【目次】
・「ワーカホリック」
・「ワーカホリック」の意味とは? ビジネスでも使える?
・「ワーカホリック」の使い方を例文でチェック
・「ワーカホリック」に当てはまる人の特徴や症状
・「ワーカホリック」になりやすい人の特徴
・「ワーカホリック」を改善する方法は?
・最後に
「ワーカホリック」
世界的に見ると日本人は「真面目で勤勉」とよく言われますね。「働き者」で、寝ても覚めても仕事のことばかり考え、残業や休日出勤も厭わない「仕事重視」型の生活をしている人が多いという印象が強いようです。
こうした仕事中毒の状態を指す言葉が「ワーカホリック」。最近ではテレワークや時短勤務などを導入している企業も増えてきましたが、まだまだ残業は当たり前なんて思っている人は少なくありません。
でも現代はワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)が注目され、2014年には過労死防止法も制定され、働き方が根本から見直されています。自分や周りの人が「ワーカホリック」になっていないか、1度チェックしてみましょう。
「ワーカホリック」の意味とは? ビジネスでも使える?
ワーカホリックとは、家庭や健康、自分のことを犠牲にしても仕事をやらないと落ち着かない人、仕事だけに時間と労力を使い、私生活を顧みない状態のことをさします。1970年代、アメリカの作家ウェイン・オーツ氏によって作られた言葉で「work」(仕事)と「alcoholic」(アルコール中毒)を合成したもので、まさに「仕事中毒」の意味です。
傍から見ると、仕事熱心な人間に見えますが、実はどんなことよりも仕事をしていないと恐怖心を感じる、身体や精神が壊れるまで過剰に仕事をしてしまうなど、心身に支障をきたしてしまう恐れもあります。
日本ではいわゆる仕事人間、長い時間働くことがまるで美徳のように思われる価値観がありますが、欧米では自分の生活を犠牲にしてまで仕事を重視する傾向は減っていて、「ワーカホリック」はあまりいいニュアンスでは使われません。
「ワーカホリック」の使い方を例文でチェック
1:「毎日残業ばかりで、彼は完全にワーカホリックだね」
日本のサラリーマン社会でよく見かける光景ですね。ただし、2019年の働き方改革によって労働基準法が改正され、時間外労働(残業)の上限は月45時間、年間360時間に見なおされ、上限を越えた場合は罰則が適用されます。最近ではかつてのような残業風景は少なくなったかもしれません。
2:「休みの日でも、仕事の連絡やメールをチェックしなきゃならないなんて、あの働き方はまさにワーカホリック」
ワーカホリックになると、休日まで仕事のことを考えるようになってしまいます。休みなのにリラックス出来ず、頭の中は常に仕事のことでいっぱいで、家にいてもパソコンや書類に向かって仕事の準備をしたりするようになってしまいます。
3:「ワーカホリックになると、お金を使う暇もないので趣味もなくなった」
仕事人間になってしまうと、常に頭の中は仕事のことでいっぱいですから趣味を楽しむ時間も労力もなくなってしまいます。むしろ仕事をしないことに罪悪感すら覚えるので、趣味を楽しむ時間があるならば、仕事をしなければと思ってしまいます。
「ワーカホリック」に当てはまる人の特徴や症状
ワーカホリックな人は単なる仕事熱心な人とは違います。自分でも気づかないうちにワーカホリックになってしまっているケースがほとんどです。なかには、体調を崩し健康を損ねてはじめて気が付いた人もすくなくありません。次のような特徴や症状に思い当たるようでしたら要注意です。
1:休日でも仕事のことを考えて、家族や友人とのコミュニケーションが疎かになる
仕事が休みでも仕事に関することばかり考え、読書をしても仕事に必要な資料ばかり読んでいる。そんなことをしていては頭も心も休まる暇がありません。おまけに多忙を理由に友人や恋人との誘いを断っていると、そのうち誰からも声がかからなくなってしまいます。
2:定時での出退社をしない
定時よりも早く出社し、サービス残業を厭わない人、周りにいませんか? 繁忙期や急な仕事ができた時ではないのに、いつも遅くまで残って仕事をしている人はワーカホリック予備軍か、すでにそうなっているかもしれません。
3:常に全力で頑張ろうとする
ワーカホリックの人は根っからの仕事人間、昔よく言われた「企業戦士」というタイプです。もともと真面目で責任感が強いので、仕事はいつも全力投球、肩の力を抜くところがありません。気が付けば、自分でブレーキをかけるのを忘れてしまっているかもしれません。
「ワーカホリック」になりやすい人の特徴
ワーカホリックはプライベートを犠牲にしても仕事を最優先にしている状態をさした言葉です。でも、そこに至るまでのプロセスはさまざまです。仕事が好きで他の事を忘れて熱中してしまう人もいれば、仕事量が多すぎて労働時間が長くなり結果的にワーカホリック状態になってしまう人もいます。
ただ「ワーカホリック」になると、自分の生活や家族や友人、趣味や体調よりも仕事を優先してしまいます。では、ワーカホリックになりやすい人にはどんな特徴があるのでしょう。
1:責任感が強く、完璧主義
ワーカホリックになりやすい人は責任感が強いので、途中で仕事を投げ出したり、人任せにしたりしません。どんなに辛くても、自分でやり遂げなければという責任感が強いため、少しぐらい体調が悪くても、つい無理をしてしまいます。また、いつでも完璧を目指しているので手を抜かないので、いつの間にか自分で自分を追い込んでしまうことも少なくありません。
2:承認欲求が強い
不思議なもので人は頼りにされると、普段以上にやる気が出てがんばろうと思ってしまうものです。その結果が良ければ、次は「もっと頼られるように頑張ろう」と承認欲求が強くなっていきます。「○○さん、すごい」「これ全部○○さんがやったんですか?」と言われると「もっと自分を必要な存在だと認めてもらいたい」という思いも強くなり、さらに仕事量を増やして頑張ってしまいます。
3:仕事以外に趣味がない
ワーカホリックになってしまう人に目立つのは趣味がないという点です。趣味や夢中になるものがないので、仕事に打ち込んでしまい、また仕事をすることで時間の空白を埋めようとします。一方、趣味を仕事にしたという人の場合は、仕事そのものが楽しくさらにそれで収入も増えるのであれば、ずっと仕事をしているのが何よりも楽しい時間になるため、ワーカホリックになりやすいといえます。
「ワーカホリック」を改善する方法は?
1:オンとオフを明確に切り替える
まずは仕事の日と休日のオンとオフをしっかり切り替えましょう。ワーカホリックの最も危険な点は仕事をやり続けてしまうことですから、とにかく物理的に仕事から離れることを心がけてみるといいでしょう。家でも頭から仕事が離れない時は、外出をしたりスマホの電源を切ったり、平日と切り離した時を過ごしてみましょう。
2:睡眠時間と食事の時間をたっぷりとりましょう
ワーカホリックの人は寝る間を惜しんで仕事をしてしまいます。残業が続いて、睡眠時間が削られると、その時はなんとなく乗り切れたとしても、いずれ変調をきたします。徹夜や睡眠時間が少ないのは仕事をしているアピールにはなりません。
むしろ、段取りがよくないと思われてしまいます。また仕事中は短時間のうちに適当な食事をとって済ませていたという人も、きちんと休憩時間を取っておいしく栄養のあるものを食べるようにしましょう。
3:家族や友人との時間をつくる
仕事関係以外の人とコミュニケーションを取ってみるのも1つの方法です。家族や友人とのコミュニケーションを取ることによって、自分では普通だと思っている状況が、客観的に見れば異常であると判断してもらえるかもしれません。また、心身の不調や働きすぎの現状について気づくことができます。
最後に
世界的に見ても日本人は働きすぎだといわれています。その証拠に「過労死」という言葉は日本にしかありません。でも気付かないうちにワーカホリックになっている人も多いのではないでしょうか? 仕事に打ち込むのは素晴らしいことですが、それによって自分自身や周りの人を犠牲にしてしまっては本末転倒です。
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