「訂正」と「修正」の違いってなに?
書類に不備があり、直すことは訂正すること? はたまた修正すること? 使い分けをチェックしてみましょう!
◆「訂正」と「修正」の違いは“明らかな誤り”があるかどうか
【訂正】とは「誤りを正しく直すこと。特に言葉や文章・文字の誤りを正しくすること。」
【修正】とは「不十分・不適当と思われるところを改め直すこと。」
つまり、「訂正」する際には誤字脱字など明らかな誤りがあるのに対し、「修正」する際には誤りとはいえないけれどニュアンスが異なるから言葉を置き換える場合なども対象となり、明らかな誤りがある場合に限りません。言葉選びなどは作り手のセンスや好みが少なからずあり、意味は合ってるけれどこの言葉に変えて欲しいということもありますよね。
そういった場合も含めて、よりよくするために書き換える場合などは「修正」にあたるんですね。直すことを広く「修正」というのに対し、その中でも誤りを直すことを「訂正」という、とするとイメージしやすいでしょうか。
◆「訂正をお願い致します」はNG?
社内、社外を問わず、資料をチェックして誤りを見つけて直して欲しい場合、なんと伝えて依頼しますか?
意味としては「訂正」で合っているのですが、あえて、誤りがありますよ! と伝えることはありませんよね。また、改善を依頼するというニュアンスが含まれることで、前向きな印象に変わるため、例え明らかな誤りがあった場合でも、「修正をお願い致します」と伝えるのがベターです。
部下の指導のため、間違いを指摘した方が良い場合には、あえて「訂正」を用いるとピリッとした緊張感も伝わるかもしれませんね。
◆「訂正致します」はOK!
一方、資料の直しの依頼を受けた場合はなんとこたえますか?
上記のとおり、先方は明らかな誤りがある場合であっても、修正の依頼ということが大半だと思います。先方の直しの依頼の意図を踏まえて「訂正」と「修正」どちらを使うか見極めましょう。
“明らかな誤りがあった場合”には「訂正致します」とこたえることで、誤りに気がつき、認め、対応する姿勢が伝わりますよ。特段、誤りはなく、よりわかりやすくするためなどで直す場合には「修正致します」とこたえましょう。
こういった場合に「訂正」を用いることは、直しの意図が伝わっていないのではと先方に不安を与えることになりますし、修正と訂正の意味合いを理解していない印象を与えます。直しの依頼を受けたからといって、「訂正」と用いることがいつも正解というわけではないので気をつけたいですね。
いかがでしたか? 訂正と修正と似ている言葉ではありますが、状況に応じて適切に使い分けていきたいですね。
言葉の意味/デジタル大辞泉
鶴田初芽
都内在住のOLライター。マナーインストラクターであり、実用マナー検定準一級や敬語力検定準一級など、ビジネスにおけるマナーや、マネーに関する資格(2級ファイナンシャル・プランニング技能士、金融コンプライアンスオフィサー、マイナンバー保護オフィサー)などを保有。丁寧な暮らしに憧れ、断捨離修行中!