アマビエとは? その正体について解説
新型コロナウイルスにまつわり、よく目にするようになった「アマビエ」。さまざまなところで商品化もしているけれど、一体何者なのでしょうか?!
◆「アマビエ」の正体は予言獣
▲出典:『肥後国海中の怪』(京都大学附属図書館所蔵)
「アマビエ」とは、肥後国(現在の熊本県)の瓦版(『江戸時代、天災地変・火事・心中などの事件を速報記事にして街頭で売り歩いた印刷物。ふつう半紙一枚刷り。原版として木版が残るが、もとは粘土に文字や絵を彫り、瓦のように焼いて作ったという。読み売り。』)に記されている妖怪・怪物・予言獣。この瓦版は現在、京都大学付属図書館に収蔵されています。
その瓦版によると、弘化3年(1846年)に、肥後国の海に、毎晩光るものがあるため、役人が確かめに行ったところ、「アマビエ」と名乗る海中に住む怪物が現れ、“これから6年は豊作が続くが疫病も流行るので、人々に自分の姿を描き写した絵を見せるようにしなさい”と告げ、海の中に帰っていったそう。
◆アマビエにはどんな特徴があるの?
その姿は髪が長く、鳥のようなくちばしを持ち、身体は鱗に覆われ、3本の足を持ちます。江戸時代においては、疫病は防ぐことが難しい恐ろしいものであったため、疫病が流行るたびに玄関などに「アマビエ」の絵を貼ったそう。
この「アマビエ」はゲゲゲの鬼太郎のテレビアニメにも登場したことがあり、現在、妖怪ぬり絵の「アマビエ」が無料公開されていますので、チェックしてみてくださいね(小学館)。
◆SNS上で始まった「アマビエチャレンジ」
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、終息を願って、このような伝説を持つ「アマビエ」が「#アマビエチャレンジ」などのハッシュタグでSNS上にたくさん投稿されています。
水木プロダクションの公式ツイッターでも水木しげる氏の「アマビエ」の原画が公開されているほか、芸能人が描いたイラストや、お菓子や置物になった「アマビエ」が商品化されているケースも。消費が冷え込むことが予想される中、新型コロナウイルス終息の願いとともに、お店やアーティストの応援にも繋がりそうなムーブメントですね。
新型コロナウイルス終息の願いをのせて始まった「#アマビエチャレンジ」。「アマビエ」の絵を見せることで疫病の蔓延を防ぎたいという、優しい気持ちからスタートしたものだったんですね。この記事を見てくださったみなさんにも「アマビエ」効果が届きますように!
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鶴田初芽
都内在住のOLライター。マナーインストラクターであり、実用マナー検定準一級や敬語力検定準一級など、ビジネスにおけるマナーや、マネーに関する資格(2級ファイナンシャル・プランニング技能士、金融コンプライアンスオフィサー、マイナンバー保護オフィサー)などを保有。丁寧な暮らしに憧れ、断捨離修行中!