は「掛かる」と書きます。「かかる」と読むことのできる漢字は「係る」「懸かる」「架かる」などがあり、意味が同じものもあるので混同しないよう、気をつけてください。ただし、一般的には漢字を使うよりも、「お目にかかる」とひらがなで表記するのが無難です。
「お目にかかる」の英語表現も知ろう
「お目にかかる」は、英語でなんと言えば良いのでしょうか? 英語には敬語という概念はありませんので、「会う」の意味で、「see」や「meet」を使用することができます。「お目にかかることを楽しみにしている」は「We are looking forward to seeing you」という表現が適切でしょう。
ちなみに、「see」と「meet」の違いについて触れておきましょう。「meet」は基本的に、「初めて会う、約束して会う」という意味で用いられます。「Nice to meet you(はじめまして)」を連想すると分かりやすいですね。また、「see」は、「一度会ったことがある人に会う、予約などをしてこちらから会いに行く」という意味で用いられます。
最後に
いかがでしたでしょうか? ビジネスシーンにおいては、「お目にかかる」だけでなく、謙遜した表現を用いる場面がたくさんありますよね。上司や取引先など、自分がへりくだって相手を立てることができれば、コミュニケーションも円滑になるのではないでしょうか? お目にかかりたい相手にスムーズに会えるよう、上手に使っていきましょう!
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